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2010.01.01

ベネズエラ旅行記6日目

2009年8月20日(木曜日)

 この日のモーニングノック予定時間は7時で、珍しく普通の時間に起きればよい筈だったけれど、やはり前日に雨に打たれたのが祟っていたらしい。2時か3時、とにかくまだ外が暗い時間に目が覚めてしまい、しかも熱っぽい感じがする。
 解熱鎮痛剤を飲み、喉が渇いていたので1Lくらい水をがぶ飲みし、熱を下げるために体中に「休足時間」を貼りまくってもう一度寝た。

 もう一寝入りして目が覚めると、外が明るくなっていた。
 上にコートを羽織って外に出てみるとちょうど日の出である。
 ラグーンの滝の間、その背後にそびえるテプイの間から太陽が昇ってくるのが見える。
 慌ててカメラを取りに戻り、カナイマの日の出の瞬間を撮影した。
 5時40分過ぎのことである。

朝食 8時前に朝食をいただいた。
 トウモロコシのパン、スクランブルエッグ、トースト、ハム、チーズ、オレンジジュース、コーヒーというメニューである。トウモロコシのパンにバンズのように切り込みを入れ、そこにスクランブルエッグをはさんで食べると美味しい。
 そして、このトウモロコシのパンだけはいつでもどこでも焼きたてが供される。

 8時30分過ぎにロッジを出発し、ラグーンクルーズに向かった。
 私のイメージでは「ラグーン」というのは「入り江」のことで、「入り江」だからそこは海でなければならないけれど、カナイマのラグーンは海ではない。
 どうしてカナイマに「ラグーン」があるのか、添乗員さんに教えてもらったけれど、忘れてしまった。

 カナイマのラグーンは綺麗である。
 見た目はビーチリゾートそのものだ。
 ラグーンにはいくつもの滝があり、全部まとめて「ゴンドリーナの滝」と呼ばれている。さらに一つ一つの滝にも名前が付いている。その後ろにはテプイがそびえ、まさしく絶景である。
 ラグーンクルーズは、昨日のエンジェルフォール展望台に行ったときに乗ったのと同じようなボートで、「今日はのんびりするのが目的ですから」と優雅な遊覧である。

 滝の近くをボートが通ったときにミスト状の水しぶきがかかったのが唯一の「冒険」らしいイベントだった。
 「水しぶきがかかる」という事前情報が前日にあったので、後で着替えられるよう、赤い長袖シャツとカーキのカーゴパンツを履いたらちょっと暑くて汗ばんでしまった。

カナイマラグーン ボートの旅は、途中、ラグーンにある島に上陸した。
 少し歩くと、アチャの滝を真正面から見ることができる。
 ここでもラグーンの水が茶色っぽいのはタンニンのためであり、手前に盛り上がっている白い泡もタンニンが攪拌されたものである。
 砂が綺麗なピンクに染まっているのもやはりタンニンのためだという。
 このタンニンを使って石けんを作ってお土産物として売り出し、起業すればいいんじゃないか話が出たりした。

 当初の予定ではここで一度ロッジに戻って荷造りをしてから2度目のエンジェルフォール・フライトへ行くことになっていた。
 しかし、ガイドのウラジミールさんに連絡が入り、「今ならセスナが空いているので、先に飛んじゃいましょう。」ということになった。
 しみじみとアバウト(臨機応変ともいう)である。
 時間調整のために少しだけお土産物屋さんに寄り、空港まで歩いて行った。

セスナ機 ロライマ・テプイに行くヘリのときのグループ分けで、代表者がジャンケンで1便と2便を決めることになった。
 このセスナもまた、パイロットを含めて6人乗りという小ささである。
 ジャンケンの結果、私たちが先に飛ぶことになった。
 ヘリのときに助手席に乗っていない2人がジャンケンをして助手席が決まり、真ん中の列に2人、最後列に1人という配置である。
 カメラを2台抱えていた私が最後列を譲ってもらい、「ちゃんと写真を撮るように。」と厳命を受ける。

 10時過ぎ、第1便が飛び立った。
 飛び立つ直前、セスナの機内に蠅が1匹入り込んでいることに誰かが気がついた。
 窓が開いていたので「そのうち出て行くだろう」と思ったけれど、流石に離陸直前にパイロットのお兄さんが窓をぴしゃりと閉めてしまい、その蠅も私たちと一緒にエンジェルフォールフライトを楽しむことになった。
 お一人が、「**さん(添乗員さん)、きっと私たちだけで行かせたらとんでもないことになると心配して、蠅に変身して付いてきたんだよ!」と言い出して、機内は大笑いになった。
 このメンバーで車に乗っていたとき、「蠅男」という映画の話になったことがあったのだ。

