2007年3月20日から6月17日まで、江戸東京博物館で開催されている「ロシア皇帝の至宝展 世界遺産クレムリンの奇跡」のチケットを職場の先輩にいただき(感謝!)、行って来た。
私の感覚からすると、「ロシア皇帝の至宝」というのはかなり地味な存在だったのだけれど、明日が最終日という土曜日に行ったせいもあるのだろうけれど、かなりの人出だった。
両国駅から歩いて行く間に同じ方向に歩く人、向こうから帰ってくる人がいる。駐車場に何台も観光バスが停まっている。チケット売り場は(もの凄くアバウトな推定)30人くらいが並んでいる。
嫌な予感はしていたのだけれど、入ってみたら、案の定大混雑している。
入口近くでは係の方が「先に進みますと空いています。順番に見ようとするとお時間がかかります。」とアナウンスしていた。上野動物園のパンダとか、できたばかりの頃の葛西臨海水族園を思い出した。
ちなみに、実際のところは、先に進んでも混雑していた。
クレムリンが何なのか、実は知らなかったのだけれど、要するに宮殿と聖堂との集まりが「クレムリン」なのらしい。
歴代ロシア皇帝のお宝と、ロシア正教のお宝とが集められているようだ。
「イコン」「メダイヨン」「オクラド」などなど、耳慣れない言葉で説明されるものがたくさんある。
きらびやかで貴石がふんだんに使われていて、「権力と富の集中」が実感できる。
ここにこれだけ集められていたら、国の他の場所に富のあるはずがない、という感じだ。実際はエルミタージュ美術館とかにもたくさんお宝があるのだろうけれど、でも、そういう印象である。
戴冠式の場面を描いた絵で、よく毛皮のマントに黒い点(というよりも長い)が散らしてあるけれど、あれは実はオコジョの毛皮を継いであって、あの黒い点ひとつひとつがオコジョの尻尾だということを初めて知ってしまった。
一体、何頭のオコジョの毛皮から作られているのか。考えてみると気持ちが悪い。
「銀に金メッキ」というお皿やひしゃくやカップなどが多くて、もちろん精緻な細工は美しいのだけれど、意外だった。
実用品だったから全部金というわけにはいかなかったのか、細工を際だたせるために違う材質のものを使った方が映えたのか、ロシアでは実は金は「権力と富の集中」をもってしても希少品だったからなのか、その辺りはよく判らなかった。
この「ロシア皇帝の至宝展」の惹句には「至宝クレムリンエッグ、日本初公開」と書かれている。
「クレムリンエッグ」は、もの凄く端折って説明すると、ロシア皇帝の誰かがお后に贈った品で、当時の最高の職人に作らせたイースターエッグの豪華版、だ。
豪華だった。
でも、チラシやポスターや絵はがきではクレムリンエッグの「エッグ」の部分は白く写っているのだけれど、実物は青みがかっていて、実物の方が美しかったと思う。どうしてあんなに白っぽく写ってしまった写真を使っているのか、謎だった。
ウスペンスキー大聖堂のVR映像も迫力があったし、豪奢な気分になれる展示の数々だった。
もっと早く、できれば平日に行って、のんびりゆっくり見られればもっと楽しかったに違いない。惜しい。
江戸東京博物館の公式Webサイト内、「ロシア皇帝の至宝展」のページはこちら。
「ロシア皇帝の至宝展」の公式Webサイトはこちら。
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