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2008.01.17

「キル」を見る

「キル」NODA・MAP
作・演出 野田秀樹
出演 妻夫木聡/広末涼子/勝村政信/高田聖子
    山田まりや/村岡希美/市川しんぺー/中山祐一朗
    小林勝也/高橋惠子/野田秀樹
観劇日 2008年1月16日 午後7時開演
劇場 シアターコクーン M列23番
料金 9500円
上演時間 2時間25分(15分間の休憩あり)

 客席に入った瞬間、撮影用のカメラを見て「また撮影日と重なったか!」と思ったのは、「夢のひと」でも、やはり撮影日に当たっていたからだ。
 でも、よくよく思い返してみれば、チケット争奪戦に出遅れ、「わざわざ撮影日を選ぶ人は多くはあるまい」と思って自らこの日のチケットを購入したのだった。

 ロビーではパンフレット(1000円)や野田秀樹の戯曲集、妻夫木聡と広末涼子のそれぞれのグッズが販売されていた。
 上演予定時間の表示で、何故か終演時間が「午後9時22分」と細かく書かれており、どうしてこんなに細かく書いてあるのか不思議だった。パンフレットに書いてあるかと思い、帰りに買って帰るつもりだったのだけれど、うっかり買い忘れてしまった。もう1回、観劇する予定なので、次は忘れないようにしようと思う。

 カフェのコーナーで売られていた「モンゴル風サンドイッチ」も実は気になっている。

 ネタバレありの感想は以下に。

 演出や音楽、舞台セットなどは、再演のときと近いのではないだろうか。
 自分の記憶力に全く自信がないので、自信もないのに書くのはどうかと思うのだけれど、でも結構「デジャヴュかも?」という感じで、見覚えがあるシーン(絵という言葉の方が私の中の感じには近い)がいくつかあったように思う。

 一幕の最後、舞台奥に広末涼子演じるシルクが後ろ向きに立ち、ライトを浴びている。妻夫木聡演じるテムジンの声でゆっくりと振り向くと、彼女の体が横向きになったところで妊娠していることが判る。この辺りの記憶はかなりいい加減ではあるのだけれど、その「絵」は恐らく初演と再演と同じで、でも、微笑むというよりももう少し大きく笑っている表情が今回の特徴ではないだろうか。
 
 見覚えがあるといえば、妻夫木聡のテムジンは、しゃべり方やイントネーションが、初演と再演でテムジンを演じた堤真一を思い出させる。というよりも、意識的に真似ていたのではないかと思ったのだけれど、実際のところはどうだったのだろう。
 立ち姿の印象が意外なくらい違うし、演じている時点での年齢もかなり離れている。そもそも声が違うので、全体としてそっくりにはならない。それが個性というものか、とも思う。

 その妻夫木聡や野田秀樹の声がときどき苦しそうになるのが気になる。
 一方で、高橋恵子はときどき辛そうだったけれど、広末涼子、高田聖子、村岡希美、山田まりやの女優陣は確実に声と台詞を届けて、非常に安定しているように感じる。声の力というのはもの凄く大きいのだなと思う。特にシルクという人間を表して特徴づけているのは、立ち姿でも動きでも表情でもなく声なんじゃないかと思ったくらいだ。

 ツアー客の一行のシーンは、添乗員同行全食事つきのパックツアーで旅行してきたばかりの身としては、かなり痛い。
 確かにツアーのフリータイムは決して「自由」ではない。
 それは、多分、団体旅行だけでなく、あらゆる場面に当てはまってゆく痛さなんだろうという気がした。

 「キル」というこの舞台で、最初に台詞を発するのは勝村政信演じる結髪で、最後に台詞を発するのは高田聖子演じる人形だったように思う(実は、最初に台詞を発したのはテムジンの独白だったような気もして自信がない)。
 結髪と人形とか赤ちゃんの誕生を待ち望むシーンが3度繰り返されるせいか、この舞台の骨組みを支えているのはこの2人(結髪と人形という意味でもあるし、勝村政信と高田聖子という意味でもある)なんじゃないかという気がする。
 テムジンが人形に話しかけるシーンは、全て、テムジンが孤独の余り思わず独り言を言っているとも見えるシーンなんだろうか。次に見るときにはぜひ気をつけて見ようと思っている。
 そして、ラスト近く、人形は結髪を陥れたのか、謀ったわけではなくてテムジンの味方をしたい一心だっただけなのか、陥れたのだとしたら理由は何なのか、それも気になっている。

 それから、モンゴルに旅行した身としては、遊牧民の家を「パオ」と連呼するのが気になる。
 ジンギスカンの話で、外モンゴルを舞台にしているのであれば、ぜひ「ゲル」と言っていただきたい。

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コメント

 都弥乃さま、コメントありがとうございます。

 都弥乃さんは12月にご覧になったのですね。
 やっぱり妻夫木聡と堤真一の台詞回し、似ていましたよね。同じように感じた方がいらっしゃると判って、ほっとしました(笑)。

 次回、観に行ったときにはパンフレットを購入しようと考えていますので、そちらに「終演21時22分」の理由が書かれていたら、お知らせしますね。

投稿: 姫林檎 | 2008.01.23 22:38

こんにちは。
私はこの作品、12月のうちに観てきましたので
役者さんの声はまだ気にならなかったです。
やっぱり2ヶ月は長いですよね・・・。

妻夫木くんの台詞の言い回しが堤さんぽいなーって
いうのは私も気になりました!
きっと観てるような気がします。
影響されているのかな。
でもすんなり受け入れられました。

上映時間の細かさに関しては
「野田さんの思考回路はわかんないな~」
と思って済ませちゃってるんですが・・・
重要な意味があるんでしょうかね。
もしわかったら教えてくださーい。

投稿: 都弥乃 | 2008.01.23 12:11

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