2008.07.01

「走ることについて語るときに僕の語ること」

 村上春樹の本は、小説もエッセイも好きです。
 中には、「ちょっと苦手な村上春樹の本」もありますが(例えば「アフターダーク」とか)、概ね好きだし、文庫化された作品は全て持っている、筈。

 この本は図書館で借りて読みました。

 私は、「走ること」なんてほとんどありません。
 バス停まであと20mくらいで、バスが来ていて、そのバスに乗らないと遅刻かも知れないというときでも走らないかもしれないくらい、走りません(笑)。

 だから、「今まで走ってきたこと」「今、走っていること」について村上春樹が真摯すぎるくらい真摯に語ったこの本の本当に語りたかったことは、多分私には判っていないし、判らないんじゃないかと思います。
 この「真摯」さは、ストレートさのカケラもない、この本のタイトルにも表れていると思います。

 そして、「レースのタイムが伸びなくなってきたこと」についての、村上春樹の「絶望」といっていいのじゃないかと思うくらいの納得のゆかなさも、書きづらさも、目のそらし方も、多分、判らないのです。

 それでも、この本は面白かったし、何か大切なことがどこかに埋め込まれたような気がしました。
 読み終わった今でも、相変わらず、私の日常に「運動」というものはほとんど入り込んではいないわけですが。


<食事日記>
 食事日記を毎日書いていると、emo(エモ)のブログパーツ(サイドバーの一番上に貼ってあります)の、「口ぐせランキング」に食事関連の言葉ばかり載ってしまうということに気がつきました。
 なので、食事日記は、当分お休みします。
 記録は続けているので、何日か分ずつまとめてアップすることに変更です。

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2008.06.20

「ドリームバスター 4」

 昨年5月発刊の宮部みゆき著「ドリームバスター 4」を読みました。
 こっそり書くと、図書館で借りられるようになるまで、随分と待ってしまいました。
 そういえば、「ドリームバスター」は漫画化はされていますが、まだ1冊目の「ドリームバスター」も文庫になっていません。文庫になったら間違いなく購入するのですが。

 「ぼんくら」と同じような形になるのか、「ドリームバスター」は短編(というよりも掌編)の集まりのような感じで始まりましたが、ここへ来て、3巻と4巻の連続性は非常に強く、その分、この「時間鉱山」の部分だけで長編として成立してしまうのではないかというくらいの濃さとぎゅっと詰まった世界を感じます。

 それでいて、なおかつ、解明されていない謎と伏線が山と残されているのです。
 シェンという主人公の男の子のキャラクターといい、もしかして、宮部みゆき作品で一番好きかもしれません。

 できるだけ長く続いて欲しいような、早く張り巡らされた伏線が一気に収束するところを見せてもらいたいような、複雑な気分。
 でも、間違いなく面白いです!


<食事日記>
 濃いアイスコーヒーを飲んだら甘いモノが欲しくなってしまいました。失敗。
朝食
 ごはん、大根と油揚げの御味噌汁、鶏そぼろ、卵そぼろ、鮭の塩焼き、キュウリの梅和え、リンゴ、キウイ、ヤクルト
昼食(外食)
 豆ごはん、油揚げと根菜の御味噌汁、若鶏の山椒焼き(いんげんとにんじんの付け合せ)、切り干し大根、大根の酢漬け
おやつ
 クッキー
夕食
 ごはん、かつおのお刺身、湯葉のお刺身、エリンギとベーコンの炒め物、だだちゃ豆、キュウリの糠漬け、リンゴ

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2008.06.13

「いつも旅のなか」

 角田光代という作家は、NHK-BSで放映されていたトレッキング紀行を見て、その道中を記した「あしたはアルプスを歩こう」という本を読んでから、何となく気になっています。
 正直にいってしまうと、彼女の小説は少し苦手。
 どちらかというと、「旅」にまつわるエッセイの方に親しみを感じるし、読みやすいのです。

 そういうわけで、「いつも旅のなか」が文庫化されたので、購入して読みました。
 この本は旅行記ではない、と思います。
 あちこちの旅先で感じた小粒の光る石を少しずつ詰め込んでみました、という感じ。

 中でも、「Be Happy」という掌編が気になりました。
 彼女がモロッコの旅で出会った、「ねばり強く、奥ゆかしく、商売と親切すれすれのところで相手をいい気分にさせ、ものを売ってきっと感謝までされうだろう、スーパーウルトラ商売人」を育てたのはたくさんの日本人旅行者なのだろう、というくだりが、とても印象に残ります。
 彼女の出会った現実にも、その現実をこう眺めている彼女にも、少しの親近感と少しの違和感を感じるのです。 


