真心一座・身も心も 第一章「流れ姉妹〜たつことかつこ〜」を見る
真心一座・身も心も 第一章「流れ姉妹〜たつことかつこ〜」
作 千葉雅子
演出 河原雅彦
出演 村岡希美/坂田聡/粟根まこと(初代・ゲストレイパー)
小林顕作/政岡泰志/伊達暁/信川清順/
松重豊(初代・ゲストラバー)/千葉雅子/河原雅彦
観劇日 2005年5月28日(土曜日)午後2時開演
劇場 青山円形劇場 Gブロック27番
料金 4500円
上演時間 2時間
先週は珍しく「音楽週間」で1週間7日のうち4日はコンサートに出かけていた。
2週間ぶりのお芝居である。
河原雅彦の「「身も心も」旗揚げにあたって」という文章によると、「身も心も」(という劇団名だそうだ)は、村岡希美(座長)、千葉雅子(座付作家)、河原雅彦(座付演出家)、坂田聡(一座のムードが停滞した時のにぎやかし)の4人で旗揚げした劇団だそうである。
毎年1回、「寅さん」のように連作されていくらしい。
年に1回と言わず、半年に1回くらい公演してくれないかな、と思った。インターバル1年は長い。寅さんだって夏と冬に公開されていたんじゃなかったっけ?
ネタバレありなので、感想は以下に。
いきなり始まりは任侠映画風だった。
このままこの路線で行くのか、と思ったら、場面は北の果ての女子刑務所に変わった。ここからが現実のお話である。
見終わって思ったけれど、この間に流れる配役紹介のクレジットをよくよく見ておいた方が良い。「流れ姉妹」であるたつことかつこが何故「流れ姉妹」になったのか、その所以が火曜サスペンス劇場の予告編のように流れているのだ。
「何だか格好良いわ」とぼーっと見てしまったのは失敗だった。
村岡希美演じる妹のかつこは夫を殺して(傷害致死と言っていた気もする)刑務所に入ったという設定なのだけれど、坂田聡演じる看守や、たつこの恋人になった松重豊演じる五十嵐さんが推測したように、姉のたつこの罪をかぶったのか。
かつことたつこが言う「自分には消えない罪がある」という台詞は、彼女たちが自身の母親を殺したことを指しているとラスト近くで明かされるのだけれど、そのことと何か関係があるのか。
かつこに暴力を振るった男をたつこが殺してしまい、タイミング悪くその場面を見てしまった看守がかつこがやったものと思い込んで警察に走って行くところで幕だ。かつこはたつこの罪をかぶるのか。それを当然のように思っているらしいたつこの態度は何なのか。
特に流れ姉妹である2人は、なるべく会わないようにしていて、会ってしまうと必ず災いが起こる、今までもこれからもそうなのかと思わせる。
つい夢中になって見てしまった。
千葉雅子演じる姉のたつこが格好良い。牛にまたがってけしかけて突進させようとするシーンなんて、笑って見つつも惚れてしまった。
妹のかつこを襲った、粟根まこと演じる歌川だけがハッピーエンディングを迎えるのが意味ありげである。彼は身重の奥さんと新しい店に移ってそば屋を続けようとするところまで来て、初めてかつこに「愛してる」というメッセージを残す。
姉妹の再会を見届けた五十嵐さんも同じように「愛してる」というメッセージを残して、何も言わずに去って行く。
こうして文章にしてしまうと、こそばゆいというかこっぱずかしいけれど、お芝居の世界は見事に成立していて、泣きはしなかったけれどどっぷりはまってしまった。
ここまで書いて思ったけれど、河原雅彦演じる末次先生(かつこの保護司)と看守である谷村さんの印象が薄い。第一章ではあまり謎のない役柄だった(ように見えた)からだろうか。
彼らよりも、1人何役もを見事にこなしていた、小林顕作、政岡泰志、伊達暁、信川清順の面々の器用さと勢いが印象に残った
ぜひまた来年に第二章を見たいと思う。
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