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「ライフ・イン・ザ・シアター」
作 デイヴィット・マメット
翻訳 小田島恒志
演出 ポール・ミラー
出演 市村正親/藤原竜也
観劇日 2006年4月8日 午後6時開演
劇場 シアター1010 17列6番
料金 9000円
上演時間 2時間
世田谷パブリックシアターでもこの後公演があるのだけれど、恐らくシアター1010の方がチケットが取りやすいだろうと思ってこちらを選んだ。それは正解で、当日券も販売されていたし、空席もちらほらあるくらいだった。
でも、お芝居としては、世田谷パブリックシアターの空間の方が合っていたのじゃないかという気がする。
感想は以下に。
舞台の奥一面に観客席が描かれ、その手前に幕が下げられている。私たちは、ちょうど舞台の奥から客席方向をのぞき見ているような格好だ。
そこではカーテンコールが行われていたり(そういう時は舞台奥に描かれた客席は満員になっている)、舞台が上演されたりしている。
さらに、楽屋らしきセットが出てきたり、衣装部屋のようなセットが出てきたりもする。
登場人物はベテランの役者と若手の役者の二人きり。
徹頭徹尾、バックステージものという道具立てだ。
最初は、だから、一本の二人芝居の裏側を時間軸を逆にして見せるお芝居なのかと思った。
最初のシーンが「芝居の初日を終えた後の楽屋風景」だったからだ。
でも、続きを見ていると、楽屋裏での服装が違う、上演されているお芝居が違う、二人の関係やお互いの言葉遣いも変わってゆく。
次には、二人が色々な「ベテランと若手の二人の役者」の組み合わせを演じているのかと思った。一つのシーンが割と短くて、どんどん切り替わって行く構成だったせいもあると思う。
でも、二人の役名は「ジョン」と「ロバート」でずっと変わらない。
多分、半分以上もお芝居が進んだあたりで、色々なお芝居で共演している二人の役者を時間を追って見ているのだということが判った。正確には、そういうお芝居らしいと見当をつけた。
若手の役者に映画出演が決まったり、どんどん態度が大きくなっていく。ベテランの役者は台詞が頭に入らなくなっていく。
後半はともかく前半はこの辺りの変化があまりなくて、よく判らなかった。
「ジョン」「ロバート」という役名が出てくる前は、ベテランの役者はてっきり市村正親に当て書きしたのだと思っていた。何だか「地でいっている」感じがしたからだ。
その分、藤原竜也の方は、最初から最後まで「役を作っている」という感じを受けた。
タイトルにもなっている「ライフ・イン・ザ・シアター」を空っぽの舞台で空っぽの客席に向かって語るシーンが絵になる。でも、何故だかその台詞の意味を聞き取ることはできなかった。舞台の奥に向かって背中を向けて語られたせいなんだろうか。声は届いているし非常に聞きやすいのだけれど、何故だか台詞は流れて行ってしまったように思う。
この二人が競演する二人芝居なら、もっと刺激的な舞台になってもいいんじゃないかと思ってしまった。
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