「千年の黙 異本源氏物語」
紫式部の女房であった「あてき」を語り手に、紫式部を探偵役に配した小説です。
紫式部はその洞察力や思考力で「事件」を解決しますが、この小説が解こうとしている最大の謎は「源氏物語」そのものにあります。
「源氏物語には、現存していない一帖があるのではないか。」
「何故、消えた一帖が存在したのか。」
その謎に果敢に挑んだのが、この小説だといえます。
そして、誰よりもその答えを知っている筈の紫式部を探偵役に配したところがこの小説の「妙」なところです。
ところで、私は、源氏物語には「桐壺」と「若菜」の間に、「かかやく日の宮」という一帖が存在していたのだというのは定説だと思っていたので、この本のあとがきで「そういう説もある」という説明がされていたのが意外でした。
まあ、私の「源氏物語」に対するイメージは、ほとんど「あさきゆめみし」によって形作られたものなので、偉そうなことはいえません。
面白かったです。
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