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「Shuffle—シャッフル—」PARCO Presents
作・演出・出演 後藤ひろひと
出演 伊原剛志/奥菜恵/山内圭哉/三上市朗
風花舞/平田敦子/松谷賢示/澤田育子
鹿内孝/石野真子
観劇日 2005年5月3日(火曜日) 午後2時開演
劇場 パルコ劇場 E列23番
料金 7500円
上演時間 2時間20分
セットの微妙に安っぽい感じといい、どこかで見たことのある人々ばかりの役者陣といい、見事に原色で色分けされた衣装といい、何だかやけに懐かしい感じがするお芝居だった。
カーテンコールの挨拶で後藤ひろひとが「駅前劇場でやるようなお芝居を無駄に豪華な出演者でやってみました」というようなことを言っていた。駅前劇場には1回しか行ったことがないのだけれど、言いたいことはよく判る。
そのカーテンコール、最後は伊原さんが音頭を取っての一本締めだった。
ネタバレしているといけないので、感想は以下に。
開演前、石野真子のドアップのイラストがセットに描かれているのにまずは驚く。やけに70年代チックである。
3つの箱形が回り舞台で回ることでシーンが変わっていく。そこは道になったり病室になったり怪盗一味の隠れ家になったりする。
お金をかけて安っぽく見えるように作りました、という感じである。
事前のチラシ等々からの情報をすっかり自分の中で書き換えてしまっていて、お芝居が始まってからも何故だか伊原剛志演じるShuffleと奥菜恵演じる元警備員の中味が入れ替わるお話だと信じ込んでいた。おかげでShuffleの脳内視力がおかしくなってからも「いつになったら二人は激突して中味が入れ替わるのかしら」と、待ちかまえていた。我ながら鈍すぎる。
実際は、Shuffleが見ている周りの人々の姿と、実際の周りの人々とが一致しなくなる、というお話である。
(えーと、例えば、Shuffleには自分の係長の姿に見えているけど、実際のその人は看護婦さんだったりする。)
その「○○さんが××さんの姿に見える」というのもランダムだし、また何かのきっかけでその組み合わせがランダムに変わってしまう。まさに「Shuffle」である。
その「Shuffleにとっては、周りにいる人の外見と中身が違う」という状態を、特殊効果その他を全く使わずに役者さん達の演技だけで見せるのだから、今さらながら凄いことである。
奥菜恵が博多弁をしゃべっていたり、山内圭哉がいかにも彼らしく演じていたり、しゃべり方や動作に特徴を持たせた役柄が多かったのは、この設定を生身で説得力をもって見せるためだったのね、と後追いで気がついてしまった。
原色の衣装も、きっとこの「バラバラさ加減」をよりくっきりと見せるためだったのね、とも思った。
こういうことを後追いでしか考えなかったくらい普通に楽しく見てしまった。
前半は、お芝居を見ながら「音楽は軽快なのにどうしてこんなにテンポが遅く感じるのかしら」と思ってしまった。でも、特にラストシーン近く、風花舞演じるミス・ハートという怪盗が元警備員の振りをしてShuffleをだまそうとして見抜かれてしまう。見抜けたのはShuffleが元警備員の女の子の本質を掴んでいたからだという(しかしその掴み方は「あいつが俺に口説かれる筈がない」というのが・・・)、ラブコメっぽい展開をたたみかける辺りから俄然楽しくなる。石野真子が「石野真子」として歌っている姿をバックに役者さん達が挨拶するカーテンコールにかけて、何だかやけに自分の気持ちとしては盛り上がってしまった。
何だか不思議に楽しいお芝居だった。
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コメント
都弥乃さま コメントありがとうございます。
2日前に同じお席でご覧になっていたんですね。奇遇ですね。
伊原さんといえば、「彦馬がゆく」での役どころが好きでした。今回もパルコ劇場のロビーでDVDを見かけて買おうかどうかとても迷ったんですが、連休前にお金をおろすのをすっかり忘れていたので諦めました(笑)。
投稿: 姫林檎 | 2005.05.06 11:58
毎度です。都弥乃です。
5月1日に「Shuffle」観ました。
しかも・・・E列23番で。
私が座ったあの席に、姫林檎さんも・・・だったのですね。
結構伊原さんが細かい芝居してたのが
面白かったです。
奥菜ちゃんの頭なでる時、髪の毛に指が絡まってるような
動きとか。
私の観た回でも後藤さんが「駅前劇場云々」の話をしてました。
その後、風花さんの挨拶でした。
投稿: 都弥乃 | 2005.05.03 23:32