<食事日記>
 夕食の冷や奴は、タマネギのみじん切りを乗せて、ごま油とお塩で。
 目先も変わるし、美味しいです。
朝食
 ごはん、キャベツとネギの御味噌汁、イカの干物(伊豆のお土産)、トマト、切り干し大根の酢漬け、キウイ、アメリカンチェリー
昼食(@イタリアン)
 ヤリイカとフレッシュトマトのペペロンチーノ、グリーンサラダ、パン、アイスティー
おやつ(@スタバ)
 キャラメルマキャート
夕食
 ごはん、鰯の開き、小松菜と油揚げの炒め物、冷や奴、切り干し大根の酢漬け、アメリカンチェリー

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2008.06.04

「お家さん」

 図書館で見かけて、何となく手に取って読んだ本です。
 私は特定の作家さんの本を網羅すべく、かつ繰り返し読む方なので、今回のように、何の手がかりもなく(例えば友人から勧められたとか、何かの賞を取ったとか)初めて読む作家さんの本を読むというのはかなり珍しいです。

 「お家さん」というこの本は、戦前に一気に勃興し一気に衰退して破産した、「鈴木商店」という日本初の総合商社のトップに立ち続けた女性の一代記です。
 Wikipediaを見てみたら、「鈴木商店」の流れを汲む会社が今も各業界の一線を張っており、驚きました。

 この本はそういう「鈴木商店」を知った上で、「実は」というような感じで読んだ方がより楽しめるように思います。
 もちろん、そんなことは知らずに読んだ私も、ときどき「この本は何がいいたいのかしら?」と小学校の国語の授業のようなことを考えてしまったりしつつも、面白く読むことができました。


<食事日記>
 今日は、平日だと久しぶりにパン食のお昼ごはんだったのですが、やっぱり夕方にはお腹が空いてしまいました。
 ごはんの力は偉大です。
朝食
 胚芽玄米入りごはん、大根と油揚げの御味噌汁、エボダイの干物(伊豆のお土産)、小女子とくるみの佃煮(青森のお土産)、トマト、べったら漬け、キウイ、ヤクルト
昼食
 サンドイッチ(照り焼きチキン、ごぼうサラダ、チョコバナナ)、コーヒー
おやつ
 チョコ 1コ
夕食
 胚芽玄米入りごはん、ソラマメのポタージュ、鮭のホイル焼き(にんじん・タマネギ・ピーマン・エノキダケの付け合わせ)、水菜とタマネギとミョウガとリンゴのサラダ

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2008.05.27

「髑髏城の七人」

 作者の中島かずきは、「劇団☆新感線」という劇団の座付き作家さんなわけですが、確か、出版社に勤務する編集者でもあった筈。
 講談社社員ではなかったと思うのですが、なのに講談社文庫から本を出しても大丈夫なのかしらと、余計なことを考えたりしてしまいます。

 この「髑髏城の七人」は劇団の代表作で、今まで4回上演されています。
 中島かずきはあて書きをすることでも有名で、出演者が異なるこの4回の上演では全て脚本を書き直し、大筋の流れは変わらないものの、内容はそれぞれかなり異なっています。
 私は初演以外の3回を見ていますが、確かにそのとおり。
 そして、この小説ももちろん、どの上演台本とも同じではありません。
 ソフトカバーで出た頃に、確か、「舞台では絶対にできないラストシーン」を書きたくて小説を書いたと本人が語っていたように思います。

 ソフトカバー版も読んでいるのですが、うろ覚えながら、さらに書き込まれているような印象です。
 やっぱり「髑髏城の七人」って好きだなぁ。
 ちなみに、私は「アカドクロ」と呼ばれている、2004年に上演された古田新太主演版が一番好きです。


<食事日記>
朝食
 胚芽玄米入りごはん、空豆のポタージュ、太刀魚の干物(伊豆のお土産)、サヤエンドウ炒め、瓜の漬け物、キウイ、メロン、ヤクルト
昼食
 かつお丼、かきたま汁、糸こんにゃくの煮物、白菜の漬け物
夕食
 胚芽玄米入りごはん、ドライカレー、ゴボウとにんじんとキクラゲのサラダ、カブとキュウリの甘酢漬け

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2008.05.15

「一瞬の風になれ」

 今さらながらという感もある、いわずと知れた、佐藤多佳子作の2007年本屋大賞受賞作です。

 実は、図書館で見つけたときに、第1巻「イチニツイテ」をパラパラとめくり、あんまり面白くなさそうだなと思って、棚に返しかけたのです。
 そうしたら、たまたま知り合いのお姉さんがそこにいて、「その本、いいわよ。2/3くらいまで読むと凄くよくなるわよ」とおっしゃるのです。
 全3巻を読み終わった今となっては、「その場にいてくれてありがとう!」という感じです。

 神谷新二と一ノ瀬連という主人公2人の、スプリント競技に賭けた(駆けた、かな)高校生活3年間の物語です。
 スポーツしている高校生の男の子ってこんなに爽やかでオトナでがんばっているのね、と思うのです。
 スポーツに全く何の縁もゆかりもない私でも、何だか彼らのことが近く感じられるのです。
 彼らの言うことやること心情に泣けてきます。ほんとです。

 でも、私の好みとしては、守屋くんがいいなぁ。
 (どんな男の子なのかは、ぜひ本を読んでください。)

 以前に読んでここにも書いた「風が強く吹いている」は、箱根駅伝のお話なのですが、高校生と大学生、スプリントと駅伝という対比も興味深く、どちらかを読んで気に入った方は、もう一方もぜひ読むことをお勧めします!

