「カラフルメリィでオハヨ」を見る
「カラフルメリィでオハヨ〜いつもの軽い致命傷の朝〜」NYLON100℃
作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 犬山イヌコ/みのすけ/峯村リエ/三宅弘城
大倉孝ニ/安澤千草/廣川三憲/村岡希美
喜安浩平/植木夏十/眼鏡太郎/廻飛雄
山崎一/三上市朗/小松和重/馬渕英俚可
市川しんぺー
観劇日 2006年4月22日 午後2時開演
劇場 本多劇場 C列6番
料金 5800円
上演時間 3時間15分(10分間の休憩あり)
ロビーに貼られた紙には「第1幕 1時間45分 休憩 10分 第2幕 1時間5分」と書かれていた。
「休憩時間にはお手洗いが混雑するのでできるだけ開演前にすませてください」と書かれた紙も貼られていた。それでも恐らく休憩時間は10分間では収まらず、上演時間が長引いた一番大きな理由はそれだと思われる。
パンフレット(1800円)はかなり厚めの詳細なもので、これまでの「カラフルメリィでオハヨ」の上演記録なども載せられていたようだ。でも、購入せず。その他、ロビーではこれまでの公演のビデオやDVDが販売されていた。
ネタバレ有りの感想は以下に。
幕が降りたときには、「やっぱり判らなかった・・・」と思ったのだけれど、お芝居を見ている間は何故か「こんなに判りやすくていいのか?」「こんなに普通に物語りがあっていいのか?」と思っていた。
我ながらかなり矛盾している。
判りやすいと思ったのは、多分、シーンのひとつひとつが意外と長めで、時間軸があまり行ったり来たりせず、登場人物が割と普通の考え方と行動を取っていたからだと思う。
何というか、「このシーンのこの人はこういうことを考えているんだな」とか、「このシーンはこれを笑わせようとしたんだな」とか、そういうことが見えやすかったように思う。
いつものケラさんのお芝居は私にとってかなり判りにくいものなので、私が構えすぎていたせいかもしれない。
とは言うものの、どんなストーリーのお芝居だったか書くのは難しい。
山崎一演じる痴呆のおじいちゃんが入院していて、多分、一時退院して、そして亡くなるまでの物語だ。
おじいちゃんは、自分が少年だと思っている。みのすけ演じるその少年は、自分を「おじいちゃんの孫」だと認識しているらしい。
そして、おじいちゃんは病院で自分を少年と思いこみ、隣の病室にやはり友達の少年達が入院していると思いこみ、この病院の医者と看護師はナントカ星人だと思いこみ、少年仲間全員で病院から脱出しようとしている。
大倉孝二演じるおじいちゃんの息子が、一番何というかまともな人に見える。普通の人というのか。そして、普通であるということは、何て格好良いことなんだろうと思う。
この息子は次男で、長男の息子である甥を同居させている。
小松和重演じるこの甥は、医大を目指して(いる振りをして)8年も浪人している。
この甥の父親(大倉孝二の兄だ)は事業に失敗し、何故か馬淵英俚可演じる自分の姪をエジプトの大富豪に嫁がせて借金を返そうとしている。
この姪(大倉孝二の娘だ)は、何故か「山之内くん」という名のエチオピア人の先輩と付き合っている。
峯村リエ演じるこの娘の母親(大倉孝二の妻だ)は、宗教にはまって、40万円でピンクのソファを購入している。やっぱりむちゃくちゃだ。
むちゃくちゃなんだけれど、でも、何というかそのむちゃくちゃさは役割期待なんじゃないかという気がする。どうしてだろう。
そして、どんどん大団円に向かっているという印象があった。
でも、このお芝居はおじいちゃんの死で終わるのだけれど、そのラストシーンで「何だかやっぱり説明してもらえずに突き放されちゃったな」という印象が強い。
「カラフルメリィ」は、おじいちゃんが道に迷ったときに丘の上を見上げ、そこの建物の窓から手を振ってくれた女の人か、翌朝その建物の中で目覚めたとき最初に見た女の人なのか、これは単純に私の記憶が曖昧になっている。どっちだったっけ?
とにかく、その丘の上の建物にまつわる女性だ。
そして、その建物の窓からの光がとても「カラフル」だったから「カラフルメリィ」と彼女は名付けられた。
そして、その建物はどうもおじいちゃんが入院している病院らしい。
やっぱり不可解だ。
でも、犬山イヌコとか、村岡希美とか、三上市朗とか、市川しんぺーとか、不可解が違和感なく似合う役者さん達の力と、おじいちゃん=少年を演じたみのすけのノーブルさとで、何だかとても楽しい判りやすい世界を見たような気もする。
でも、これだけ感想がむちゃくちゃなところを見ると、やっぱり私にはかなり不可解だったんだろう。
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