「フェイス イン フェイス」を見る
「フェイス イン フェイス」プレイメイト
作 川上徹也
演出 竹内晶子
出演 西興一朗/新谷真弓/平賀雅臣/ほりすみこ
濱田かずよ/杉下絵美/近江谷太朗
観劇日 2005年10月22日 午後2時開演
劇場 シアタートップス J列8番
料金 4300円
上演時間 2時間
確か前回公演は見逃しているので、2年ぶりのプレイメイトだと思う。
演出の竹内晶子という名前に見覚えがあると思って今検索してみたら、やはり以前に演劇集団キャラメルボックスに在籍されていた方だった(その当時は明樹由佳というお名前だった)。
<2005年10月25日 追記>
深月さんからコメントでご指摘いただきましたとおり(深月さん、多謝! です)、竹内晶子さんと明樹由佳さんは別の方です。
私の勘違いです。
大変失礼いたしました。
ネタバレありの感想は以下に。
これまでの「プレイメイト」はどちらかというとラブ・コメディといった感じの路線だったと思うのだけれど、今回は全くイメージが違っていた。
全体的に暗めの舞台、スポットライトの多用、形成外科の手術室という舞台設定、長台詞のオンパレード、エキセントリックな登場人物、謎が謎を呼ぶ展開。これまでのプレイメイトの公演にはなかった要素が多い。
物語は、雑誌記者のインタビューを受けた近江谷太朗演じる形成外科医が過去を思い出すところから始まる。
その「過去」というのが、西興一朗演じるイケメン俳優(と劇中で連呼される)の顔を、本人曰く「不細工に」変える手術を行ったことのようだ。
そこから、インタビューの場面と過去の場面が交互に立ち現れてくる。
そして、同時に、新谷真弓演じる看護士の過去や、形成外科医のさらに過去が明らかにされてゆく。
「顔」について、かなり強い言葉で様々な人が語ってゆく。それらは「顔(の美醜)についてはこういう風に考えるべきだ」と決めつけるのではなくて、俳優だったり、形成外科医だったり、実際に整形手術を受けた人だったり、顔について普通以上の思い入れを持った人々がそれぞれの思いを語る。
このお芝居の中に、「答え」はどこにも提示されていなかったような気がする。
極端な例を様々に放り投げて、さあ、あなたならどう考えますか、と言っているように思う。
ラストシーンで、何年にも渡る整形手術を終えた俳優の顔が明かされる。
形成外科医は子供の頃に顔に大きなあざがあった。その自分の顔を、かの俳優の顔の上に再現したのだ。
私は全く予想していなかったので、包帯を取った瞬間、かなり驚いた。そう来るか、と思った。
そういうお芝居だったからこそ、カーテンコールで近江谷さんが「この顔なのであまりしゃべるなと言われているので」と言い、手でメイクで作ったあざを隠すようにしてしゃべっているのが、気になった。
このお芝居で語ったことを自らが否定しているような、そんな違和感があった。
私が持った印象や感想と、演じていた方々の思いが全く違っていたということなんだろうか。
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コメント
深月さま、コメントありがとうございます。
まずは、私の勘違いのご指摘をありがとうございました。
そうですね。竹内晶子さんと明樹由佳さんは別人です。竹内さんのWebサイトに「明樹由佳との共同ワークショップ」を担当と書いてあったのを読んで、速攻で勘違いしてしまいました。
お恥ずかしい・・・。
訂正の文言を本文にも入れさせていただきました。
そして、「フェイス イン フェイス」ですが。
カーテンコールで近江谷さんがおっしゃった内容と、顔を手で隠すようにされていたことに、やっぱり違和感があるんですよね・・・。うーん。
投稿: 姫林檎 | 2005.10.25 23:14
こんにちは、姫林檎さん。
私も23日の日曜日に見てきました。
お客さんの反応がイマイチなのかカーテンコールは1回きり。近江谷さんはほとんど無言で、素っ気ないくらいにさっさと終了してしまいました。近江谷さんの日記によると、演出家&作家さんからカーテンコールでのおしゃべりを禁止されたらしいです。
http://www.chochomi.com/ohmiya/top/c_note.cgi
見終わって、なんだか未消化な部分が自分の中に残っていました。私の場合よくわからないことは、芝居を見てるとよしょっちゅうあります。そういう時でも、いつも深く考えたりしない私ですが、姫林檎さんの文章を読んだら「さて、どうだったっけ?」と考え込んでしまいました。
いつものごとく、結局は判らないまんまなんですが(苦笑)。
自分のブログにも、感想をどう書こうかちょっと考えあぐねております・・・。
あ、それとひとつ。竹内晶子さんと明樹由佳さんは別の方ですよ〜。
投稿: 深月 | 2005.10.25 19:37