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2006.06.03

「HUMANITY」THE MUSICAL 〜モモタロウと愉快な仲間たち〜 を見る

企画ユニット地球ゴージャスプロデュース公演Vol.8
「HUMANITY」 THE MUSICAL 〜モモタロウと愉快な仲間たち〜
脚本・演出・出演 岸谷五朗
演出・出演 寺脇康文
出演 唐沢寿明/戸田恵子/高橋由美子/植木豪(PaniCrew)
蘭香レア/小野真一/岡千絵/林希
能見達也/松本光子/渡辺夏樹/佐藤浩之
原田治/斉藤直樹/今野直美/石倉良笙
ただこ/柳橋さやか/苑宮令奈/熱海将人
那須幸蔵/伊藤有希/栗原亜紀子/志村愛
田澤啓明/津田英佑/鴇田芳紀/宮本えりか
安田栄徳/松村武司/叶千佳/梅原美穂
西林素子/小川麻衣/中村沙耶/松永一哉
杉本崇/大岩主弥/加藤貴彦/牧本竜
山中陽子/半澤友美/鵜沢優子/齋藤久美子
吉浜愛梨(G-Rockets)
観劇日 2006年6月3日 午後6時開演
劇場 新宿コマ劇場 10列18番
料金 10500円
上演時間 2時間55分(20分間の休憩+@あり)
 
 コマ劇場の地下にあるシアターアプルは割とよく行く劇場のひとつだけれど、コマ劇場は、どうも初めて行ったような気がする。前の人の頭が気にならない、とても見やすい客席だった。
 意外とロビーが狭いのに驚いた。今回は客席内での飲食禁止だったけれど、客席に飲み物を置くためのホルダーがあったし、通常の公演の際には(あるいは、以前は)客席内での飲食OKだったのではないだろうか。

 そのロビーではパンフレット(2000円)や吉備団子、Tシャツの販売などが行われていた。

 上演時間に書いた「+@」が何かというと、今日は唐沢さんのお誕生日だったそうで、HAPPY BIRTHDAYを出演者と客席で歌った、その時間である。ロビーの表示では午後8時50分が終演予定だったから、ほぼ時間通りか多少テンポアップがされているのではないだろうか。

 ネタバレありの感想は以下に。

 割と道具立てとしてはオーソドックスだったと思う。
 現実の世界(唐沢寿明と戸田恵子演じる家庭不和一歩手前の夫婦がいて、サラリーマンの夫は高橋由美子演じる女子社員と不倫一歩手前の関係で、何やら怪しげな商品開発チームに入れられる)と、桃太郎をもじった種太郎の世界(唐沢寿明演じる種太郎と、寺脇康文演じる犬と植木豪演じる猿と蘭香レア演じる雉の鬼退治一行に何故か岸谷五朗演じる鬼まで加わる)とが、表裏一体の関係になって話は進んで行く。
 種太郎のお供は、会社の開発チームの面々でもある。
 唐沢寿明は起きているときはサラリーマンで、夢で種太郎の世界を見ている、ようである。

 この設定は、もちろん最後の最後で大団円になるためには必要なのだけれど、地球ゴージャスは、お芝居というには照明の使い方や笑いの取り方が何だかテレビのバラエティ番組っぽい気がする。
 ミュージカルというには、アンサンブルも含めて歌よりも踊りに格段に力を入れているように思う。
 「ステージ」というのが私の語彙の中では一番イメージが近い。
 特に休憩前の一幕は、物語を見せるよりも、アイデアやダンスや役者さんを見せることに重点が置かれているように感じた。そしてまた、主役級の方々が動く動く。タップダンスも含めて、切れの良いダンスと殺陣を堪能できる。

 全員で50人近い出演者がいたそうで、ほぼ全員が揃ってダンスを踊っていたらそれは壮観に決まっている。
 実際に格好良い。
 でも、何だかピンと来ないな、と思っていたのだけれど、終演近くになってやっとその理由が判った。
 コマ劇場の客席はコロセウム型というのか、扇形にかなり横に広がり、かつ段差が大きい。私の席がその一番端に近かったせいもあって、かなり斜めから見ることになった。けれど、ダンスの陣形がタテのラインをベースにしているのだ。
 縦一列に並んでいて正面から見れば(多分)綺麗に揃って楽しい振り付けなのだと思う。でも、斜めから見たときの視線は(多分)あまり意識されていなくて、結果として揃っていないように、楽しさが半減しちゃうくらいの感じに見えてしまったように思う。

 「河童が語る舞台裏おもて(妹尾河童著)」で前に読んだのだけれど、コマ劇場には全国でも恐らくここだけの三重の回り舞台が仕込まれている。
 その三重の回り舞台は今も健在で、その他の舞台装置も含めて、とても楽しんで劇場を使った演出がされていたように思う。
 でも、その代わり、ダンスと一緒で、斜めから見たときに舞台奥にある電光掲示板がシーンによっては全く見えなかったこともあったし、役者さんが完全にセットに隠れてしまいどうして客席が沸いたのか判らなかったシーンもあった。それが残念だ。

 二幕に入って、サラリーマンの世界と種太郎の世界とのオーバーラップ度がどんどん上がり、ストーリーが動き出して行く。
 ラストは、種太郎は高橋由美子演じる鬼のボスに「自分たちの方が侵略者だ」と謝り、会社では新規開発商品のプレゼンに挑んで失敗して解雇され、でも奥さんと仲直りする。
 サラリーマンの世界と種太郎の世界と、こういう風にオーバーラップしていたんですよということを登場人物に台詞で説明されてしまうと、判りやすいのだけれど、それ以外の解釈や感じ方ができなくなってしまうようで、勿体ない気がした。

 何だか辛口なことばかり書いてしまったけれど、3時間弱、全く退屈することなく楽しんで見ることができた。

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