「約yakusoku束」を見る
月影十番勝負第十番 The FINAL SASORIIX「約yakusoku束」
作・出演 千葉雅子
演出・出演 池田成志
出演 高田聖子/木野花/伊勢志摩/池谷のぶえ/加藤啓
観劇日 2006年3月25日 午後1時開演
劇場 スペースゼロ 4列6番
料金 5000円
上演時間 2時間35分
月影十番勝負もついに最後になった。その最後の第十番も明日がいよいよ千秋楽だ。
最後なんだからパンフレットを買えば良かったと今頃になって後悔している。
ネタバレありの感想は以下に。
舞台は逆T字型になっている。横棒の方が客席側で、太めの縦棒が舞台奥に延びている。その奥には可動式の壁があってシーンによってドアが切られたりふさがったりするけれどその奥はあまり使われない。太い縦棒の両脇にも客席が6か7列くらいある。私の席はこの部分だった。
たまたま私の前が舞台まで誰も座っていなかったのでよく見えたけれど、もしお客さんが普通に入っていたらかなり見えにくかったんじゃないかと思う。
幕開けは、港で漁から上がってきたイカを女達が捌くシーンだった。
ここで女優陣がそろってイカを捌いていると、何だかもの凄く空気が濃いような気がしてくる。どちらかというと不穏な空気という感じが強い。
高田聖子演じる奈美子が刑務所に入っていたことを書いたビラが撒かれていたことが判り、女達の態度が一変し、そのビラを持ってきた男の子に奈美子は包丁を投げつけて殺してしまう。
この辺りまで見たところで、これはかなり私の苦手な方向にお話が進むんじゃないかという気がして、ちょっと身構えてしまった。
スプラッタというか、血とかナイフとか刺し殺すとか人を追い詰めるとか、そういうシーンが続くお芝居は、ストーリーの大元がそこになくても、別のテーマがあっても、笑えるシーンがたくさんあっても、やっぱり苦手だ。
時間をあっちこっち飛びながらでも概ね遡っていくことで、奈美子のことが判ってゆくという仕組みになっている。
奈美子は施設で育ち、子供の頃は色のない砂漠の絵しか描かず、中学を卒業する頃に園長の「キタシロ」を拒んだ故に施設を追い出され、追われ、どんどん嵌められて破滅の道へと進んで来たということが、少しずつ判ってゆく。その設定はどうなんだろう、という風には思う。
高田聖子はほぼ一人一役でその「一人」を子供時代から台湾人の振り、刑務所に慰問に出かけた歌手、港の女、ステーキハウスのコック見習いと幾通りにも演じていく。
一方の他の出演者(特に女優陣)は、一人何役も何役も次から次へと演じ分けていく。
その面白さが味わえた。
あと、今さらながらだけれど、高田聖子って何だか凄く可愛らしいと思ったし、千葉雅子と伊勢志摩は格好良いと思った。
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