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2008.04.29

「ダーティペアの大征服」

 情報処理技術者試験も終わったことだし、これで心おきなく通勤電車の中で読書に励めます。

 昨日は仕事で、午後6時から4時間半がかりで交渉がまとまり、一件落着となったのはいいのですが、今日になってみたら疲労が体中に蓄積されている感じでまともに動くこともできません。
 色々とやりたいことがあった筈なのですが、結局、ごろごろだらだらと本を読んで過ごしてしまいました。

 ダーティペア・シリーズ、大好きです。
 文庫になったものは全て持っている、と思います。
 なーんにも考えたくない、ぱっとした気分になりたいときにもってこいです。
 しかも、遠い将来のことは「クラッシャー・ジョウ」シリーズを読めばほぼ判るというのも嬉しいです。こういう仕掛けも大好き。

 「ダーティペアの大征服」というこの本は1冊の本ではありますが、このお話の続きが「ダーティペアの大帝国」というタイトルでソフトカバーではすでに出版されています。上下巻になっていないのが不思議なくらい、この2冊の連続性は強く、「大帝国」まで読んで完結という感じになっています。
 そういうわけでこの「大征服」はかなり「ひき」のある終わり方になっています。

 早期の「ダーティペアの大帝国」文庫化を希望!

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2008.04.24

「勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド 」

 ご存知のとおり、ここしばらく超低空飛行を続けていた私は、職場の大先輩方だけでなく、友人たちにもだいぶ愚痴を垂れ流していたらしく・・・。
 そんな友人の一人から、「これ、読んでみなよ。」という台詞とともに、「勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド 」をお借りしました。

 よっぽど、ヤバそうに見えたようです。
 まあ、彼女を何より「ヤバイ」と思わせたのは、私が素で「ところで、インディペンデントってどういう意味?」と聞いた瞬間だったような気もしますが。

 低空飛行の気分のときに、この手の「自己啓発本」(と言ってしまっていいのか判りませんが)を読むとさらに飛行高度が下がる傾向にある私としては、正直、読み始めるのに抵抗がありました。

 ところが!

 読み始めたら、これがカンフル剤のようによく効きます。
 帰りの電車の中で一気に読み終わり、読み終わった瞬間には「もう愚痴を言うのは止めよう」と自然と無理なくココロに決めることができました。
 不思議。

 ずーっと前に高校の先輩が「以前はこういう本を読む奴はダメだと思っていたけど、今はこういう本を読むだけの奴はダメだと思っている」という趣旨のことを言っていたのを思い出しました。

 貸してくれた友人に感謝。
 五月病に罹りかけている方にお勧めです。

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2008.04.17

「池袋ウエストゲートパーク」

 今さらという感がなきにしもあらずですが。
 「池袋ウエストゲートパーク(石田衣良著)」を読みました。
 しかも、読んでいる間中、何故だか私の頭の中では、ドラマ「木更津キャッツアイ」の出演者たちの映像がずっと浮かんでいたというシュールさです。
 どちらも脚本が宮藤官九郎であるという共通点しかないじゃないか・・・。
 しかも、私はドラマ「木更津キャッツアイ」も「池袋ウエストゲートパーク」も両方とも見ていないし・・・。

 それにしても。
 趣味とはいえ、資格試験の受験日を今週末に控え、本当なら本など読んでいる時間があったら試験勉強をすべきところなのですが、試験前になると本を読みたくなるというのは学生時代からの性で、こればっかりは仕方がありません。

 昨夜(というか、今朝方というか)の場合は、0時を過ぎてどうしても眠れず、本でも読もうかと読み始めたら止められなくて最後まで読み切ってしまい、気がついたら午前3時を過ぎていました。

 自分とは全く違う縁のないだろう世界が、「池袋」なんていう比較的身近な街で展開されていて、すっと物語に入り込んで、余計なことを全く考えない数時間が味わえたのが嬉しい。
 この「池袋ウエストゲートパーク」も短編集の形ですが、続編の短編集も何冊か出ているようです。
 シリーズ全作完全読破を目指してみようかしらと思いました。

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2008.03.22

「アコギなのかリッパなのか」

 このブログを書き始めたのは、そういえば読んだ本について書き留めておきたいなと思ったのがキッカケでした。
 しかし、いざ始めてみると、意外なくらい本の話題がないのに我ながら驚きます。
 もうちょっと、本を読んでいるつもりだったのだけれど・・・。

 職場に30代前半の女性がいるのですが、彼女が本当に読書家で、この間まで「罪と罰」を読んでいました。次は何に行くのかと思ったら、カント。朝、彼女に出会う度に「今の東京で、カントを通勤電車の仲で読んでいる30代の女性はきっとあなたとあと2人くらいしかいないに違いない」とからかうのですが、実際はもっと多いのでしょうか?

