「なにわバタフライ」を見る
「なにわバタフライ」 パルコ・プロデュース公演
作 三谷幸喜
演出 三谷幸喜
出演 戸田恵子
観劇日 2005年1月15日(土曜日) 午後2時開演
劇場 パルコ劇場 E列8番
料金 8000円
今年の初観劇である。
ネタバレになりそうなので、感想は以下に。
チラシの初っぱなに、三谷さんが「一人芝居は難しい。作るのも大変そうだし、観る方もパワーがいります。」と書いているけれど、本当に難しいし観る方にもパワーが必要なんだと思った。
正直に言って、様々な仕掛けや戸田さんの愛嬌にケラケラ笑いながらも、前半は少〜しだけ退屈してしまった。
戸田さん演じる大女優の他にも舞台上には人がいて、話しかけたり答えを待ったりする。その相手が前半は見えない感じがしたのが、今ひとつのめり込めなかった理由かも知れない。
でも、ラスト近くで、雑誌記者に自分の人生を否定するような、自分が強い女であるということを否定するようなことを言われ、それに立ち向かって行く啖呵を聞いていたら、そこにいるのは戸田さんではない別の女優さんであるような迫力を感じた。その啖呵は一転して自省の台詞になったりするのだけれど、それを含めて、この一連の台詞をぶつけるための一人芝居だったんだな、と思えた。
そこで終わらずに、これまでの一人芝居は「これから来る雑誌記者に話すためのリハーサルでした」というオチがつくところが三谷さんらしい、と思った。
本物の雑誌記者が来て、初めて彼女は自分から声をかける、というところで幕である。
「まだまだ往生せえへん」「私の(本当の)人生はこれからや」(私は生粋の関東人なので、この関西弁は明らかに誤りだと思うけど)、という感じが格好良かった。
昨年末に「化粧 二幕」という渡辺美佐子さんの一人芝居を見ている。それもやっぱり女優が楽屋で半生を語るお芝居だった。そのお芝居と、似ているような全然違うような不思議な関係にあるな、と思った。
ところで、「シラキミノル(だったと思う)」って誰なのだろう?
話し相手の雑誌記者が実はリハーサルのためのダミーだ、とばらした後で 「草刈正雄だなんてとんでもない。おまえは(それは、だったかも)シラキミノルだ!」と戸田さんがダミーを演じた誰かを指さして叫んだ。
その様子からもここは笑うべきシーンなんだろうと思ったのだけれど、「シラキミノル」が判らない私には笑えなかった。客席からも爆笑は起こらなかった。
この日はビデオ撮影をしていたのだけれど、「DVDには笑い声を被せるのかしら」と莫迦なことを考えたくらい、客席が一瞬シンとしていた。
パンフレットには書いてあったんだろうか。1500円に悩んだ末、買わなかったのだけれど。
舞台の上(戸田さんが演じている舞台の、その上)で、二人の女性が数々の楽器を駆使して生演奏をしていた。
それがあまりにも格好良くて、パンフレットは買わなかったのに、CDは1500円で買ってきた。これから聴こうと思っている。
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