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2007.07.22

「夏の夜の夢」を見る

「夏の夜の夢」子どものためのシェイクスピアカンパニー
作 ウィリアム・シェイクスピア
脚本・演出・出演 山崎清介
出演 伊沢磨紀/福井貴一/佐藤誓/山口雅義
    戸谷昌弘/土屋良太/キム・テイ/大内めぐみ
観劇日 2007年7月21日(土曜日) 午後2時開演
劇場 東京グローブ座 D列18番
料金 4800円
上演時間 2時間15分(15分間の休憩あり)

 華のん企画の先行抽選発売に申し込んだので、席は最前列のど真ん中だった。
 それなのに、イエローヘルメッツのステージに間に合わなくて申し訳ない。概ね、開演10分前にはイエローヘルメッツのステージが終わるらしい。来年まで覚えておかなくては。

 パンフレット900円をつい購入してしまった。

 ネタバレあり(といえるかどうかは微妙だけど)の感想は以下に。

 何もない真っ黒な舞台上に、家の形のランプがひとつ。
 そこにヘルメットを被った男たちが出てきて机を運び入れ、イスを並べ、舞台の上に舞台を作る。
 最後のひとつの机が足りない。お客さんに尋ねて舞台脇に置かれていた机を発見、なんていうやりとりも楽しい。
 舞台ができあがったところで、村の職人達が公爵の結婚式で演じる芝居の相談を始める。
 そこに紛れ込んだ妖精パック。職人達の相談に時々声だけ参加して、混乱を誘う。

 もう、始まりから格好良いったらない。

 昨日(「お気に召すまま」を見た)に続いてまた公爵か? と思ったら、昨日に引き続いてシェイクスピア劇だった。
 でも、その趣はだいぶ違う。

 大内めぐみ演じるパックはアクロバティックな動きをするわけではないのに、何故だかちゃんと妖精パックに見える。
 いかにもイタズラ好きな表情のためなのか、あまり歩かない(走ったり弾んだりといった動きが多い。もちろん止まることはある)ためなのか、とにかくつい目を引き寄せられる。

 目を引き寄せられるといえば、公爵の結婚相手であるヒポリタと妖精の女王タイテーニアの2役を演じた山崎清介の「女王」振りはもちろん目を惹く。
 カンパニーの中でも一番長身なのではないかと思うのだけれど、その長身に赤いドレスのヒポリタ、ショートカットでお花のイヤリングをつけたタイテーニアを演じられると、それは見ざるを得ない。
 美しいわけではないのに、違和感がないのが不思議な感じでもある。
 ヒポリタが子連れだというのは、山崎清介が常に持つシェイクスピア人形に出番を与えるためなのか、そもそもそういう設定だったのか、ちょっと気になった。

 福井貴一演じる妖精の王オーベロンに命じられたパックが惚れ薬の花を摘んできて、タイテーニアのまぶたに落とし、芝居の稽古をしていた山口雅義演じる職人のボトムにロバのかぶり物をさせ、彼に恋させてしまう。
 「アテネの男が、彼を追ってきた娘に恋するようにしろ」とも命じられ、本当は戸谷昌弘演じるディミートリアスが伊沢磨紀演じるヘレナに恋するように仕向けなくてはいけなかったのに、土屋良太演じるライサンダーに薬をたらし、しかも駆け落ちの相手であるキム・テイ演じるハーミアではなくて、彼はヘレナに恋いこがれるようになってしまう。
 大混乱だ。

 キム・テイはどこかで見たことがあるよな、どこだったかな、と散々考えて、「その河を越えて、五月」に出ていたのを思い出した。
 ピンクを基調にした童話のような衣装が似合っていて、可愛らしい。表情もあどけない、世間知らずな若い娘の感じが漂っていて、こういうハーミアもありだなと思う。

 オーベロンに叱られたパックは再び森を駆けめぐり、恋人達のこねくり回された四角関係を元に戻し、タイテーニアからインド人の子供を手に入れたオーベロンは満足して惚れ薬の効き目を解く薬を与える。
 ディミートリアスとハーミアを結婚させようとしていた佐藤誓演じるハーミアの父にとっては不本意だろうけれど、2組の若者達はめでたく華燭の典を挙げることになる。
 おいおい、それでいいのか。ライサンダーがヘレナを追いかけていたことを知るハーミアも、ディミートリアスがハーミアを追いかけていたことを知るヘレナも、全く拘りはないのか、わだかまりは残らないのか、と突っ込みたいけれど、突っ込んでも仕方がないのがシェイクスピア劇だ。
 でも、本当にこういう納得の仕方でいいのだろうか。

 職人達の芝居の相談で始まった「夏の夜の夢」は、職人達の芝居で幕を下ろす。
 芝居の後の口上に、パックがまたもやこっそり登場し、イタズラをしたときの決まり文句である「ほほほ〜う」を響かせて終わる。
 やっぱり、格好良い。楽しい。大好きである。

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コメント

 ガマ王子さま、コメントありがとうございます。

 先行抽選の結果はまだ判りませんが、それとは別にやはりカードの先行発売があり、平日公演ですが押さえることができました。
 あとは、仕事が入らないことを祈るだけです。

投稿: 姫林檎 | 2007.07.30 23:33

カードかあ
残念><
これ本当とれるか不安だよ~
姫林檎さん当たるといいね^^

投稿: ガマ王子 | 2007.07.29 23:38

 ガマ王子さま、コメントありがとうございます。

 今回私が申し込んだ「恐れを知らぬ川上音二郎一座」の先行抽選は、クレジットカード関係のものです。
 多分、これが最も早いということはないと思うのですが・・・。

投稿: 姫林檎 | 2007.07.29 08:49

甥っ子が小学生なんだけど甥っ子とも行きたかったな~

ところで「恐れを知らぬ~」の抽選予約ってどこでやってます?
東宝みてもなかったんだけど
確かにこれ腹立つほど高いですね・・

投稿: ガマ王子 | 2007.07.28 11:51

 ガマ王子さま、コメントありがとうございます。

 お勧めした「夏の夜の夢」、楽しんでいただけたようで何よりです。
 ほぼ毎夏上演されている「子どものためのシェイクスピアシリーズ」は本当にお勧めです。次回公演もぜひどうぞ(笑)。

 私もあまりお芝居を見ない友人を誘うときには、子どものためのシェイクスピアシリーズか三谷さんのお芝居を選ぶことが多いです。

投稿: 姫林檎 | 2007.07.28 09:18

暑いですね><
お元気ですか
オススメと聞いていたのでこれ先週いってまいりました^^

シェークスピアのオシバイでこんなに楽しかったのはじめてかも!ってくらい楽しめましたよ。あ 「朧の森~」は除く(笑)
簡素な舞台設計なのになぜかオシャレなかんじしました
話がわかってる分眠たくなってしまうかなって思ったのですが
展開がポンポンすすんでいきあっというまにおわってしまいました
よかった分席が悪かったのが残念でした
僕は大体一人で観劇するけどこれならだれか誘えるな^^

投稿: ガマ王子 | 2007.07.26 21:56

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