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2007.10.14

「犯さん哉」を見る

作・演出=ケラリーノ・サンドロヴィッチ×座長=古田新太『犯さん哉』
作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 古田新太/中越典子/犬山イヌコ/姜暢雄
    大倉孝二/八十田勇一/入江雅人/山西惇
観劇日 2007年10月13日(土曜日)午後6時開演
劇場 パルコ劇場 L列12番
料金 8500円
上演時間 2時間10分

 ロビーではパンフレット(1800円)や、Tシャツ(2500円、だったと思う)、出演者の過去の出演作品のDVD、追加公演のチケット、シャープペンなどが販売されていた。

 ネタバレなのかどうか自信がないけれど、感想は以下に。

 開演前、出演者全員が学生服&セーラー服で記念写真のようにポーズを取った絵がどどんと舞台上のスクリーンに映し出されている。
 そのスクリーンがするすると上がると、全く同じ構図で全く同じ(?)笑顔で出演者全員が舞台の真ん中でポーズを取っている。
 舞台の始まりである。

 いきなり富士山とか東京タワーとかがいっしょくたに描かれた映像がどんどん破壊されてゆくのを、中学生らしい彼らが楽しそうに眺めている。
 ハルマゲドンものか? と思っていたら、それは古田新太14歳が見た夢であることが、神の声によって説明された。
 登場人物はほぼ実名で登場している。

 映画のクレジットより更に凝った映像で役者陣の名前を映し出し、舞台セットは斜めに切られていて、スライドしたりそこでさらに回り舞台で転換したり、「上手くできている」という感じがする。

 何故か「古田新太14歳」の時代は、ほぼ下着1枚で出ずっぱりだ。
 決して14歳の筈がないのだけれど、何となく「古田新太14歳」と連呼されるとそうなんじゃないかという気になってくるから不思議である。

 そんな感じで、ナンセンス・ワールド全開! という感じだった。

 「どうして?」とか「何でそうなるの?」とか「おいおい」とかを考えちゃいけない世界が次々と展開する。
 そのナンセンス・ワールドでは、中越典子の「普通っぽさ」が効いているし、姜暢雄の格好良さに全く意味がないのも可笑しい。
 普通っぽい中越典子がもの凄くとんでもないことを言ったりするのも更に効いている。

 この14歳を描いた第1部も、20年後の34歳を描いた第2部も、何故かおまけのように展開された54歳の第5部も、可笑しい。
 私はどちらかというとこういう感じが苦手なので、可笑しいけど爆笑という感じにならないのは自分でよく判るのだけれど、客席全体のテンションが思ったよりも上がらずに「客席に笑いの渦」という感じになることがほとんどなかったのが意外だった。
 どうしてだろう。

 でも、こういったお芝居で陥りがちな、「内輪受け」っぽさとか、舞台の上でしょっちゅう役者さんが素になってしまったりとか、「ゆるい」と感じさせるところは全くなくて、それが清々しくて気持ち良かった。
 段取りから何からとことんまで作り込まれた(と思われる)ナンセンス・ワールドは、爽快だった。

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