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2006.10.08

「ゴルフ・ザ・ミュージカル~ゴルフなんて大嫌い!」を見る

「ゴルフ・ザ・ミュージカル~ゴルフなんて大嫌い!」
脚本・作詞・作曲 マイケル・ロバーツ
日本語版台本・演出 福島三郎
出演 川平慈英/高橋由美子/池田成志/堀内敬子/相島一之
演奏 加曽利康之/長谷川友紀
観劇日 2006年10月8日 午後5時開演(初日)
劇場 パルコ劇場 G列25番
料金 8500円
上演時間 3時間(15分間の休憩あり)
 
 流石に初日で、ロビーにお花がたくさんあり、舞台で拝見したことのある俳優さんの姿がちらほらあり、カーテンコールで客席にいた脚本・作詞・作曲のマイケル・ロバーツが紹介されていた。
 多分、開演前のアナウンスも彼だったのだと思う。

 ロビーでパンフレットが販売されていたのだけれど、値段等はチェックしなかった。パンフレット以外の物販は、今回の出演者が出ている等のDVDのみだったのも、潔くて良い。

 ネタバレありの感想は以下に。

 舞台はグリーン。両脇に、シンセサイザー(というのだろうか? キーボードで様々な音色が出る楽器である)とパーカッションが一人ずつ控える。
 このパーカッションの女性が凄くて、休憩明けの演奏のときだったか、スポットライトを浴びて、縦横無尽に動き回り、スティックを持ち替えたり裏返したりして様々な楽器を叩いて音を出していた。ほとんど手品を見ているみたいだった。

 しょっぱなから「どうしてゴルフをミュージカルなんだ」と歌うところがおかしい。
 きっと「時間がかかるし」なんていうところにうなずいていた人は多かったに違いない。
 
 広告会社(多分)の相島一之演じるクロズミ(パンフレットを購入しなかったので漢字が判らない)と堀内敬子演じる部下のサカシタが、池田成志演じる南国納豆の会社次期社長と接待ゴルフに来ている。CMを取るために、川平慈英演じるコピーライターのワキタも連れてきているけれど、彼はゴルフのコースに出るのは初めてだ。この4人に高橋由美子演じるキャディーが付いて、1番ホールから最終ホールまで順番に回ってゆく。
 クロズミとサカシタが不倫しているとか、社長がいかにも坊ちゃん坊ちゃんしているとか、ワキタはゴルフが好きじゃなさそうとか、どう見てもクロズミよりサカシタの方がゴルフが上手そうだとか、社長はサカシタに気がありそうだとか、キャディーは何だかやけに冷静で仕事ができそうな感じだとか、そういう関係がゴルフをしたり、合間にしゃべったりする中で次第に浮き上がってくる。

 キャディーの台詞に「ゴルフは、唯一、自分の間でできるスポーツなので、ゴルフ以外のことも考えてしまう」という意味の台詞があったのだけれど、しかも、ゴルフは上手かったり下手だったりそのときの運だったりで、近くにいる相手がころころと変わる、ものらしい。
 これまたキャディーの台詞だけれど、一緒に回っていると、その人の性格や人間関係やその他様々なことが判ってしまうのだそうだ。
 そういうわけで、当然のことながら、このミュージカルの狂言回しはキャディーの彼女である。

 ところで、こういう「接待ゴルフ」のあり方は、日本だけかと思っていたのだけれど、少なくとも合衆国でも同じなんだろうか?
 少なくとも私がイメージしている接待ゴルフそのままの情景がそこにはあって、ステレオタイプすぎるような気もするのだけれど、そもそもその「ステレオタイプ」が共通の背景としてなければこのミュージカルは成立しないようにも思う。

 始まりのナンバーから判るように、このミュージカルはコメディなんだけれど、一方でちょっと上手く行っていない「家庭」にもスポットが当たっている、ように思う。
 離婚しようとしているクロズミに別居している妻から電話がかかってくる、サカシタの友人からは「夫がゴルフと不倫している」という電話がかかってくる、サカシタは「結婚したいのね。子ども欲しいのね。社長さんは独身なのね。」とワキタに向かって言う、そのワキタが履いているゴルフ・パンツは父親のものだ、社長だって、実は創業者の父親に反旗を翻すべく画策しているところである。
 これらの事情を全部何となくそれとなく直接に知っていながらポーカーフェイスを貫くキャディーにだって、もちろん秘密がある。でも、それはそれとして、彼女が破綻しそうなこの4人を辛うじて最終ホールまで引っ張ってゆく。こういう役って格好よいけど、ありがちでもあるな、と思う。

 最後には、社長が実は自社の不正をただすためにクーデターを画策していることが本人の口から説明され、クロズミとサカシタは上手くまとまる方向に進むようだし(これが「大団円」かどうかは難しいところだけれど、見た目はハッピーエンドである)、ワキタも「運動神経がよくて大抵のスポーツは上手くこなせるのに、ゴルフは上手く行かない」という状態を乗り越えて「ゴルフが好きになるかも知れない」という心境に達する。
 そして、キャディーが実は小学生の頃からプロで活躍していた美少女ゴルファーだったことが判り、仕事込みで来週もこのメンバーでゴルフをしよう、となって幕である。

 ロビーの表示は、一幕70分、休憩15分、二幕70分で、午後5時開演で午後7時35分終演予定になっていたのだけれど、カーテンコールが長かったとはいえ、終演したのは午後8時だった。
 面白いし、かなり笑ったし、ほろっともさせられるのだけれど、何となく間延びしているように感じたのは気のせいではなかったと思う。もう少しテンポがよくなるともっと楽しくなるのではないだろうか。何しろ、役に合った芸達者の5人が揃っているのだ。
 歌もダンスも気持ち良かったけれど、ただ、女優陣はときどきファルセットの高音が辛そうに聞こえた。もちろん私にとってはということだけれど、帰り道に思わず鼻歌が出てしまうようなナンバーがなかったのは残念。

 ゴルフなんて一度もやったことがなくて、好きでも嫌いでもない私が見ても楽しかった。
 ゴルフ初心者が配役の中に一人いることで、ゴルフ用語のようなものは説明してもらえる。
 もっと楽しくなるミュージカルだと思う。

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コメント

ryuchinさま、コメントありがとうございます

 あの楽器はエレクトーンだったんですか・・・。
 私が子どもの頃に見たことのある「習いごとのエレクトーン」とは趣がだいぶ違っていて、エレクトーンだとは思いつきもしませんでした。
 今日見てきた「JAIL BREAKERS」にも、シンセサイザーをエレクトーンで西日本ナントカで優勝したという設定の人が弾くシーンがあって、「(足で弾く)ベースがない」とかっていう台詞がありました。一緒に笑っていましたが、私にはこのシーンを笑う資格はなかったみたいです(笑)。
 多分また私は阿呆なことを書くかと思いますので、どうぞ色々とお教えくださいませ。

投稿: 姫林檎 | 2006.10.21 23:09

私は今日見てきました。
舞台袖で弾いている楽器はエレクトーンです。
CMでもやっていましたよね、両足バンバン使って弾く男の子とか見たことありませんか。あれです。

投稿: ryuchin | 2006.10.21 21:45

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