「ニコラス・マクファーソン『奴らは彼を守れるか+奴らは彼を殺せるか』」を見る
「ニコラス・マクファーソン『奴らは彼を守れるか+奴らは彼を殺せるか』」Piper
作 後藤ひろひと
演出 竹下宏太郎
出演 小須田康人/みのすけ(ナイロン100℃)
三上市朗(劇団M.O.P)/六角慎司/平田敦子
アドゴニー/川下大洋(Piper)
観劇日 2006年8月21日 午後7時開演
劇場 紀伊國屋サザンシアター 10列21番
料金 5500円
上演時間 1時間40分
追加公演だからなのか、千秋楽前日なのに空席がちらほらあってとても勿体ない。
お芝居とは直接関係ないけれど、お隣の新宿高島屋が今日は棚卸しのために午後6時閉店で、「お買い物をしようと思っていたのに」という声がちらほら聞こえた。
ネタバレありの感想は以下に。
殺し屋2人が某国の外務大臣暗殺を狙い、刑事2人がそれを阻止しようとする。
ここで、殺し屋2人を川下大洋とみのすけが演じ、刑事2人を小須田康人と三上市朗が演じるというところが、まず意外だった。
開演直後は、人物紹介兼設定紹介みたいなところがあって、何だかテンポがあまり良くないな、などと思っていた。
六角慎司(が演じていたのだと思われる)やけにテンションが高い「暗殺の仲介者」がリモコンで照明を切り替えたり音楽を切り替えたりするのに一瞬ついて行けず、「判ったから先に進もうよ」と思ってしまったりもした。
思いっきりチャランポランだった小須田康人演じる刑事が徐々に本性を現し、みのすけ演じる殺し屋が(髭のせいもあって、かなり後になるまで私は彼がみのすけだと気がつかなかった)実は潜入操作をしている刑事だと明かされ、警戒厳重な中をすり抜ける平田敦子演じるピザ屋が、お屋敷とお屋敷そっくりのセットが作られた倉庫に出入りする辺りから、俄然、面白くなる。
舞台セットはほとんど動かさず、照明と登場人物と話の流れで、「刑事2人がいる本物のお屋敷」か「倉庫に作った本物そっくりなお屋敷セット」なのかを表して、その切り替えもスムーズだ。
2つの場所が重なっているかのように、殺し屋2人と刑事2人が、本当は別の場所にいるのに同じ舞台に上がり、ぶつからないように続けて聞いても分けて聞いても話が通じるように会話し、動く。それが何だか変な感じで、とても面白かった。
本物と偽物と両方の場所で、2人が相手を2回撃ったら勝ちというゲームを始める。すると4人は本当は別々の場所に2人ずついるのだけれど、まるで4人が同じ場所にいるかのように動く。綺麗だ。
やってきたニコラス・マクファーソンは実は偽物で、その正体は殺し屋だった(のだと思う)。
その彼を捕まえるために、4人は練習の成果を見せるべく、「ゲーム」に興じる。その過程で、殺し屋だと自称していた川下大洋演じる殺し屋までも実はインターポールの警察官だということが判明する。
そして、偽ニコラス・マクファーソンは逮捕され、本物のニコラス・マクファーソンがやってきて、警備はこれからが本番! でも打ち上げにも行きたい、というところで幕である。
カーテンコールで演出の竹下宏太郎が舞台に現れ「段取りだらけのこのお芝居を・・・」という意味のことを言っていたけれど、カーテンコール自体は段取りがなさそうなゆるい感じで、そのギャップが可笑しかった。
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