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2006.05.13

「世界遺産ナスカ展 地上絵の創造者たち」に行く

 2006年3月18日から6月18日まで、上野の国立科学博物館で開催されている「世界遺産ナスカ展 地上絵の創造者たち」に、今日行って来た。当日券(大人)は1400円である。

 ゴールデンウィークが明けた翌週、しかも雨の土曜日の午後3時過ぎに行けば空いているのではないかと思ったのだけれど、とんでもなかった。
 チケットは並ばずに購入できたものの、入場規制が行われていて20分待ちだった。入ってみても、展示物の前はどこも黒山の人だかりになっていて、とてもゆっくり見られる状態ではない。平日に行けば良かった。

 全体的に、ナスカで出土した土器が展示品の多くを占めていたように思う。
 赤(というか煉瓦色)を多く使ったカラフルなものが多く、その意匠には自然のものが多い。コンドルだったり、豆だったり、ナスカは海辺の土地なので魚も多く描かれている。
 もちろん人の姿も多い。その中でも首級や武器を持った意匠が多く、解説板によるとナスカの人々は猛々しい武闘派の人々だったようである。

 まず最初の展示の山場は、ミイラだと思う。
 乾燥した土地であるナスカでは、かなり状態のよいミイラが残っている。
 5〜6歳くらいの子供のミイラが展示されていた。ナスカ展に合わせて調査も行われたそうで、その様子を撮影した映像も流されている。このミイラは、非常に珍しいことに黒目がはっきりと判る状態で残っており、まず高地において冷凍状態で埋葬されたためではないかと考えているらしい。

 数は少なかったけれど、織物や刺繍の施された布も展示されていた。
 乾燥したナスカでは、埋葬品としてミイラとともに納められていた布がかなりよい状態で残っているのだそうだ。もちろん修復もしてあるけれど、人を意匠として刺繍されたマントが印象に残った。布自体の赤(コチニールで染めたと思われる)と青(インディゴで染めたと思われる)の色も鮮やかに残っているし、その布に色鮮やかなとても細かい刺繍がされている。

 ナスカの地上絵については、意外と展示物が少なかった。考えてみれば、元々、持ってきてそこに置けるようなものではないから当たり前である。
 地上絵の意匠とほぼ同じ意匠が描かれた土器が展示されていて、本当にあまりにも近い形をしているので驚いた。他の展示室では黒山の人だかりになっているのに、ここではナスカの地上絵にみな惹かれて土器の前に人があまりいないのがよい。ゆっくりと見てしまった。

 ナスカの地上絵の地面を再現してアクリルケースのようなものに納めてあり、「地上絵の上を歩いてみよう」という呼び文句が踊っていた。2mくらだけれど、地上絵のラインの上(に置かれた透明な板の上)を歩くことができる。
 ナスカの地は砂漠に見えるけれど、実は石がかなりごろごろと転がっている場所のようだ。その黒っぽい割と大きめの石(10cmくらいはありそう)を避けて白っぽい地肌を出すことで、地上絵のラインが引かれていることがよく判った。雨が降ったらあっという間に流されてしまいそうなラインである。

 また、パソコンが何台か置かれたコーナーもあった。フライトシュミレータのようなソフトがインストールされていて、まるで自分が軽飛行機を操縦しているかのように見たい地上絵を探し、近づき、地上絵を捉えたらズームアップしたり向きを変えて見たりすることができる。1回3分の制限時間つきである。
 地上絵どうしが意外と遠く離れていることや、真上を飛ばないとなかなか地上絵には気がつきにくいことが判った。

 そして、最後に大きな画面でやはり軽飛行機でナスカ上空を飛んでいるかのような映像(CG)を見ることができる。ここで取り上げられている地上絵がとても少なかった(間違っているかもしれないけれど、今覚えているだけで、木・手・はちどり・鵜・ふくろうの人くらいではなかっただろうか)のが残念だった。
 今書いていて思いだしたけれど、私が「宇宙人」だと思っていた地上絵が、このナスカ展では「ふくろうの人」と表されていた。何か新しい発見があったのだろうか。

 物販のコーナーでは、DVDやカタログ、Tシャツやクリアケースなどの普通に置いてあるようなものの他に、ペルーの織物や民芸品、銀のアクセサリーなども販売されていた。
  
 国立科学博物館の「世界遺産ナスカ展 地上絵の創造者たち」のページはこちら。

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