2025年11月11日(火曜日)
9月に母の誕生日記念に温泉旅に行ったので、11月は私の誕生日記念に温泉に行こうと母が言い、母が「行ってみたい」と言っていた諸々を思い出して検討した結果、今回の阿智村に星を見に行く旅行を決めた。
星空ツアー参加のため夕食が17時からと早い。お昼ごはんは新幹線の中で早めにいただき、名古屋から高速バスで昼神温泉に向かい、チェックイン開始の15時くらいに宿に到着するよう考えた。
10時前に東京駅に到着し、お昼ごはんにする駅弁を探す。
星空ツアーに行く際の防寒着の嵩が張ったのでミラコロを転がしており、あちこち探し歩くのも大変で、母は駅弁屋祭で「銀だら幕の内」を選び、私は別のお店(新幹線乗り換え口に近かったと思う)で、 刷毛醤油海苔弁山登りの「鱈西京焼きの海苔弁」に決めた。
飲み物は、朝、自宅で七福茶を水筒に入れてきている。
今回、直前に行くことを決めたし、東海道新幹線は本数も多いし、始発の東京駅で乗車するし、何よりネットで指定券を取る方法が今ひとつよくわからなかったので、自由席で行くことにしていた。
のぞみよりも断然自由席車両の多いひかりの方が座れる可能性が高いだろうと考え、10時33分発のひかり639号を狙って発車時刻10分前くらいにホームに上がった。
5号車の乗車口にも10人くらいしか並んでおらず、席は選び放題だった。
東京駅を出発したとき、空は雲に覆われていた。
西に向かうにつれ、何となく空が明るくなったように感じたものの、富士山は東側の裾野がちらりと見えただけで山頂は雲に覆われていた。
ちょっと残念であり、そして不安でもある。
11時半過ぎにお弁当を開いた。
お弁当の蓋を開けると海苔が一面に敷かれているように見える。実際は左側のおかずが入っているところにごはんはなくて、当然のことながら海苔もない。
揚げ物が少なく、海苔弁も美味しく、鱈の西京焼きももちろん美味しい。
あっという間に完食した。
お弁当を食べ終わって一息ついたら、もう名古屋に到着である。
12時14分、名古屋駅に着いた。
名古屋駅に来たのは初めてではないけれど、いつ来たのか忘れるくらいには前のことである。当然、土地勘もない。
きょろきょろしながら「名鉄バスセンター」の文字を探して駅構内を抜け、名鉄百貨店メンズ館3・4階にあるバスセンターまで、徒歩10分くらいで到着することができた。
13時名古屋発飯田行きの高速バスに乗車した。ミラコロはトランクに預かって貰う。
高速バスに乗るのも久しぶりだ。
車内は半分も埋まっていない感じだ。平日だし結構本数は出ているし、こんなものだろうか。
乗り物に乗ったら条件反射で爆睡するようになっている私は、今回も昼神温泉に到着するまで、ほぼほぼ熟睡していた。道中起きていた母によると、紅葉が非常に綺麗だったそうだ。
確かにときどき目が覚めてちょっとだけ窓の外を見たとき、青空に黄色い葉が映えていたことを何となく覚えている。
高速バスは高速道路を降りて、14時50分、ほぼ定刻通りに温泉街から少し外れた停留所に到着した。
そこから本日の宿であるホテルはなやまでは、最後に上り坂がありそうなものの、恐らく徒歩15分くらいである。「紅葉と温泉街の見物がてら歩く?」と母に聞いたところ「歩かない」と即答で、宿に電話をかけてお迎えをお願いする。
すぐにお迎えに来てくださった。
名古屋からの高速バスは、高速道路を降りた温泉街近くのバス停に停まる場合と、高速道路上のバス停に停まる場合があり、ホテルはなやでは、温泉街近くのバス停までの送迎のみで、高速道路上のバス停からの場合は、タクシーを手配してくださるようだ。
サイトの情報でそれが分かったので、温泉街に降りる便を探したところ、この情報を探すのが結構大変だった。
