「アクメッド王子の冒険」を聴く
「ヨーヨー・マ&シルクロード・アンサンブル」
<スペシャルプログラム>「アクメッド王子の冒険」シルクロード・アンサンブル編
演奏 ヨーヨー・マ(vc)&シルクロード・アンサンブル
公演日 2008年4月27日(日曜日)午後5時30分開演
場所 サントリーホール 1階11列25番
料金 12000円
公演時間 1時間20分
ドイツの切絵作家であるロッテ・ライニガーが、影絵で製作した長編アニメーション無声映画「アクメッド王子の冒険」に合わせ、シルクロード・プロジェクトが新しく書き下ろした音楽を、ヨーヨー・マ&シルクロード・アンサンブルが生演奏するという趣向である。
影絵のアニメーション映画は舞台上方に吊されたスクリーンに映され、舞台上にはヨーヨー・マ&シルクロード・アンサンブルが陣取る。
映画は無声映画で、ときどき登場人物の台詞や「第1幕」といった字幕が入る。
字幕で表される部分と、影絵の人物達の動きなどで表される部分と、半分半分という印象だ。
影絵なので、背景にはグラデーションでモスクや木々などが描かれているけれど、人物や魔法使い達は本当に黒い影で表される。
でも、それが驚くほど表情豊かである。
物語はアラビアンナイトで、アクメッド王子が悪い魔法使いに騙されて空飛ぶ馬に乗り、遠いどこかに国に飛ばされ、そこで女王様と出会い、中国に行ったら皇帝に騙されて女王様を奪われ、女王様は国に連れ戻され、その国に入るためにアラジンの魔法のランプを手に入れ、魔女と協力して悪い魔法使いをやっつけ、アラジンと結婚していた妹姫とともに国に帰るという内容である。
突っ込みどころ満載の、ご都合主義の物語だ。
それに、何故だかキスシーンが異様に多いのが謎である。
登場人物それぞれを担当する楽器があって、その紹介があり、そして映画が始まり演奏が開始される。
物語はこのとおりなので、これは、アニメーション映画の影絵の人物たちの動きや感情と音楽とのシンクロ具合を楽しむ催しであると考えた方が良さそうである。
耳慣れない見慣れない楽器で演奏される音楽はナチュラルな感じでのんびりでき、正直に言うと時々眠くて落ちてしまったのだけれど、ゆったりと心落ち着く音楽を堪能できた。
空席が目立っていたのが勿体ない、楽しい催しだった。
もう少し、料金が安くなって気軽に出かけられるといいのにと思った。
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