カラオ川上空テプイ上部

 そんな大笑いの4人を乗せて、セスナは、昨日ボートで3時間以上かけて遡ったカラオ川に沿って飛び、エンジェルフォールに向かった。
 昨日の朝とは打って変わっていいお天気である。青空も見える。
 そして、あっという間にテプイが連なる辺りに辿り着いた。
 雲はかかっているものの、テプイの形や、そのテーブル台地の「テーブル」の部分がはっきりと見える。

 そしてついに、エンジェルフォールが見えた!
 真ん中辺りに雲がかかってしまっているけれど、エンジェルフォールの上から下まで、見ることができた。
 この写真では判らないけれど、滝壺近くでは虹がかかっている。

エンジェルフォール落ち口 セスナは、エンジェルフォールの上をなめるようにぐるりと旋回してくれる。
 ちょうどそのとき、エンジェルフォールの落ち口に着陸していたヘリが飛び立った。
 写真に撮ったつもりが残っていなかったので記憶に多少の不安はあるけれど、ヘリから人が降りて歩いているのを見たような気がする。
 そんなこともできるのだ。

 エンジェルフォールの上を右から左から旋回した後、セスナは再びテプイの上空を低空飛行して、カナイマへの帰路を取った。
 この頃には、写真と動画を撮ろうとがんばっていた私はかなりクラックラしており、ファインダーを覗きすぎて気持ち悪くなる人がいるという注意事項を思い出したけれど、もう遅い。

 この帰り道がまた楽しかった。

カラオ川を行くボート カラオ川の上を、それこそ超低空飛行でセスナは飛ぶ。
 相変わらず川面は静かで、空と雲をくっきりと映している。
 川を行くボートがこんなに近く、同じ高さでセスナから見えるなんてあり得ないと思う。
 低く飛ぶ分スピード感は増して、かなり爽快かつアドベンチャーなフライトだった。

ラグーン上空 そして、最後の仕上げとばかりに、ついさっきボートから見たばかりのゴンドリーナの滝を掠めてセスナは飛び、ラグーンからすぐのところにある飛行場に戻った。
 面白かった!
 約40分のフライトが、もっともっと長く感じられた。
 気がつくと機内から蠅の姿は消えていて、着陸したセスナに向かって歩いてきている添乗員さんの姿が見え、またまた「元の姿に戻ったんだよ!」と大笑いになったのだった。
 (この場を借りて懺悔します。添乗員さんごめんなさい。)

 添乗員さんも乗せた第2便が飛び立ち、残された第1便の4人は、空港のお土産物屋さんに釘付けになった。
 いわゆるお土産物屋さんにはほとんど寄っていないし、この先も空港にあるお店を除けば立ち寄る見込みもない。
 私は、ウラジミールさんの奥さんがやっているというお土産物屋さんで、絵はがき3枚(2ドル)とジャスパーの石で作られたペンダントトップを三つ(1個6ドル)購入した。

昼食 気が済むまでお買い物をして、ロッジに戻ったのは11時過ぎだった。10分後には第2陣もロッジに帰着し、荷造りをして12時からロッジのレストランで昼食になった。
 シャワーシートで汗を拭き、全身着替えるとかなりさっぱりした。
 昼食は、レタスとトマトのサラダ、鶏肉のトマトソース煮、パン、ライス、コーヒーというメニューである。
 かなり迷ったけれど、セスナの酔いが残っているような気がしたのでビールはパスした。

 第2陣は、私たちよりもさらに鮮明にエンジェルフォールを見ることができたらしい。添乗員さんが「アウヤン・テプイに登ることを決めました!」と宣言していた。
 しみじみと、タフである。
 エンジェルフォールの落ち口に降りられるヘリに乗ってみたいとしか思わない私とは、比べるのも失礼ながら雲泥の差である。

 もう後は帰るだけなのが淋しい。
 そして、この帰り道が果てしなく長いのが悲しい。

プエルト・オルダス 13時過ぎにチャーターのセスナが出発し、約1時間のフライトでプエルト・オルダスに到着した。
 セスナの窓からこんな景色が見え、「もうここはギアナ高地ではないんだな」、「街に帰ってきてしまったよ」と思う。
 ここには写っていないけれど、プエルト・オルダスは工業都市で、周辺には黒い煙ともくもくと吐いている工場もたくさんある。
 着陸して、その辺に適当に駐めたように見えるセスナから空港ビルに荷物を自力で運び、お手洗いに入って出てくると、大雨が降っていた。
 私たちは運がよい。

おやつ カラカス行きの飛行機は18時発で、4時間待ちである。
 この待ち時間にプエルト・オルダスにある植物園やショッピングセンターなどに行くこともあるらしいけれど、雨のせいか空港までの道が大渋滞しているという情報が入り、空港内のカフェでおしゃべりでもして待ちましょうということになった。
 ベネズエラのカフェでは「エスプレッソ」か「カフェオレ」かの選択肢しかないような気がする。
 カフェオレを頼み、添乗員さんが空港内で調達してきてくれたおやつをみなで賞味する。
 白いのはクリームチーズ、オレンジ色がマンゴーのゼリー(ちなみにこれが一番お値段が高かったらしい)、茶色っぽいのはバナナの羊羹のようなお菓子である。
 見た目に反して、どれも美味しかった。

