「ヨーヨー・マ 無伴奏チェロ・リサイタル(Aプログラム)」を聴く
「ヨーヨー・マ 無伴奏チェロ・リサイタル」
Aプログラム
曲目 J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番ト長調
無伴奏チェロ組曲第5番ハ短調
無伴奏チェロ組曲第3番ハ長調
**
チャオ・チービン:草原の夏
オコーナー:アパラチア・ワルツ
演奏 ヨーヨー・マ(vc)
公演日 2005年5月16日(月曜日)午後7時開演
場所 サントリーホール 大ホール 2階C5列22番
料金 15000円
無伴奏チェロ組曲の6番のうち、今日が奇数番の3曲、明日が偶数番の3曲である。
てっきり1番−>3番−>5番の順で演奏するのだと思っていたら、1番−>5番−>3番の順だった。5番と3番の間に20分の休憩が入る。アンコール2曲を含めて約2時間のコンサートだった。
何年か前にも同じサントリーホールでヨーヨー・マ演奏による無伴奏チェロ組曲を聴いているし、CDも両方(彼は2回この曲をレコーディングしている)持っている。
実を言うと全部を通して見たことはまだないのだけれど、「INSPIRED BY BACH」のDVDも6曲分3枚全てを持っている。
そういえば、マーク・モリスのダンスチームと共演した3番は、ガラ・コンサートで生で見たことがある。
要するに、ミーハーなファンなのである。
以下は、(断るまでもないような気もするけれど)何の裏付けもないミーハーな個人的な感想である。
演奏が始まったときには、何だかやけに反り返って演奏しているな、と思った。チェロを演奏する姿をそんなに見たことがあるわけではないので本当に単純な印象なのだけれど、どちらかというと前のめりになって演奏している人が多いように思う。
今日の演奏は、背中を反らしてというのか、身体を開いてというのか、何だかいつもと見え方が違う感じがした。
そして、始まってすぐ、どちらかというと「端正」という印象が強いCDとは違って、テンポが速く、追われている感じのする演奏だな、と思った。
1番の冒頭だけでなく、1番のラスト近くと、3番のラスト近くにも同じように思った。要するに、比較的聴き慣れている部分が、特にアグレッシブな印象を受けた。
1番は比較的DVDをしつこく見ているので、聴きながらバラの花が開いていくイメージが頭の中をよぎっていた。何てぴったりと合っているのだろう、と改めて思ってしまった。
3番はもちろんマーク・モリスのダンスチームが踊る様子を思い出していた。こちらはやはり生で見たときの印象が強いので、頭に浮かんだのはそのときの情景だったように思う。
5番は、何だか暗い感じの曲想だな、こんなに低音の多いこんなに暗い感じの曲だったっけ、と思ってしまった。5番はあまり贔屓にしていないのだ。
やはりコンサートホールで聴くと音の広がりというか響きがCDとは全然違うと思えた。私の場合、CDはMacで聴いているのだから、比べる方が失礼かも知れない。
それに、端正な演奏もいいけれど、弾いている姿が見えるだけで演奏に込められた情熱がより伝わってくるような気がした。とても贅沢な気分になる。
アンコールの1曲目は(多分)NHKのシルクロードのテーマ曲である。CDは購入したのだけれどテレビ番組は見ていないので、(多分)が付いてしまう。
最近よく聴いているCDなので、耳に慣れている。震えるような高音がとても綺麗に伸びていた。もちろんチェロ1本で演奏されたのだけれど、目をつぶって聴くと、複数の楽器によって演奏されている曲のような気がした。
アンコールに入ってから、ヨーヨー・マ氏の茶目っ気が発揮されて、何だかホール全体が温かい雰囲気に満ちていた。
明日も楽しみである。
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