もう少し分かりやすいといいのになぁと思う。ネットで探すより、宿に電話して聞いてしまった方が早そうである。
ロビーでチェックインし、アメニティ類をプレゼントしていただき、色浴衣を選び、お部屋に入る。
2階のお部屋で、他のお部屋には名前が付いていたけれど、我々のお部屋は普通に「208」等と番号のみで少し寂しい。
お部屋に落ち着いて、お茶を飲み、お茶菓子をいただく。
このお茶菓子が、和菓子司ふくさやの、粒栗のわらび餅包み、もう一つが栗羊羹で、どちらも美味しかった。
ゆっくりしていたら、母が「面倒臭いから私は行かないけど、あなたは宿の方がお勧めしてくださっていたし、貸切風呂に行ってきたら? まだ誰もいないんじゃない?」と言い、15時半くらいに一人で温泉に行ってみた。
貸切風呂は二つあり、入り口前にスリッパがあるかどうかで使用中か判断してくださいというお話だった。残念ながら、どちらの入り口前にもスリッパが脱がれている。
それならばと大浴場に行ったところ、こちらは誰もおらず、独泉だった。却ってラッキーだったかも知れない。

こちらのお湯は、アルカリ性単純温泉でいわゆる「美人の湯」「美肌の湯」である。
脱衣場には「美肌温泉証第31号」と書かれた証明書が掲げられていて、曰く「貴宿の温泉は株式会社ポーラの肌化学研究により肌への有用性が証明されました よってここに美整リペア温泉に認定しましたことを証明します」とある。
検索してみたところ、美肌温泉ガイドというサイトがあった。詳細はそちらに譲ろうと思う。
無味かどうかは確認していないけれど、無色透明無味無臭の温泉で気のせいか少しとろっとしているように感じた。
加水なし、加温あり、循環濾過あり、塩素系殺菌剤ありではあるものの、塩素の匂いはほぼ感じなかった。
もの凄く必死に調べた訳ではないけれど、私は昼神温泉で源泉掛け流しの宿を発見できなかった。
標高が高いせいか、特に露天風呂は冷たい空気が気持ち良く、ゆっくり温泉に浸かることができる。湯温もそれほど高くなく、しかし湯上がりはぽかぽかして気持ち良かった。
今回「星空ツアー&送迎付き」のプランで予約しており、ツアー出発が18時半、夕食は17時からである。
食事会場に行くと我々を含めて5組の方がいらっしゃって、どうやらみなさん星空ツアー参加組だったようだ。チェックインのときに「概ね1時間くらいで全てお出しできます」と言われたので、恐らく「進行早め」の人たちが集められていたのだと思う。
いただいた夕食は以下のとおりである。

食前 南信州産梅果汁
先付 ジャンボ落花生
前菜 太刀魚西京焼き 秋刀魚小袖寿司 黒豆枝豆 パプリカのピクルス
四角豆の味噌バター炙り 柿玉子 みずの実のおひたし


造里 信州サーモン・帆立・赤海老
炊き合わせ 大根含煮 六方小芋 南京旨煮 有頭海老芝煮
もって菊 紅葉人参 小梅生麩 モロッコいんげん


焼物 天竜産天子塩焼き
お凌ぎ 信州八ヶ岳産手打ちそば
アマゴはちょっと塩が強かったけれどそれでもバリバリ食べられて美味しかったし、料理長が自ら打ったというお蕎麦は細くて冷たくてつるつると喉越し良く美味しい。


蒸し物 伊勢志摩産名残鱧の玉〆 ぎんなん 百合根 ふり柚子
台物 信州牛のすき焼き


御食事 阿智村産新米こしひかり 味噌汁 香の物
デザート 国産さつまいもの自家製プリン
軽めでお願いした阿智村産のお米が美味しくて、もう少し食べたかったかも、と思った。
デザートまで1時間ちょい、事前のご案内どおり、しっかりいただくことができた。
お部屋に戻って防寒態勢を整え、星空ツアーに出発である。
宿から坂を下った底にあるバス停前に送迎のバスが迎えに来ますという案内だ。