 それはともかくとして、「しゃばけ」の5冊目がなかなか文庫化されないので、つい畠中恵が描く現代物に浮気してしまいました。

 「アコギなのかリッパなのか」というタイトルからはどんな内容なのか全く見当はつかなかったのですが、引退した大物国会議員の事務所で事務員として働く元不良の21歳(だったかな)の男の子が、事務所と大物の元に持ち込まれる数々の奇問難題を解決する(解き明かすだけではないところがポイント)というお話です。

 短編を、この元国会議員の秘書が区議会議員選挙に立候補し、当選するという外枠で包み込んであるので、つい最近見た「岡本でございます!」というお芝居とオーバーラップしたりして、二重三重に楽しめました。

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2008.03.10

「陋巷に在り1 儒の巻」

 私は、どちらかというと同じ本を何回も読み返すことが多いタイプです。
 そんなわけで、先週くらいから、酒見賢一の「陋巷に在り」を読み返しています。

 こういう感じで、突然、発作的にずっと手に取っていなかった本を読み返したくなるので、なかなか本を減らすことができません。

 酒見賢一は、第1回ファンタジーノベル大賞を受賞した「後宮小説」から読んでいます。そんなに斜に構えなくても・・・、と思ってしまうところもないではないですが、好きな作家の一人です。
 「後宮小説」は、ハードカバーの初版本を持ってます(笑)。

 「陋巷に在り」は全13巻。
 孔子の弟子の顔回という人物が、「陋巷に在」った時期を描いています。
 最後のシーンは、14年に及ぶ放浪にまさに孔子が出発せんとする場面。顔回も陋巷を離れ、孔子の放浪についてゆきます。

 この放浪の様子を描く続編を希望。

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2008.03.01

「花の下にて春死なむ」

 北森鴻の、蓮丈那智フィールドファイルのシリーズの次に読んだのは、香菜里屋というビア・バーの主人である工藤が、謎を解くというよりも人生を説くというに近い雰囲気のある短編集でした。
 なぜ、蓮丈那智フィールドファイルのシリーズにも登場する冬狐堂シリーズに行かなかったのかといえば、通勤途上の本屋で「狐闇」も「狐罠」も見つけられなかったからです。

 ミステリーとして楽しむというよりも、美味しそうなお料理の描写とお店の雰囲気と「人生の機微が語られている」という状況を楽しむという感じで読みました。
 タイトルにもなっている「ねかはくは はなのもとにて 春しなん そのきさらきの 望月の比」という歌も、お伊勢詣りでたびたび耳にした「なにごとの おはしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」の歌も、西行法師が詠んだ歌だなと思ったり。

 雰囲気としては、柴田よしきの「ふたたびの虹」に近いかも。好きな感じです。
 でも、不思議とシリーズ2作目をすぐ読もうという感じにはならず、実際にまだ買っていません。
 時間をおいて、ふと思い出したように続きを読むというのがよさそうです。

 今、Amazonで見るまで知らなかったのですが、第52回日本推理作家協会賞 短編および連作短編集部門受賞作だそうです。

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2008.02.20

「写楽・考」

 この間、ここにも書いた蓮丈那智フィールドファイル1の「凶笑面」、2作目の「触身仏」に続いて、シリーズ3作目にして最近新潮文庫から出た「写楽・考」を読みました。

 やっぱり、いわゆる民俗学が語られている部分はとっつきにくいです。
 小説の中ではかなり蓮丈先生にやっつけられている内藤助手だって相当な頭の回転の持ち主で、本人はそのことに気がついていないものだから、愛情半分やっかみ半分、蓮丈先生に苛められているのじゃないかしら。

 それはともかくとして、この短編集はやはり表題作の「写楽・考」が圧巻です。
 タイトルがこれなのに物語の展開に完全に巻き込まれて絡め取られ、最後までこの「意味」に気づけませんでした。ナサケナイ。

 「凶笑面」で初めて北森鴻作品を読んだのですが、ハマってしまい、他のシリーズにも手を出し始めました。

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2008.02.08

「凶笑面」

 新潮文庫から「写楽・考(北森鴻著)」という新刊が出た。
 読んでみたいと思ったのだけれど、私の通勤経路上のいくつかの本屋さんでは売り切れている。
 その本屋さんでは、北森鴻の別の文庫の新刊を平積みし、「今、北森鴻が売れている」というポップが立っていたから、相当な人気なのだろうと思う。

 この「写楽・考」には、「蓮丈那智フィールドファイル〈3〉」というサブタイトルがついていて、どうせすぐに読めないのなら、シリーズの〈1〉から読んでやろうと購入したのが、この「凶笑面」である。
 それにしても、禍々しいタイトルだなぁ。

