池田20世紀美術館に行く
2008年5月16日から19日まで、伊豆高原に断食旅行に行って来た。
断食をしているときは動いた方がいいそうで、散歩が奨励されている。
5月18日、泊まっていた宿からバスで15分ほどのところにある、池田20世紀美術館に行って来た。
いただいたリーフレットによると。池田20世紀美術館は、
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ニチレキ株式会社の創立者 池田英一氏(1911〜82)が、長年に亘って蒐集した美術品と土地・建物等を寄付し、1975年5月に日本初の現代美術専門の美術館として伊豆・伊東の一碧湖けやき通りに開館しました。
ー中略ー
当館のコレクションは、20世紀に製作された絵画・彫刻で<人間>をテーマとするものを中心に約1,300点収蔵しています。
館内には、ルノワールをはじめピカソ・ミロ・ダリ・シャガール・マティス・ウォーホル等、外国の巨匠たちの大作、秀作を常設展示しております。また、3ヶ月に1回特別企画展を行います。
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という趣旨の美術館なのだそうである。
私のお目当ては、ピカソ・ミロ・シャガールといった画家の絵である。
シャガールの絵は元々好きで(一番好きな画家はと聞かれたら、シャガールと答えると思う)、ブルーを基調とした「バイオリン弾き」という絵にはやっぱり惹かれる。
解説によると、バイオリンはユダヤ人であったシャガールにとって、日々の暮らしの喜びと悲しみを共にしてきた楽器であり、故郷を思うときには、恋人や花束や牛やロバや鶏といったシャガールの絵の「常連」ともいえるべきモチーフとともにその主役と脇役を務めているということなのだそうだ。
そう丁寧に解説してもらえると、ますます興味が湧く。
その他に印象に残った絵といえば、ピカソの「近衛兵と鳩」と題された、高さが2m近くあるという大きな絵である。
これまた解説によると、この絵はピカソが88歳のときに制作されたのだそうだ。でも全体の「雑」といってもいいんじゃないかと思えるくらいの勢いに溢れた様子は、とても「老人」が描いた絵とは思えない。
ピカソは、生涯登り続け作品を制作し続けた画家であるという趣旨の文章をどこかで読んだ記憶があるのだけれど、その一節をまたも思い出すことになった。
マティスという画家は、私にとっては「名前は知っているけれど」という感じの画家である。
けれど、「ミモザ」と題された、タペストリーの下絵として制作された切り絵は、明るく大胆な形と色彩を持った絵で、何だか元気をもらえるような気持ちになった。
しばらくじーっと見てしまった。
企画展の「勝井三雄 光の様態」は、正直に言ってあまりよく判らなかった。
企画展そのものよりも、その一角でガウディのコーナーが作られていたのが何だか嬉しかった。
企画展とのつながりは今ひとつよく判らなかったのだけれど、ガウディが作った建物の写真、そこで使われたモチーフのレプリカ、ステンドグラスのレプリカなどが展示されている。
以前には、ピカソとダリとミロの3人のスペインの画家を特集し、美術館全体をこの3人の作品で飾るという特別展が開催されたことがあるそうだ。
ぜひそのときに来たかった、また開催されることはないだろうかと思ってしまった。
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