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2008.06.15

「春子ブックセンター」を見る

「春子ブックセンター」イオン化粧品 シアターBRAVA! プロデュース
脚本 宮藤官九郎 
演出・脚色 鈴木おさむ
出演 友近/木村明浩(バッファロー吾郎)/福田転球
    金子さやか/平田敦子/加藤啓/伊藤修子
    金成公信(ハローバイバイ) /竹若元博(バッファロー吾郎)
    なだぎ武(ザ・プラン9) /星野真里/ルー大柴
観劇日 2008年6月14日(土曜日)午後2時開演
劇場 東京芸術劇場中ホール R列11番
料金 7500円
上演時間 2時間15分

 ロビーではパンフレットやTシャツが販売されていたけれど、値段などなどはチェックしそびれてしまった。しかし、公演期間4日間で元が取れるほど売れるのだろうか?
 お笑い事情に疎い私には全く判らないけれど、この出演者陣は公演期間の短さを補って余りある勢いとパワーの持ち主たちということだろうか。

 ネタバレありの感想は以下に。

 タイトルが「春子ブックセンター」で、脚本が宮藤官九郎だから、きっとパルコブックセンターとは全く関係ないお話しなんだろうなと思っていたのだけれど、本当に見事に全く関係なかった。
 ここまで関係ないといっそ清々しいというものだ。

 清々しくなかったのは、隣の席にいた男性で、このお芝居の舞台はストリップ小屋の楽屋だったのだけれど、それにしても挙動不審を通り越して非常に不愉快だった。本当は席を立ちたいくらいだったのだけれど、その当人の前を通らなければ通路に出られない席だったので、それもかなわなかった。
 ああいう輩を何とかすることはできないものだろうか。

 舞台に話を戻すと、開演前から懐メロがかかっていた。
 懐メロといっても、「CHA-CHA-CHA」とか、WINKとか、「探偵物語」とか、私くらいの世代ド真ん中といった辺りの選曲である。
 これは客層に合っているんだろうかと、他人事ながら心配になる。

 「My Revolution」の音量が上がって、舞台の幕も上がる。
 いきなり、友近が浴衣姿にマイクを握って「桃色吐息」を歌い出す。その歌に合わせて、スクリーン上で役者紹介が行われる。
 そして、場所は明らかに場末のストリップ劇場の楽屋である。
 シュールだ。

 繰り返して言ってしまうけれど集中できなかったので、ストーリーを端折って説明してしまうと、スギムラハルコは実は「男」で、「春子ブックセンター」という名前の漫才トリオの一員で、なかなかの売れっ子だったらしい。
 それが、10年前に事件を起こして姿を消していたところ、元の仲間(1人は既にマネージャに転身しており、もう1人のマネージングをしているけれどかなり状況は厳しそうである)がやってきて、復帰を迫る。
 基本的にはそういう話である。

 そこに、「春子ブックセンター」再結成を取材に来た若者や、「春子ブックセンター」の大ファンだったというダンサーや、この小屋を潰して見捨てダンサーの一人と逃げ出した支配人や、全く受けない前説を続けている若者や、常に怪しげな動きをしている小屋専属(らしい)振り付け師や、色々な人々が色々なところから絡んで来る。

 その「復帰を迫る」という過程で、本来の男の姿に戻った「春子」が、「笑い」について語る。
 その語っている内容が、もの凄く意味がありそうななさそうな、微妙なところである。よく判らない。「大切なことが語られている」という感じは伝わってこないのだけれど、恐らく(脚本家のか、脚色家のかは別として)「言いたいこと」を言わせているんだろうなという感じは受ける。
 しかし、それが痛いところを突いているのかどうか、結局、最後まで判らなかった。

 私が特に昨今のお笑い事情に疎すぎて何も判らないというところと、集中できていなかったというところは割り引くとして、それにしても、ラストシーン近くの「春子ブックセンター」再結成漫才は面白かったんだろうか?
 そもそも、面白い漫才のシーンだったんだろうか?
 面白い漫才をしようとして失敗したというシーンだったんだろうか?
 「春子ブックセンター」の漫才が面白いかどうかでこのお芝居の印象だけでなく意味も違ってくるんじゃないかという気がしたのだけれど、そこが判らなかったから、私には今ひとつドカンと来ないお芝居だったのかも知れないと思う。

 最後は、友近の歌う「六本木心中」に乗せて、役者紹介があった。
 そういえば、このお芝居でここまで「歌」に拘ったのは何故なんだろう。
 

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コメント

 ガマ王子さま、お久しぶりです&コメントありがとうございます。

 大人計画バージョンの「春子ブックセンター」では、春子は女性だったのですね。知りませんでした。
 やっぱり、大人計画バージョンの「春子ブックセンター」を見ておきたかったです。

 大人計画バージョンでは、女性である春子を松尾スズキが演じていたのだとすると、男性が女性を演じる、女性が男性を演じるということが、このお芝居では何らかのキーになっているのかも知れないですね。

投稿: 姫林檎 | 2008.07.07 22:45

これつまらなかったですね^^;
今年一番つまらなかったかもw
鈴木おさむさんの演出家デビュー作もみていますが
これまたセンスなかった><

大人計画の春子はとてもよかったですよね
今回春子が男になってるのが
一番の大きな違いでしょうけどなんでこの設定にしたんだろう^^;
歌も多かったですねえ
とても疲れた芝居でした・・

投稿: ガマ王子 | 2008.07.07 21:31

 なおみ様、お久しぶりです&コメントありがとうございます。

 実は、私は大人計画の「春子ブックセンター」は、チケットを取ることができずに見ていないのです。
 なので、比較はできないのですが、本当に単なる勘で、全く違うお芝居だったのじゃないかなという気がします。
 何しろ、大人計画の「春子ブックセンター」での春子役は松尾スズキだったようですから。
 しみじみと、大人計画の「春子ブックセンター」を見られなかったのが残念です。

投稿: 姫林檎 | 2008.06.20 22:05

本家・大人計画の「春子ブックセンター」と比べて如何でしたか?
私はどちらも観ていませんけど(笑)。

投稿: なおみ | 2008.06.20 12:44

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