フロントで鍵を預け、シートを貸していただき、急な坂を下ってバス停前に行く。母と「帰りはこの坂を上がるのね」「辛そうだわ」と言い合っているうちに、7〜8人が集まった。
懐中電灯かヘッドライトを持ってくれば良かったなと思う。
バスはあと二つの宿で参加者をピックアップする。もの凄い大荷物の方や、畳4畳分くらいありそうなシートを持参されている方がいらして、軽装の自分たちは大丈夫なのかしらと若干不安になりつつ、マイクロバスは真っ暗な中を進み、30分くらいで星空ツアーの出発地点に到着した。
今ひとつよく分かっていなかったし今も分かっていない可能性も高いけれど、「星空ツアー」は、へぶんすそのはらというスキー場で開催されているということだと思う。春のお花や夏の避暑、秋の紅葉も楽しめるようになっていて、夜は(多分)通年で星空ツアーを開催している。
21時半までにバスに戻ってください、21時過ぎからバスに乗れるようにしておきます、もし早く全員が揃ったら早めに出発します、という案内の後、ゴンドラに乗るよう促された。
結構長い時間ゴンドラに乗り、山頂駅に到着した。
予習を全くしてこなかったせいで、さてこれからどこへ行って何をすればいいものかさっぱりである。
何となく人の流れに乗って歩いていたら、「19時20分から**が始まります」的なアナウンスがあり、芝生の広場に結構な人数が座ったり寝転がったりしているのが見えた。
うん、ここだろうと、空がよく見える辺りに母と二人で寝転んだ。
照明が消され、星空教室と言えばいいのか、星座を始めとする星空の解説が始まった。
雲一つなく、月もない。絶好の星空観察日和である。
何となく「下弦の月」の晩は星空を見やすいと思っていて、下弦の月に近い日を選んだ自分はエライと一人で悦に入る。実際、下弦の月は夜中に登るため、21時終了のこのイベントでは全く問題ない。
昼神温泉の宿は新月の晩の方が予約を取りにくいと聞くけれど、下弦の月の日周辺もお勧めである。
解説は20分間行われる。
19時20分から、20時から、20時40分からの3回だ。
母と私は19時20分からと20時からの2回に参加した。ホテルで借りたマットを敷いて寝転ぶ。
これがかなり面白いし興味深い。凄く楽しかった。
なのに、今思い返すとほぼ何も思い出せないのが、本当に情けなくも口惜しい。
夏の大三角形、冬の大三角形、カシオペア座から北極星の見つけ方、木星が見え、プレアデス星団も見える。
はくちょう座の形をしっかり見て分かったのは初めてだったような気がする。
秋は「秋の四角形」もあるものの、夏や冬のような「ひときわ明るい」星はなく、その代わりに星空一杯に広がる星座で物語が展開されている、というお話が印象的だった。
秋の星空ではこぐま座が隠れてしまっているので、北極星を見つけるにはカシオペア座のWの並びを頼りにする。
そのカシオペアはエチオピアの王妃で、娘であるアンドロメダを自慢して「ポセイドンに仕える精霊達より美しい」とか何とか言ってしまったものだから、激怒したポセイドンは巨大なくじらをエチオピアに送り込み、このくじらを鎮めようとしてエチオピアの王ケフェウスは泣く泣くアンドロメダを生け贄にしようとする。今にもくじらに食べられそうになったアンドロメダを救ったのがペガサスに乗ったペルセウスで、彼はメデューサを退治した帰り道だった。
・・・という物語の登場人物達が秋の夜空を彩っている。
うん、凄い。
これらの星座をほぼ完璧に確認できてしまったことも凄い。
とりあえず、秋の夜空に何故冬の大三角も夏の大三角もあるのかは気にしないことにしようと思った位には凄い。
多分、自転公転の関係だと思うけれど、とりあえず難しいことは横に置いておきたい。
