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2007.02.24

「仇討物語 でんでん虫」を見る

「仇討物語 でんでん虫」コント55号 40周年プラス1
脚本 秋房子/詩村博史/白石雄大
演出 萩本欽一
出演 萩本欽一/坂上二郎 
    田中美佐子/佐藤B作/山口良一/あめくみちこ
    佐渡稔/大森ヒロシ/市瀬理都子/山本ふじこ
    逸見太郎/伽代子/平手舞/佐藤あつし
    三宅祐輔
観劇日 2007年2月24日 午前11時開演
劇場 明治座 1階1列38番
料金 12000円
上演時間 3時間45分(30分間・30分間の休憩あり) 

 田中美佐子ははしのえみと、山口良一は風見しんごと、それぞれWキャストが組まれていて、実は、今日行ってみて、舞台に山口良一が登場して初めて、どちらの回に当たっているのか知った。

 明治座のお芝居なので、ロビーでは、職人さんが凧の説明をしていたり、人形焼きが売っていたり、ブティックがあったり、アイスクリームが売られていたり、きんつばが作られていたり、楽しい。
 はとバスなどのコースにも組み入れられていることを初めて知った。客席に、東京のガイドブックを開いている人もいて、なるほどと思った。

 そういえば、午前中に始まるお芝居を見たのは初めてのことかも知れない。

 ネタバレありの感想は以下に。

 お芝居が始まったばかりの頃は「何だかゆるいぞ〜」と思っていたのだけれど、どうしてどうして。
 二幕、三幕と進むにつれて、すっかりお芝居の世界に取り込まれてしまっていた。

 基本的には仇討ちの物語で、萩本欽一と田中美佐子の父子がどこかで暮らしていて、父を助けた佐藤B作演じる農夫が実は江戸の武士で仇と追われており、その武士を仇と追っているのが佐渡稔と山口良一演じる兄弟、その母が坂上二郎という配役だ。
 だから、実は坂上二郎の母は、仇討ちに出かける兄弟を見送った後は出番がほとんどない。仇を討てなければ戻れないのだから当然だ。でも、坂上二郎があちこちのシーンに意味なく登場しては、「坂上です」と名乗り、出演者に邪険にされて帰ってゆく。
 最初は、何だこの緩さは???と思っていたのだけれど、そういえば坂上二郎は何年か前に倒れたのだった、と思い出してからは、何となく落ち着いてしまった。

 それに、東京ヴォードヴィルショーの芸達者が集まってきているのだから、時々みんなして素にも戻りながらも、舞台が進んでふと気がついたら、大笑いしたり、涙が出そうになったりしていた。
 父子それぞれが好きになった相手が仇同士だった、という設定なのだから、お涙頂戴の要素は実は盛りだくさんに入っているのだ。要所要所は、好き合うようになった田中美佐子と山口良一の二人のシーンで締め、萩本欽一が「父の情」でだめ押しする。見事だ。

 素に戻ったり客席に話しかけたりするのが最初はどうしても気になっていたのだけれど、客席の多くはこういった「近しい」というか「親しみのある」「舞台を見に来た自分だけに向けてくれる」顔を見に来ているのだろうと思った。

 もちろん、最後は大団円。
 仇討ちをできなかった兄弟が家に帰れるのか、返り討ちにはしていない仇の男が家に帰れるのか、その辺りはかなり疑問だけれど、仇の男は妻子の待つ家に走り、田中美佐子と山口良一は無事に結ばれる、ような感じだったから、細かいことは気にしない。
 ただ、この二人、一幕の後の休憩でロビーにあったチラシ裏のストーリーを読んで初めて、好き合うようになっていたのだと判った。二幕に入る前にもうちょっとそれらしい雰囲気を漂わせてもよかったんじゃないかという気がした。

 父子の家の表と裏を見せるときには回り舞台が回る様子を見せていたけれど、それ以外の転換はすべて幕を下ろし、暗くして音楽を流し、スポットで浮かび上がった狂言回しの人が、日舞を踊ったり、おかめとひょっとこのお面を交互につけてお芝居を見せてくれたり、奴のように去っていったり、最後は女形姿まで披露してくれた。
 それが、見事に転換中の舞台を一人で埋めていて、次から次へと手品のように芸が披露されて、出てくる度に「格好いい・・・」と惚れ惚れと見てしまった。

 途中、坂上二郎が「とびます、とびます」と、大縄(小学生の頃は長縄と呼んでいたような気もする)に挑戦した。萩本欽一が、「これはストーリーとは何の関係もありませんから」と客席に言い、坂上二郎には「1ヶ月もやっていて最高3回というのは納得いかない。今日こそは最高記録を出してよ」と本気で言っているっぽいのが可笑しい。
 何回か挑戦し、3回のタイ記録だった。

 最後、コント55号のお二人が、それぞれの「コント55号」と「相方」を語っていたのが印象的だった。
 なんだかんだ言いつつも、「コント55号 40周年プラス1」を目一杯楽しんだ。
 ロビーで売っていた、最中ジェラートも食べたし(笑)。

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