「KAZUMASA ODA TOUR 2008 きっと またいつか 今日も どこかで FINAL」を聴く
明治安田生命 Presents
「KAZUMASA ODA TOUR 2008 きっと またいつか
今日も どこかで FINAL」
出演 小田和正
公演日 2008年11月26日(水曜日)午後6時30分開演
場所 東京ドーム 1塁側2階10列350番
料金 8400円
妹の強力なプッシュと出資により、母と2人で小田和正の東京ドームコンサートに行って来た。
妹は熱烈なファンで、コンサートもしょっちゅう行っているし、DVDも何枚も持っているし、車に乗るときには大抵小田和正をかけている。
今回も、「行かなくちゃ勿体ない」「このコンサートに行って小田さんの良さが判らなかったら人間じゃない」「他の人のコンサートにはもう行けなくなる。小田さんのサービス精神がすごい」と絶賛(とちょっと脅迫)され、その勢いはほとんど宗教に近いノリだった。
そんなわけで、「もの凄いファンというわけでもないのにコンサートに行っていいんだろうか」と一抹の不安を抱えつつ、東京ドームに向かった。
開演20分前に到着したのに、入口からして並ぶ大混雑である。
席に着くと、アリーナ席に座っている人や、ステージに張り付くスタッフの姿が小さく見える。
メインステージの後方にかなり大きな画面が設置されているのだけれど、ステージ上の柱(のようなもの)に遮られてしまい、あまりよく見えない。
やはりドームでのコンサートというのはなかなか大変らしい。
私は多分東京ドームで行われるコンサートに行ったのは初めてで(野球を見に行ったこともないけれど、らん展を見に行ったことはある)、もっと音響が酷くて変に響いたりするのじゃないかと心配していたのだけれど、小田和正という人の声質と声量と発声のよさのためなのか、ある程度は反響を計算して設計されているのか、少なくとも歌声は完全に届く。
また、この高音が半端ではなく響くし澄んでいるのが驚きである。
確か、小田和正という人は還暦ではなかったろうか。
アリーナに作られた三角形の通路(高くなっている)を移動して、手を振ったり、握手したり、マイクを差し出して一緒に歌ったり、「どうも〜」と客席からかかる声にいちいち答えたり、「ファンサービスここにあり」といった光景が展開される。
妹によると、いつものコンサートではもっと軽快に走り回るそうなのだけれど、ご本人の告白によるとゲネプロで自転車を飛ばしていて転び、腰を強かに打ってとても走れる状態ではないのだという。
でも、しつこいようだけれど、特に高音域の伸びは健在である。
オフコース全盛の頃、友人がオフコースのファンだったこともあってかなり聴いていたつもりだったのだけれど、このコンサートで「昔の曲です」と歌われた曲のほとんどを知らなかったのは結構ショックだった。
ベスト盤に近い曲目リストだったと思うのだけれど、それでもサビだけ判った曲も含めて、知っていた曲は半分くらいだったのではなかろうか。
「昔のヒット曲」に抵抗を示す歌手も多いような印象があるのだけれど、小田和正の場合は「ファンが喜んでくれるなら」というスタンスのように見受けられた。
開始直後のMCで、「ドームってどれくらい声が届いているのかが判らなくて、ペース配分が判らない」と言っていたけれど、妹からの受け売りの知識によると、小田和正は小さな会場で好んでコンサートを行い、ドームなどの大きな会場でコンサートを行うことはほとんどしないのだそうだ。
それで自ら歩き回って、ファンのそばに行こうとしているのだという。
でも、そこで「そば」を味わえるのはアリーナ席にいる人だけだよな、アリーナ席も含めて全席同一の値段だったらしいからクジ運にえらく左右されるよな、でもコアなファンでアリーナを固めるよりは抽選でランダムに席が決まる方が公平なのかもしれない、などと余計なことを考える。
しかし、2階席がどうしてもアリーナ席や1階席の熱狂から遠く離れ、ちょっと冷静に眺めてしまうのは事実であるし、手拍子なども起こりにくい。これはどうしようもないことだろう。
8時くらいに「今は6回裏くらいかな」というMCが入って、その曲が終わったところで初めて小田和正は休憩である。
そして、ステージから姿を消している間、「ご当地紀行」と銘打って、このツアーで訪れた各地で撮影したビデオが次々と映し出される。
なるほど、こうやって時間を埋めるのねと思ったことだった。
後半の始まりは、流石に耳慣れたアップテンポな曲を並べてきた。
ミーハーと言われようと、やはり「ラブストーリーは突然に」が流れてきたときには鳥肌が立つようだったし、泣きたい気持ちになった。
歌の力、声の力というのは恐ろしい。あとは、記憶の力かも。
自転車でしたたかに腰を打ったと告白しつつ、自転車に乗り片手にマイクを持って歌いつつ場内を一周する。
スタッフが10人近く一緒に周り、転倒しないように、客席からの乱入がないように細心の注意を払っている。
後半は本当に「畳みかける」という感じで曲が続き、タイトルは知らないけれどメロディーに聞き覚えのある歌が何だか懐かしかった。
歌っているときの声は確実に届くのだけれど、MCのしゃべっている声はぼそぼそっとなって聞こえないときも多い。コアじゃないファンの希望としては、電光掲示板で歌詞だけでなくタイトルも示してくれると嬉しい。
コンサートの最後は、「いつもこの曲で終わっている」という、「今日も どこかで」だった。
このコンサートツアーのタイトルにもなっている。
この頃にはもう、足をひきずっていて、段差のあるところでは「よいしょっ」とか「えいやっ」とかのかけ声が聞こえてきそうな感じで上り下りしていた。
それでもアンコールを呼ぶファンってどうなのよ、という感じがしなくもない。
でも、当の小田和正本人は「申し訳なくて」「できる限りのことはさせてもらいます」と、ギター1本で予定外のアンコール曲を歌ったり(画面に歌詞が出なかったので「用意していなかった曲なのだな」と判った)、3回くらいはアンコールに応えて出てきただろうか。
ここは出資者に敬意を払わねばとアンコールの最後まで堪能し、3時間30分近い時間を楽しんだ。
意外と知っている曲が少なかったのだけれど、それでも意外なくらい楽しめた。
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