 蓮丈那智という異端かつ気鋭の女性民俗学者が探偵役、その助手の内藤三國がワトソン役。
 フィールド調査に出ては殺人事件(が多いような・・・)に巻き込まれ、民俗学上の謎とともに殺人事件の謎も解く、という趣向である。面白い。

 この「民俗学」の部分が、平易に書いてはあるのだろうけれど、発想の枠組みがまるで縁がないということもあって取っつきにくい。
 短編集だから読み通したけれど、これが長編だったら厳しかったかも知れない。
 テーマが写楽であれば多少は馴染みもあるので、読みやすいのじゃないかと、早く本屋で発見したいと思っている。

 ところで、最初は作者は女性なのかと思っていたのだけれど、読み進めていくうちに(「狐」が登場した辺りかな)男性作家だということが判った。

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2008.01.18

「誰か Somebody」

 宮部みゆきの「誰か」が文庫化されたので、早速、購入して読んだ。

 巨大グループ企業「今多コンツェルン」の会長の愛娘(ただし、彼女の母親は正妻ではない)と結婚した杉村三郎は、結婚の条件として義父の会社に入るよう言われ、それまで出版社で編集の仕事をしていたこともあり、グループ広報室に配属になる。
 杉村氏が結婚の承諾を得たのはその会長の個人運転手である梶田氏が運転する車の中で、梶田さんが事故で亡くなったところから、物語が始まる。

 ミステリなので、この先は読んでいただくとして。

 梶田氏には2人の娘がいて、杉村氏にも娘が1人いる。
 杉村氏の妻は、当然のことながら義父の娘である。
 もの凄く乱暴にくくってしまうと、この小説は「父親に愛されている娘たち」の物語なんじゃないかという風にも思う。

 でも、読後感は、少しばかりビターです。

 ところで、「大極宮」によると、2008年1月14日、宮部みゆきの英語版「ブレイブ・ストーリー」が、全米図書館協会が選ぶ"2008 Batchelder Award"を獲得したそうです。
 おめでとうございます!

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2007.12.30

「ナイチンゲールの沈黙」

 ずーっと図書館で誰かに借りられていて読めなかった「ナイチンゲールの沈黙」を年末年始直前にやっと手にして、一気に読んでしまいました。
 私的に大絶賛の「チーム・バチスタの栄光」の続編で、舞台は同じ大学病院、田口先生や白鳥調査官が再び活躍する一冊です。まだ今の時点で文庫化はされていません。

 ネタバレなので、改行します。
 未読の方は、以下の部分は絶対に(強調!)読まないでください。
























 これくらい改行すればよろしいでしょう。

 「歌を聴く人に明確なイメージを伝えることができる」看護師の浜田小夜がキーパースン。
 どうもこの部分を「絵空事?」と最初に思ってしまったせいで(この小説を読んでいくと、どうも実は医学的に実証されているように思われるのだけれど自主的には調べていません。ごめんなさい。)、最初は「チーム・バチスタの栄光」の方が好みのタイプだわなどと思って読んでいました。

 でも、田口先生と白鳥調査官、高階院長ら前作からお馴染みのメンバーに加えて、田口の同期の医師たちや白鳥の大学時代の友人なんかも出没して、しっちゃかめっちゃかにかき回し、それが最終的に落ち着くべきところに落ち着くのはやっぱり気持ちがよい。
 すっきり。

 そして、かなり読み進んでから、前に読んだ「夢見る黄金地球儀」に出てきた彼と彼女の過去が語られていることに気がついて大興奮。
 おぉ! こういう出会いだったのね!

 もっとも、書かれた順番からして、まず彼と彼女の話である、この「ナイチンゲールの沈黙」が先に生まれ、彼と彼女のその後を「夢見る黄金地球儀」で、ちょっとだけそっと見せてくれたのだと思う。
 何の根拠もないのだけれど、この作者は恐らく、少なくとも同じ登場人物が一定程度重みで出てくる小説は時系列に沿って書くのじゃないかという感じがした。ある人の晩年を書いてから、別の小説で「あの人の少年時代」を書くような手法は採らないのではないかという気がします。
 繰り返しますが、根拠はないです。

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2007.12.24

「しゃばけ」


 ちょうどテレビドラマが放映される直前くらいに、友人と本屋さんに行ったときに「これが面白いよ」と教えてもらい、読み始めたらやっぱりハマりました。
 文庫になっている4冊を一気読み。
 クリスマスイブを含んだ3連休にそんなことをしている自分はどうかとも思うけれど、街中に出なければ今日がクリスマスイブかどうかなんてほとんど関係ないということも判明。

 病弱な大店の若だんな、一太郎が自分はほとんど動かずに活躍するのが楽しい。
 妖(あやかし)達が楽しくおまんじゅう争奪戦を繰り広げ、底深い闇のようなものを感じさせない(ことが多い)のも嬉しい。

 1冊目の「しゃばけ」が長編で、今文庫になっているその他の「ぬしさまへ」「ねこのばば」「おまけのこ」はいずれも短編集である。
 短編集も楽しいし、気軽に読めるけれど、やっぱり私は長編が好き。

