2007年1月27日から4月8日まで、上野の東京都美術館で開催されている「オルセー美術館展」に行って来た。当日券(大人)は1500円である。
できたばかりの国立新美術館とどちらに行こうか迷ったのだけれど、迷っていたら友人に「国立新美術館は、火曜日は休みだったと思う」と教えてもらった。感謝!
まだ1ヶ月以上続くし、平日の午後だし、それなりに余裕で見られるのではないかと期待していたのだけれど、オルセー美術館の人気というのは凄い。
流石に門外やチケット売り場で行列することはなかったけれど、入場制限が行われていて、館内に入ってから会場の入口まで30分以上も並んだ。
並んでいるときに周りを見渡したら、「3月2日まで」の招待券を持っている方が目について、やられた! と思った。「今週金曜日までに行かなくちゃ」という方で混んでいるのだろう。
ポスターにもなっている、エドゥワール・マネ作の「すみれのブーケをつけたベルト・モリゾ」はやはり大人気だった。でも、この絵の前で「どこにすみれのブーケが描かれているんだろう?」と思ったのは私だけだろうか。じーっと真正面からみて、多分、胸元だろうと結論した。
同じくポスター(いや、こちらはチラシか?)になっている、フィンセント・ファン・ゴッホ(と表記されていた)作の「アルルのゴッホの寝室」の前もやはり人だかりになっていた。
それから、アンリ・ファンタン=ラトゥールの「バティニョールのアトリエ」とあともう1枚あったと思うのだけれど、印象派の画家達が一堂に会した場面を描いた絵が人気で、「誰が描かれている」ということをメモしている方を見かけた。
印象に残ったのは、エドガー・ドガが妹の顔を鉛筆でスケッチした「ルネ・ドガ」が丁寧で美しく、マネの風景画は珍しいんじゃないかと思った「ブローニュ港の月光」は暗くて大胆なところが意外だった。
ゴッホの「アルルのダンスホール」は、言われてみればちょっとゴーギャンっぽい感じもした。
そのポール・ゴーギャンの「黄色いキリストのある自画像」と「黄色い積みわら」とあともう1枚の前は人波が途切れなくてなかなか見られなかったけれど、ちょうど2階に続く階段の上から、たくさんの人の頭越しにゆっくり見ることができた。
ピエール・オーギュスト・ルノワールは女性の肖像画というイメージが強いので、ルノワールの描いた「絵筆を持つクロード・モネ」は、やっぱり男性を描いてもこんなに柔らかい絵になるのね、と思った。近くに「ベルト・モリゾーの肖像」があって、どちらも着ている服は黒(だと思う)だったので、随分と対照的に黒い服を着た人物を描くのだな、と思った。
エドワード・スタイケンの月光の下で撮った写真はどれも陰影が濃くて美しかったし、エルス・タールマンの「エッフェル塔に向かう4人の男」という写真は映画のワンシーンのようだった。
オルセー美術館と写真というのが意外な組み合わせだった。
それから、何故か作者名が「インド会社」になっている、黒檀の書棚(というよりも飾り棚っぽかった)が不思議な感じだった。
あまりにも混雑していたので、後半の特に「5 幻想の世界へ」と銘打たれたコーナーはかなり素通りになってしまったのが残念だ。
1時間半くらい見て、ミュージアム・ショップもゆっくり見るには混みすぎていたので気に入った絵の葉書だけ買い、帰途についた。
気がつけば、8ヶ月振りの美術館で、人混みにはかなり疲れたけどでも楽しかった。
オルセー美術館展
東京都美術館 2007年1月27日〜4月8日
東京都美術館の公式Webサイトはこちら。
オルセー美術館展の公式Webサイトはこちら。
【2007年3月1日追記】
2月28日に、オルセー美術館展は入場者が20万人を超えたそうだ。
1日平均7000人の入場者があるらしい。混んでいた筈だ・・・。
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