 空港内のお土産物屋さんを覗いたり、空港内のカフェでコーヒー豆を買ったり、時間をつぶしていると、9人が固まって座っていたのに何故だか私を狙ったように話しかけてくるベネズエラ人の女性がいた。
 私が全く使えない英語力を駆使してお話させていただいたところ、彼女は日系3世で、母方の祖父はミヤケさんという名字だそうだ。日本にも行ったことがあると言う。
 ご本人は日系企業のジェネラル・マネージャーで、プエルト・オルダスにはミーティングのために来ており、普段はカラカスで働いているそうだ。彼女の勤める会社には日本人駐在員もいて、彼らはみな英語がしゃべれるという。

 旅行に来た、この8人の女性がグループであると言うと、「ビーチには行ったか。」「日本人はベネズエラにはバードウォッチングに来ているのだ。」と言い、後者についてはその真意と真偽が謎だったけれど、前者については、携帯電話で撮ったビーチリゾートの写真など見せてくださる。
 確かに綺麗な海だ。
 忘れていたけれど、ベネズエラはカリブ海に面しているのである。
 一方で「エンジェルフォール」を見に来たと言ったら、あまりピンと来ていない様子だった。
 18時発予定の国内線が遅れ、多分、30分以上、私は彼女とお話させていただいたと思う。
 拙すぎる英語力しかない相手に、簡単な英語で意思疎通できる話題を探してくれた彼女も大変だったと思うけれど、それに付いて行こうとがんばりすぎたらしく、脳みそを使いすぎて気持ち悪くなってしまった。

 R7745便カラカス行きの飛行機の中でも国際交流は続いた。
 お隣に座っていた父子は、日本に行ったことがあるのか、日本語を勉強していたことがあるらしい。
 息子の方は5〜6歳に見えたし、お父さんの方がもうだいぶ日本語を忘れてしまったという趣旨のことを英語で言っていたから、多分、日本に住んでいたことがあるのではないだろうか。
 いきなり「私は日本語が話せません。」と若いお父さんから日本語で話しかけられたときにはびっくりしたけれど、この息子がとにかく可愛かった。何しろ、お父さんに促されての第一声が「私の名前はマルコと申します。」である!

 お父さんのリクエストで、マルコの持っていたノートに「マルコ」とひらがなとカタカナと漢字で書いてあげると、非常に喜んでもらえたのが、こちらもとても嬉しかった。
 私の汚い字で申し訳ない限りである。
 脳みそが疲れ果てていなかったらもっとおしゃべりしたかったけれど、とても残念だった。
 でも、見ているだけで幸福になれそうな父子だった。

 20時30分頃にカラカスに到着し、空港内の人の多さに酔いそうになった。
 カラカス市内は治安が良くないということで、カラカス郊外のカリブ海に面したリゾートホテルである「オレ・カリベ」が今夜の宿である。
 21時過ぎに到着し、チェックインもそこそこに夕食をいただくことになった。
 スープが出る前に、何故か全員にボールペンがプレゼントされたのが謎である。

夕食 夕食のメニューは、シャンツァイの利いた野菜スープ、シーフードプレート、デザート(デザートワゴンが登場した!)だった。
 飛行機の中で爆睡したせいか、脳みその疲労が全身に及んだのか、今ひとつ調子がよくなかったので、アルコールはパスしてメロンジュースを頼む。この「今、絞ってきました」という感じのメロンジュースがとても美味しかった。
 ベネズエラに来て初めて食べたシーフードは、とても美味しかった。しかし、どう見てもこのお皿は2〜3名分という量である。
 見事に完食した方もいらしたけれど、私は半分弱でギブアップし、デザートもチョコレートケーキが美味しそうだったけれど泣く泣く諦め、プリンをいただいた。
 確か空港を出たときには雨は降っていなかったのに、夕食の間、窓の外は嵐かと思うくらいの大雨が降っていた。

オレ・カリベのお部屋 夕食を終えて部屋に入れたのは22時過ぎだった。
 カラカスでお別れしたキャリーケースも部屋に運ばれている。
 久しぶりのバスタブが嬉しくて、まずはお湯を貯めようとしたけれど何故か水しか出ない。5つ星ホテルだと念を押されたのにおかしいと首を捻って、ピンと来た。
 スペイン語では、確か、Cがお湯でHが水なのである。
 Cと書かれた蛇口をひねると熱いお湯が勢いよく出て来た。

 ベネズエラから絵はがきを出すチャンスは明日の朝しかない。
 お湯をためている間に絵はがきを書き、ゆっくりお風呂に浸かるともう23時30分だ。
 明朝のモーニングコールが4時なのが辛いと思いつつ、荷造りもそこそこにベッドに潜り込んだ。
 
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