 早く続きも文庫化されるといいな。

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2007.12.15

「チョコレートコスモス」

 恩田陸の登場回数がとても多いように思うのだけれど、好きなのだから仕方がない。
 図書館で借りて、「チョコレートコスモス」を読みました。

 恩田陸が芝居好きなのは、エッセイなどで読んで知っていたのですが、この「チョコレートコスモス」はもろに現代の演劇界を舞台にしたお話です。
 ちょっと「ガラスの仮面」ちっくなところもあり、大学演劇の話も出てくるし、「あぁ、きっとあの演出家のことね」「これはあの女優さんのことね」「この脚本家はきっとあの人だわ」と今活躍されている方々がモデルになっていることがとても判りやすく示され、そういう意味でも楽しい。
 「今」読んでおいて良かった、と思います。
 文庫になってからだと、現実とのシンクロ度がもっと下がっていたかも(すでに、「ちょっと前のできごと」の話ではあるのです)。

 それから、この本を読む前には「欲望という名の電車」の、それもできるだけスタンダードな、力のある舞台を見ておく方が、何倍も何十倍も楽しめます。
 私は、少し前に「欲望という名の電車」を見ていて良かった、何ていいタイミングだったんでしょうと心から思いました。

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2007.11.27

「東京奇譚集」文庫版

 先月に図書館で借りて読んだ「東京奇譚集」が文庫で出ていたので迷わず購入。

 短編が5編、収められている。
 中では、私は「偶然の旅人」という最初の一編が好きで、登場人物では最後の「品川猿」に出てくるカウンセラーの坂木さんが好き。

 文庫に挟んであったチラシ(というのか?)によると、2008年春に村上春樹翻訳で「ティファニーで朝食を」と「ペット・サウンズ」という2冊が刊行されるらしい。
 最近、村上春樹の小説の新作を見ていないのはこのためだったのか・・・。

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2007.11.15

「チーム・バチスタの栄光」文庫版

 ハードカバーで読んだときにも「面白い!」とこのブログに書いたのだけれど、文庫版を買っちゃったし、文庫で読んでも面白いので、再び書いてしまいます。

 「チーム・バチスタの栄光」は面白いです。

 上下巻に分かれた文庫版で読んだら、ハードカバーで読んだときよりも読みやすいような気がしました。
 何故だろう???

 映画化が決まって文庫版が出たようですが、続刊も早く文庫化されるといいなぁ。
 (いえ、その前に図書館で巡り会えたら絶対に借りちゃうと思いますが。)

 ですが、映画は多分見ないと思われます。
 どうして愚痴外来の田口先生を原作の「田口公平」から、映画では「田口公子」にしちゃうのかしら。
 どう考えてもこの本の魅力は、田口と白鳥とのコンビに負うところ大だと思うのに。
 もう!

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2007.11.06

「わたしのマトカ」

 ずっとこんなことばっかり書いているけれど、職場ストレスは継続中で、そのせいなのか、本格的に風邪をひいた模様。
 仕事も一段落したので、明日はお休みして、とりあえず風邪だけでも撃退することに決定。

 こういうときには、やはり、気持ちの方も清く正しくいくべきだ。
 というわけで、片桐はいりさんの「わたしのマトカ」を読んだ。
 映画「かもめ食堂」の撮影で、フィンランドのヘルシンキに暮らしていたときのこと、撮影が終わった後にフィンランドを一人旅したときのこと、そして意外なことに帰国後のことがかなりのボリュームで書かれている。
 そして、この「フィンランドが終わらない」という一文に代表される一連の文章がとても格好良い。

 「マトカ」は、フィンランド語で「旅」という意味だそうだ。

 ここのところ海外旅行はツアーに乗るばっかりで個人旅行をしていないのですが、やっぱり、下調べをガンガンして、行きたいところを決めて、カンペキに(笑)計画して、そうして行き当たりばったりに旅する、というのをやりたいなぁと思ったのでした。

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2007.10.31

「夢見る黄金地球儀」

 疲労度の高い日々は続く・・・。
 お願いだから、私が何かやらかしたんだったら、はっきりそう言ってくれよ〜。
 ただ不機嫌になられても困るんだよ〜。

 私の悪い癖で、ストレスが溜まってくると、「文庫本ではない」本の衝動買いに走ることになる。
 お洋服や貴金属やその他お値段の張るものを衝動買いしているわけではないので、金額的にはもの凄いことにはならないで済むのだけれど、収納場所がないんだよなぁ・・・。

 そんなわけで、海堂尊の「夢見る黄金地球儀」というソフトカバーの本を衝動買いしてしまった。
 「チーム・バチスタの栄光」を読んで以来、シリーズ2作目の「ナイチンゲールの沈黙」が読みたいのだけれど、図書館になかなか返って来なくてこれまたフラストレーションが溜まっていた。だけど、図書館にあると判っているのにハードカバーの本を購入するのは何となく許せないし、買うのだったら1作目から揃えたいし、シリーズの3作目以降を先に読んでしまうなんて論外だ。
 同じ作者の別シリーズの本が選ばれた理由がここにある。

