「鴨川食堂 しあわせ」
2022年5月、柏井壽さんの「鴨川食堂 しあわせ」を読みました。
鴨川食堂シリーズの9冊目です。
この9巻はこじんまりとした感じで、鴨川食堂常連のみなさんは姿を現しません。
父と娘の二人だけで、という感じが強まっています。
食堂の主人が父親の流さん、探偵事務所の所長が娘のこいし、実際に探偵仕事に当たるのは流さん、娘のこいしは食堂にお客さんが来ると給仕役も務めます。
意外と忙しい二人です。
食にまつわる思い出や記憶(概ね悲しい記憶であることが多いような)を持った人が食堂を訪れ、自分では再現できない「あのときの味」「あのときのごはん」を探し出してくれるよう依頼します。
その最初の来店時に、流さんが「おまかせ」でお食事を提供するのがお約束。
2回目の来店時には、探し当てた食事を味わってもらいます。
毎回このフォーマットを踏襲するので、マンネリ感は織り込み済み。
それでも、どうも探し出して欲しいという食にまつわる「記憶」まで、少しばかり既視感を覚えるような・・・。やったことないしやりませんが、お客さんが持ってくる依頼をグループ分けできそうな気がします。
偉大なマンネリに突き進むのか、父娘の方に何か変化が起きるのか、この先どうするのかしらと思いました。