東京芸術劇場パイプオルガンコンサートvol.8「Ciao! イタリア」
オルガン クラウディオ・プリツィ
曲目
ルネサンスオルガン
G.フレスコバルディ:トッカータ第5番
B.パスクィーニ:フォリアによるパルティータ
バロックオルガン
D.チマローザ/編者不詳
:過激「オラッチ兄弟とクリアッチ兄弟」によるオルガンのためのシンフォニア
M.クレメンティ/W.A.モーツァルト:モーツァルトのレクイエムをモチーフとしたフーガ
MN.モレッティ/W.A.モーツァルト:モーツァルトK.381ニ長調によるオルガン・ソナタ
G.モランディ:前奏曲と変奏、フィナーレ
−休憩20分−
モダンオルガン
A.ディアナ:ポロネーズ ニ長調
G.ヴェルディ/編曲者不詳:過激「ナブッコ」より「池、我が想いよ、黄金の翼に乗って」
G.ヴェルディ/フマガッリ編:「ヴェルディのアリアによる荘厳ミサ」から
G.ヴェルディ/フマガッリ編:歌劇「椿姫」からヴェルソ2&3 聖体奉挙
G.ヴェルディ/フマガッリ編:歌劇「アイーダ」から行進曲
N.パガニーニ/M.E.ボッシ編:常動曲
M.E.ボッシ編:交響曲習作
−アンコール−
ヴィヴァルディ/J.S.バッハ:オルガン協奏曲 イ短調 BWV593 第1楽章 アレグロ
ヴィヴァルディ/J.S.バッハ:オルガン協奏曲 イ短調 BWV593 第2楽章
公演日 2007年9月1日(土曜日)午後6時開演
場所 東京芸術劇場大ホール 2階L列29番
演奏時間 2時間(20分間の休憩あり)
友人から招待券をいただいて、生まれて初めてパイプオルガンのコンサートに行って来た。
思っていたよりも客席が埋まっている。演奏者が高い位置にいるパイプオルガンのコンサートだからなのか、1階席よりも2階席の方にお客さんが多いようだった。
パイプオルガンを聴くのは初めてではないかもしれないのだけれど、パイプオルガンだけのコンサートは初めてだ。
パイプオルガンといえば教会、バロック、ミサ曲、ステンドグラス、というステレオタイプのイメージしか持っていない。
だから、パネルのスイッチ(といえばいいのだろうか)を操作して、シンセサイザーのように自在に音や音色を調整して、様々な表情の音を聴かせるこのコンサートは、意外だったし、楽しかった。
奏者が登場して椅子に座り、位置を直す。
かなり横に長いベンチのような椅子なのにどうしてそこまで位置に拘るのだろうと思っていたら、鍵盤自体の幅はそれほど長くなさそうなのだけれど(その代わり、多分、5段あったと思う)、足を使うペダルはベンチの幅いっぱいくらいにあるし、鍵盤の両脇の壁には数十はあるだろうスイッチが並んでいる。
ペダルもこのスイッチも、演奏中に操作するのだから大変だ。位置を気にするのも当然である。
弾くところを見ていると、まるで、奏者がアクロバットをしているようにすら見えてくる。
配られたプログラムに、「本日の演目には、「知られざる作曲家」の作品も少なくありません。」とあるように、特に休憩前はほとんど馴染みのある曲はなくて、拍手するタイミングを図りかねてしまった。曲目数と照らし合わせると、拍手できなかった曲もあったような気がする。
演奏者に申し訳ないことである。
休憩後は、曲目が変更されて入った、ヴェルディのオペラからの曲が、やはり馴染みがあって安心して聴けたし、楽しかった。オペラでも、パイプオルガンの演奏でアリアが歌われれれば楽しいのに、と思う。
アンコール2曲は、楽譜なしで弾いていた。
パイプオルガンの曲として有名な、よく演奏される曲だったのだろうか。
休憩時間にロビーをうろうろしていたら、CDが販売されていて、コンサート後にサイン会を予定していますという案内がされていた。でも、CD売り場に近づかないと気がつけないくらいの声だったので、もしかしたら「サインがもらえるならCDを買ったのに」という方がいらっしゃったかも知れないと思う。
うろうろして客席に戻ったら、パイプオルガンの表情がガラリと変わっていた。ずっと席にいた家族に聞いても、「照明が暗くなって、明るくなったときにはこういう状態だった」と言う。休憩前は木目の美しいパイプオルガンで、休憩後はメタリックな感じのするパイプオルガンになっていた。
後で確認してみたら、パイプオルガン全体が裏返せるようになっていて、休憩時間にそれをひっくり返したのだということだった。
パイプオルガンを全く知らない私が聴いても、楽しいコンサートだった。
最近のコメント