 この1冊しか出ていないようだし、まだ半分くらいしか読んでいないのだけれど、この登場人物たちはシリーズ化されそうな感じがする。

 半分しか読んでいないのに乱暴な感想だけれど、何となく伊坂幸太郎のようなテイストがある。
 楽しい。
 でも、田口先生のシリーズの方が好きかも知れないとも思う。

 あと半分、「初めて読む本」の醍醐味を味わおうっと。

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2007.10.27

「百器徒然袋-風」

 京極夏彦の作品は、もちろん「京極堂」のシリーズから読み始めてあっという間にはまったのだけれど、その中でも榎木津礼二郎というキャラは、実物が身近にいたらとてもイヤだと思うのだけれど、それでもやっぱり特別で大好きだったりする。

 だから、スピンオフのようにして始まった「百器徒然袋-雨」「百器徒然袋-風」の2冊も大好きである。下手をすると本編よりも好きかも。早く続きが出て欲しい。

 その「百器徒然袋-風」が文庫になったのを機に、「1140円の文庫ってどうよ」と思いながらも購入してしまい、がーっと再読してしまった。
 やっぱりいいよなぁと思う。
 そして、三話目のラストは、ちょっと切ない。

 そして、今かなり私を迷わせているのが、朝日放送でこの「百器徒然袋-雨」と「百器徒然袋-風」をラジオドラマとして昨年に放送しているのだけれど、そのCDブックが、来月9日に発売され、すでにAmazonなどで予約ができるという事実だ。

 困る。
 榎木津礼二郎の声を佐々木蔵之介が当てているというだけでも、ぜひ聴いてみたい。私はどうしてラジオで放送されているときに聴かなかったのだろう。阿呆すぎる。
 でも、全作品の脚本も収録されているとはいえ、9800円はかなり迷う金額でもあったりする。

 しばらく、迷う日が続きそうな感じ。
 でも、来月には誕生日が来るし、自分ご褒美で買っちゃおうかなぁ。

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2007.10.25

「上と外」

 今日、本屋をうろうろしていたら、恩田陸の「上と外」が、文庫の上下2冊組で発売されているのを発見した。
 私は、幻冬舎文庫で全6巻が書き下ろしで1ヶ月おきに刊行されていたときに、首を長くして待っては購入し読んでいたのだけれど、それが幻冬舎で1冊の単行本となり、今度は文庫2冊に分冊されたということのようだ。

 商売上手だぞ、幻冬舎。

 表紙の絵がティカル遺跡(推定)なのがいい感じ。
 思わず買ってしまおうかと思ったけれど、ぱらぱらとめくってみた感じでは本文にはほとんど手が入れられていないようだったので、やっぱり我慢することにした。

 「上と外」は面白い。
 これを読んでいると(特に6冊を一気読みすると)、マヤの遺跡のど真ん中に立ちたくなる。

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2007.10.10

「東京奇譚集」

 図書館で借りて、久しぶりに村上春樹を読んだ。

 文庫化された村上作品は、小説もエッセイもほぼ全て持っていると思う。
 ときどき、適当に本棚から抜き出して(作家別に並べてあるので村上作品であることは判るのだけれど、カバーをかけてあるのでタイトルは判らない。小説家エッセイかの区別と、あとは例えば「遠い太鼓」などは厚さで見当を付けられるくらい)、適当なページを開いて、気が向くところまで読み返す、なんてことをよくやる。
 この話をしたら、「えー! 信じられない。新しい本を読もうよ」と言われたことがあるのだけれど、「本を読み返す」ということをしない人の方が多いのかしら。

 「東京奇譚集」は、タイトルのとおり、東京を舞台にした短編集である。
 私は、この中では「偶然の旅人」という一編が好き。
 でも、こういう「不思議な巡り合わせ」には、まだ出会ったことがない。 

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2007.09.29

「労働ダンピング―雇用の多様化の果てに」

 最近、職場で行われた研修に出そびれてしまったのだけれど、その研修でこの本(岩波新書です)が紹介されたのだそうだ。

 私には、「ではどうすればいいのか」「どういう方策があるのか」という点が特に掴みにくくて少し難しかったのだけれど、もの凄く端折って書くと、この本の言いたいことは(多分)こういうことだと思う。

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 日本の労働の現状として、非正規雇用が拡大し、正社員も「ノルマ」「成果主義」という名の下に不安定な立場に置かれつつある。
 企業は、業績が上がっているときは人件費を投資と捉えるが、業績が下がり出すと人件費をコストとしてしか考えなくなる。しかし、それでは、企業も、企業が属すところの社会も不安定になり、活力がなくなっていく。
 この悪循環を断ち切るために、抜本的な対策・考え方として、労働の実態を「仕事と家族の両立」を男女問わず可能な構造にしていくことが重要である。

