「お願い」を見る
「お願い」ラックシステム10周年記念公演 其の参
作・演出 わかぎえふ
出演 関秀人/朝深大介
生田朗子/楠見薫
橋田雄一郎(転球劇場)/野田晋市
小椋あずき/酒井高陽(劇団M.O.P.)
桂吉弥/前田晃男(南河内万歳一座)
千田訓子/宮村陽子
藤谷みき/中道裕子
森崎正弘(MousePiece-ree)/宮川サキ(pinkish!)
西尾崇/吉田憲章/上田宏
大森美紀子(劇団キャラメルボックス)
わかぎゑふ
観劇日 2005年3月26日(土曜日) 午後7時開演
劇場 ザ・スズナリ H列3番
料金 4000円
上演時間 2時間
スズナリに行ったのは物凄く久しぶりである。スズナリ横町が遠くに見えたとき、どこから入るんだったっけ? とちょっとどきどきしてしまった。小心者なのである。たどり着いてみれば、劇団の方がしっかり案内してくださっていて一安心。
毎公演の恒例で、パンフレット(1500円)を買うと役者さん2人からサインをもらえる。今日はわかぎえふ(「え」は旧字かな)さんと大森美紀子さんだった。昼にキャラメルボックスのお芝居とみき丸を見て、夜はラックシステムのお芝居で大森さんのサインをもらう。変な感じである。
物販のコーナーでコング桑田さんが売り子をしている姿を見かけたのだけれど、そういえば今回のお芝居には出演されていなかった。それも何だか変な感じである。楽しいからいいけど。
明日(もう今日だ)の3月27日(日曜日)夜公演のチケットにかなり余裕があるらしい。終演後にアナウンスがあった。とても楽しいお芝居なので、お勧めである。
ネタばれがあるので、感想は以下に。
「わかぎえふ、初のラブストーリー」だそうである。
今まで、ラブストーリーってなかったっけ? 何だか意外だった。
ラックシステムだし、「お○○」シリーズだし、わかぎえふ作・演出だし、大正時代の吉原が舞台だし、もちろん一筋縄で行くようなラブストーリーではない。でも、ハッピーエンドで嬉しかったなぁ。ご本人は「どうしてもキスシーンで芝居を終えたかった」とおっしゃっていた。
スズナリの小さな舞台に大人数のお芝居で、とても楽しかった。
チラシに載っている「お願いや。もうちょっとだけこうしとってくれ」という台詞で始まり、「お願いされたらしゃあないなぁ・・・」という台詞で終わる。とても気が利いた趣向だと思う。こういうの、大好きである。
スズナリの舞台に、チラシに載っているだけで総勢23人の出演者が登場する。物凄くごちゃごちゃするんじゃないかと思っていたのだけれど、全くそんなことはなかった。
同時に舞台にいる人数が少ない分、楠見さんや関さん、酒井さんなんて舞台上にいる時間だけ考えたら僅か数分ずつだったと思うのだけれど、でも印象は強烈に残った。登場人物それぞれにドラマがあって、演じている役者さん達に見事にはまっていて、すっと入って楽しめてしまう。
パンフレットによると、落語家さんやコンドーム売りの少年、日本初のヌード写真ポスターを作った人など、それぞれにモデルがいるらしい。それぞれの方で1本のお芝居が欠けてしまうようなエピソードがてんこ盛りなのだから、楽しくない筈がない。
唯一気になったのが、お孝の設定が22歳だったこと。演じた中道さんには申し訳ないけれど、22歳にはどうしても見えなかった。「女将」という役柄やそれに合わせた着物のせいもあると思うし、吉原での22歳は年増の扱いだったのかも知れないと思うものの、もっと年上の女性に見えた。
そうなると、関秀人演じる中将と実は親子だったという設定にも何だか違和感があるし、その中将が結婚させようと考えた海軍少尉と年齢の釣り合いが取れないように見えてしまう。
そうなると、彼ら2人のラブストーリーに無理があるように感じて、ちょっと困ってしまった。
でも、気っぷが良くて芯が通った意地っ張り、中道裕子演じるお孝は文句なく格好良かったし、いい女だった。
| 固定リンク
「*芝居」カテゴリの記事
- 「連鎖街のひとびと」を見る(2023.12.03)
- 「リア王」の抽選予約に申し込む(2023.12.02)
- 「無駄な抵抗」を見る(2023.11.26)
- 「ねじまき鳥クロニクル」を見る(2023.11.19)
「*感想」カテゴリの記事
- 「連鎖街のひとびと」を見る(2023.12.03)
- 「無駄な抵抗」を見る(2023.11.26)
- 「ねじまき鳥クロニクル」を見る(2023.11.19)
- 「ガラスの動物園」「消えなさいローラ」を見る(2023.11.12)
- 「終わりよければすべてよし」を見る(2023.10.28)
コメント