「審判」を見る
「審判」加藤健一事務所
作 バリー・コリンズ
演出 星充
出演 加藤健一
観劇日 2005年10月8日 午後1時開演
劇場 本多劇場 I列20番
料金 5000円
上演時間 2時間30分
やはり重い内容だった。
パンフレット(800円)を購入しようかどうか悩み、あまりの重さに買うのをやめた。
ネタばれありの感想は以下に。
戦争中(注意深く聞けば特定されたのかもしれないけれど、私には念頭に置いて語られていたのだろう戦争は特定できなかった)、修道院の地下室に60日に渡って食べ物も飲み物も衣服もなく閉じこめられていた7人の兵士がいた。
60日目に助け出されたのは7人のうちの2人のみ。
しかも1人は正気を保っていなかった。
そして、冷静に見えるもう1人の男は(恐らく軍事法廷だろう)審判にかけられることになった。
加藤健一はその「最後に残った男」であり、審判に臨むに当たって60日の間に何が起こったのか、語ってゆく。
彼らは、死んだ(あるいは自ら殺した)仲間を食べて生きながらえていたのだと言う。
2時間半、何度もその「男」自身が言うように、言葉で聞くから、そして目に見えているのは「語っている男」だけであるから耐えられるのだと思う。
それでも、最後には自分が飲み込む唾が苦いような気がした。
翻訳調の台本が、現実感を少しでも薄れさせる役割を果たしていたと思う。
これが、例えば第二次世界大戦の日本の話に翻案されていたら、最後まで見ることはできなかったかもしれない。
演じ終わったとき、舞台上の加藤健一の上にも60日の時間が流れたように、登場のときよりも気のせいか一回り小さくなっているように見えた。
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