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2005.07.23

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「姫が愛したダニ小僧 〜Princess and Danny Boy〜」
作・演出・出演 後藤ひろひと
出演 ユースケ・サンタマリア/富田靖子/高杉亘/佐藤康恵
    大路恵美/松永玲子/松村武/川下大洋/山内圭哉/
    竹下宏太郎/腹筋善之介/ラサール石井
観劇日 2005年7月23日 午後7時開演
     (地震のため交通機関が乱れ、午後7時40分に開演が遅らされた)
劇場 アートスフィア 1階J列3番
料金 7500円
上演時間 2時間35分(15分の休憩あり)

 午後4時半過ぎに起きた地震の影響で交通機関が乱れ、私が劇場に着いたのは午後7時過ぎで、数えるほどしか観客はいなかった。最初は「7時30分開演の予定です」と案内のお姉さんが言っていたのだけれど、実際に開演されたのは午後7時40分だった。
 最初は1/2強の入りといった感じだったが、開演後もどんどん人が来て、終演時には2/3強は埋まっている感じだった。
 自分もその一人だけれど、恐るべし、演劇ファン。

 ロビーではDVDを流していたけれど、その画面の半分にテレビを映し、交通情報を見せてくれていたのはとても親切だったと思う。

 ついついパンフレット1700円も購入してしまった。

 ところで、2列後ろに座っていた女性2人組が断続的にしゃべり続けていて(感想を言い合っていたのか、芝居好きの人があまりお芝居を見ない人に解説をしていたのか)、本当に気になってしょうがなかった。
 上演中のおしゃべりは止めて欲しいと心から思う。

 ネタバレありの感想は以下に。

 お芝居は、後藤ひろひと演じる正体不明の男が客席に語りかけるところから始まる。
 台本でどうなっているのか判らないけれど、今日の話題はもちろん地震と交通機関の乱れに関することだ。いきなり「客席には1人もいないかと思いましたよ」と笑いを取っていた。

 「Piper伝説の旗揚げ公演を豪華メンバーでリメイク!」し、いよいよスタートである。

 お話は、養護施設で亡くなった祖母の遺品を引き取りに来た、ユースケ・サンタマリアと佐藤康恵演じる若夫婦が、富田靖子演じる「すみれ姫」と自称するおばあちゃんに「ここから連れ出しておくれ」と言われるところから動き始める。

 お話は自殺しようとしているラサール石井演じるサラリーマンと実はダニ小僧の後藤ひろひとがいる場と、次々と昔の家来達を探し出してユースケ・サンタマリア演じる男以外はすっかり自分の世界に取り込んでしまったすみれ姫一行の話とが、最初は全く別々に、でも最後に交錯する予感を目一杯ふりまきつつ進んで行く。

 この「すみれ姫」おばあちゃん、最初は富田靖子が演じているとは思いつかなかった。出演者一覧を頭に思い浮かべ、該当する女優さんがいるかどうか必死で検索してしまったくらいだ。
 まずは見事なおばあちゃんぶりだった。
 そして「田舎の精」に魔法を解いてもらった後の、「お姫様ルック」が余計に可愛らしく見えた。

 でも、このお芝居全体を通して目を吸い寄せられたのは、大路恵美演じる看護婦さんである。というか、看護婦さんと魔女を演じた大路恵美だ。
 最近はテレビの時代劇「剣客商売」で若夫婦を演じているのは山口馬木也と寺島しのぶだが、私は渡部篤郎と大路恵美が演じていたシリーズが大好きだったのだ。
 その彼女がこんなに見事にどこか飛んでハズしまくっては笑いを取るコメディエンヌだったとは!
 最初から最後まで、彼女が出てくるシーンでは誰が台詞をしゃべっていようと場を背負っていようと、ついつい彼女に注目してしまった。

 天井の高い劇場を、やけにチープな書き割りの舞台セットで場面転換しつつ進んで行く途中で、私は後藤ひろひと氏が「Shuffle」の公演の挨拶で「無駄に豪華なメンバーで上演してみました」と言っていたのを思い出していた。今回のこのお芝居もその世界にだいぶ近いんじゃなかろうか。

 ラストシーンの少し手前で全てを丸く納め、ラストシーンですみれ姫とダニ小僧を引き合わせるのが「何でも願いを叶えてくれる自動販売機の当たり」というのが、また良かった。
 ここまで躊躇なくご都合主義を貫かれたら、その見事さに拍手するしかない。

 開演前に「DVDとCDのセット販売をします」と言っていたけれど特に歌や踊りのシーンはなかったなと思っていたら、最後はユースケ・サンタマリアが「お尻が痛くなったでしょうから立って!」と客席に号令をかけつつ、歌い、踊り、スタンディングオベイションで幕となった。 

 楽しかった。

 感想は書いたので、これで心おきなくパンフレットを読めるというものだ。

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コメント

都弥乃さま、コメントありがとうございます。

 これから「姫が愛したダニ小僧」をご覧になるのですね。
 私の思いきり偏った感想が観劇のお邪魔にならなければ良いのですが・・・。
 どうぞ楽しんでいらしてください。
 (でも、大路さんには本当に目が惹きつけられてしまったのです。)

投稿: 姫林檎 | 2005.07.28 22:50

姫林檎さん、こんばんは。
あの地震の日だったのですか、観劇は。
私はあの日はまた別の用事で大変な思いをしましたが・・・。

今週土曜に観て来ます。
大路さんは、未だに「ひとつ屋根の下」の小梅ちゃん
イメージが強いので、コメディエンヌぶりを
楽しみにしたいと思います。

投稿: 都弥乃 | 2005.07.27 23:03

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