*****

 恐らくは、正しく把握できてないだろうと思われるので(ごめんなさい!)、興味を持たれた方はぜひご一読を。

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2007.09.19

「風が強く吹いている」

 三浦しをんという作家は、彼女がバリ島でトレッキングした番組をテレビで見てから、少し気になっていた。
 今日、図書館で「風が強く吹いている」という本を新刊の棚(といっても、この本自体は2006年に出ている)に見つけ、借りてきた。

 帰りの電車と家に帰ってからとで、一気読み。

 帰りの電車では、寝ていたわけでもないのに、一駅乗り過ごしてしまった。
 本を読んでいて降りる駅に気がつかなかったのは本当に久しぶり。

 10名のほとんど素人の集団が4月からトレーニングを開始して、予選会を通過し、その年の箱根駅伝に出場して・・・、というお話。
 箱根駅伝好きの私にはたまらない。

 かといって、私も走ろう、とは思わないわけですが。

 面白かった!
 そういえば、彼女は直木賞作家だった筈。他の小説も読んでみよう。


<2007年9月25日追記>
 図書館で借りてから、毎日のように読み返していたのだけれど、「そうよ、こんなに気に入ったのだから買うべきよ」と思い、普段は文庫になるのを待つのだけれど、珍しく単行本を購入してしまった。
 「自分の本」だと思うとより一層面白く感じるのが不思議。

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2007.09.13

「臨場」

 横山秀夫の小説を読む最初のきっかけは、多分、上川隆也主演のテレビドラマ「陰の季節」だったと思う。

 それで読み始め、面白いし、「読んでいる」という充実感も味わえて結構次々と呼んでいRのだけれど、でも、ときどき読み続けるのが辛かったりもする。
 多分、「組織」対「個人」の対立というか葛藤というか軋轢というか、そういう部分が色濃く出ていて、それが読んでいて息苦しくさせるように思う。
 その息苦しさを感じさせるのに、警察という組織はもの凄く効果的なんだろう。

 この「臨場」は、本屋さんで平積みされているのを見て、帯に「異名は「終身検死官」」と書かれているのを見て、ついフラフラと買い、一気に読んでしまった。
 面白い。
 短編集で、最初の何編かはやはり「息苦しい」のだけれど、少しずつ主人公の「終身検死官」倉石に近づけたような気になり、最後には「息苦しさ」を忘れている。いつの間にか「組織」対「個人」の話ではなくて、「人」の話になっている。
 上手い。

 この小説もテレビドラマになりそう、と思ったりした。

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2007.09.10

「キラレ×キラレ」

 「理系ミステリ」という言われ方が実は今もよく判らないのだけれど(そもそも、そういう感想を持たなかった)、森博嗣のデビュー作「すべてがFになる」は面白かった。
 S&M(犀川創平&西之園萌絵)シリーズと呼ばれる、「すべてがFになるから」始まる10冊のシリーズをそのまま一気に読んだ記憶がある。

 全10冊で完結したと思っていたシリーズが、次のV(瀬在丸紅子)シリーズ全10冊や、「四季」の4冊、Gシリーズの6冊と続き、Xシリーズの2冊目であるこの「キラレ×キラレ」まで、前のシリーズで出た結論をひっくり返したり、時を遡ったり、意外な人間関係があったりしつつ続いている。
 つまるところ、何だかんだ言って読み続けている自分がちょっと悔しい(笑)。

 負け惜しみをいうようだけど、これらのシリーズを通して、1冊1冊のミステリとしての完成度や面白さという点では、実はそれほど好みではないような気がする。
 でも、1冊のミステリすら捨て駒のようにあっさりと物語世界全体を構築する一部品として使っている、その全体像を見逃したくなくて、ついつい新刊が出ると手を伸ばしてしまうのだ。

 というわけで、「キラレ×キラレ」を帰りの通勤電車で半分くらいまで読んだ。
 オチの推測がつくような、つかないような・・・。


<2007年9月12日追記>
 読み終わった。
 私の推測は微妙に外れていたのですが(どんな推測だったかは、恥ずかしいので内緒)。
 うーん。でも、カタルシスはないような・・・。

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2007.08.31

「銀河英雄伝説」

 言わずと知れた田中芳樹作の長編スペースオペラの大傑作である。
 (でも、こっそりと書くと、私は銀英伝よりもアルスラーン戦記の方が好き。)

 「銀河英雄伝説」は高校生の頃から大好きで(と書くと年齢がバレる?)、徳間文庫で全10巻を持っているのだけれど、読み返しすぎてボロボロになってきたし、最近、創元SF文庫から新しく出始めたので、そちらで揃え直すことにした。

 今日、4巻が出ていることを発見し、即、購入。

 徳間文庫版との違いを探そうと思いつつ、あっという間に面倒になり、各巻数ページずつ見ただけ。
 そこを楽しめない私は、本物の本好きではないんだろうなぁ。

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