「私は**座だ」という星座は、太陽の通り道である「黄道」に並んだ星座のことを言うというのはどこかで聞いたことがある。しかし、例えば、11月の星座である天秤座は、11月に見ることはできない。それは、その時期の星座は、その時期に太陽の方角に見える星座だから、夜空と反対側にあるためである、なんてことは初めて知った。
初めて知ったので説明として正確に再現できてない気もするけれど、雰囲気はそういうことだったと思う。
それにしても寒い。
長袖のヒートテックにタートルネックのシャツ、厚手の長袖シャツに薄手のダウンに結構しっかりしたレインコートを重ねてもしんしんと冷えてくる。
特に、普通のスニーカーを履いてきたため、足下が冷たい。ここはブーツにするべきだった。
昼神温泉的には、星空観察は春を推しているらしい。それは、夜がそれほど寒くなく、温泉街でやまももが咲くからだという。
夏よりも冬の方が星空は綺麗だろうと思い、寒さなんてことは計算に入れなかったのが敗因だ。
すっかり冷えてしまったので早めに撤収しようと、20時からの星空教室を聞いて帰途についた。
iPadに星座アプリを入れたり、星空撮影用のアプリを入れたりしていたけれど、暗いし寒いしよく分からないし、研究どころではない。星空を撮ろうと思うなら事前の準備と研究と訓練、そして懐中電灯に赤いセロファンを巻いておく必要がある。
次回に活かそう。
この帰り道のロープウエイ山頂駅までの道のりが結構な上り坂で、場内アナウンスが「リフトに乗れば星空と足下のREDのライトアップが楽しめるし、山頂駅までの道のりも楽です」と繰り返していた理由がよく分かった。
ことに母にとっては相当に辛かったらしく、未だに「尾瀬よりも辛かった」と言われる。申し訳ない。
リフトの件も、遠回りになるような気がしてパスしたけれど、分かっていたら乗っていたなと思う。やはり下調べは重要だ。
山頂駅に併設の建物で暖を取り、水筒に入れてきたお茶を飲んだり、しばし休憩してからゴンドラに乗り込んだ。帰りは行列もない。恐らく、最後の星空教室を聞いてから帰途についたら、相当混雑したのだと推測される。
帰りのゴンドラは母と二人だけの貸切で、照明に照らされる紅葉などを楽しみつつ、「行きは長かったね」「明日、紅葉を見にまた来る?」などと相談しながら15分の空中の旅を楽しんだ。
21時半前にマイクロバスは出発し、帰りはホテルの玄関まで送り届けて貰えてほっとした。あの急坂を登るのはしんどい。
最近、どうも私が選ぶ宿は辿り着く直前に上り坂がある立地が多い。何故なんだろう。
フロントでマットを返して鍵をいただき、ラウンジでコーヒーを入れて部屋に持ち帰る。家から持ってきたいちじくバターサンド「夢果菓」と一緒にいただいて、栄養補給をし、かつ身体を温める。
母に明日の希望を聞くと「名古屋出身のお友達に”名古屋城に行ったことがないなんて!”と言われるから名古屋城に行きたい」と言う。
「紅葉はいいの?」と聞くと、昼神温泉までの道中で見たからもう満足だそうだ。
なるほど、と、帰りの高速バスを予約し、フロントでバス停まで送ってもらえるようお願いする。
そろそろ空いただろうと22時半頃に貸切風呂の様子を見に行くと、二つある貸切風呂が両方空いていた。なかなかタイミングが良い。
行ってみると、内湯は大浴場とほぼ同じくらいの広さだし、露天風呂は大浴場よりも広いくらいだった。これは、宿の方が自慢する訳である。
母と二人でのんびり浸からせてもらった。
冷え切っていた身体も、温泉で完璧に生き返った。
実は「晴天率6割」「綺麗に星空が見えるのは年間を通じて2割くらい」であるらしい阿智村の星空を堪能できて大満足だ。
0時前に就寝した。
-> 昼神温泉旅行記2日目