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2009.01.01

「2008年の5本」を選ぶ

 2009年の年頭に当たって、私の「2008年の5本」を選んだ。
 2008年に見たお芝居は62本(「キル」は2回見ているので、63回)だ。
 確か、去年の今頃は「もう少し観劇本数を絞ろう」と思った筈だったのだけれど、2007年よりも2008年の方が観劇本数が増えている。
 そのせいか、今回は5本を選ぶのにかなり迷ってしまった。

「二人の約束」@パルコ劇場 2008.2.9観劇
 2008年は私的に段田安則の年だったのだけれど、中で1本を選ぶとしたらこのお芝居である。
 中井貴一と段田安則とりょうの三人芝居だったのだけれど、男優2人が役を交換したとしてもこのお芝居は普通に何の違和感もなく成立するんじゃないか、いっそのこと日替わりで役を交替して演じてくれないかななどと、阿呆な妄想が浮かんでしまったくらい楽しかったし、りょうが演じていたメグミと舞台には登場しないジュンコちゃんがとてもとても羨ましかった。
 気持ちの良い、たぷたぷと浮かんでいるような、私にだっていいことがあるさと思える、そんなお芝居だった。

「岡本でございます!」Orega Challenge Vol.2@シアタートップス 2008.3.15観劇
 「2008年に見たお芝居」と考え始めたときに、何故か一番最初に頭に思い浮かんだお芝居である。
 理由はさっぱり判らなかったのだけれど、当時書いた感想を見たら、「何故だか判らないのだけれど、このお芝居、後半は泣けて泣けて仕方がなかった。特に悲しいことはないと思う。岡本の人柄にそれぞれが「何か」を見いだして運動員は再結集するのだけれど、そこに、涙を誘うような物語もいかにもな展開もない。それでも、何故だか、泣けて泣けて仕方がなかったのが、泣きながら自分でも謎だった。」と書いてあった。
 泣けるお芝居だったことも覚えていなかったのだけれど、でもやはり印象に残るお芝居だった。

「表と裏と、その向こう」イキウメ@紀伊國屋ホール 2008.7.5観劇
 このお芝居では、「時間」や「生と死」について、登場人物達が、いっそ清々しいくらいに真っ向勝負で語ろうとし、そして、それ以上に「運命」という言葉をやっきになって否定しようとしているように見える。
 張り巡らした伏線が次第にからまり収斂していく舞台はカタルシスが味わえて好きなのだけれど、このお芝居はそこを目指していると見せかけて、謎が謎を呼び謎のままで放り出された気分になったところで終わってしまい、消化不良過ぎる。
 でも、このお芝居は「カタルシスを与える」ことが目的地ではなかったのだろうなという風にも思ったし、次回公演も見てみたいと思ったから、かなり「やられた」ということだろうと思う。

「通し狂言 仮名手本忠臣蔵 十月大歌舞伎@平成中村座 2008.10.9観劇
 まずは、Aプログラム(大序、三段目、四段目)4時間、Bプログラム(五段目、六段目、七段目、十一段目)4時間15分の2本を1日で見た自分を褒めてあげたい。
 勘三郎の浅野内匠頭はウソのように若々しくて、片岡孝太郎の阿久里が姉さん女房に見えたくらいである。そして、この二人の歌舞伎役者が8時間を超えるこのお芝居の中で同時に舞台に立つのは、堂々と恰幅の良い重鎮という雰囲気が漂う仁左衛門の大石内蔵助が、内匠頭が切腹すべく刀を自らの腹につき立ててから絶命するまでの本当にわずかな時間に寄り添うシーンだけというのが、本当に何とも勿体なく贅沢な話だと思った。

「ラ・カージュ・オ・フォール~籠の中の道化たち~」@日生劇場 2008.12.13観劇
 「ラ・カージュ・オ・フォール」というのは、このミュージカルのタイトルであると同時に、ミュージカルの主な舞台となるゲイクラブの店名でもある。
 歌ったり踊ったり足を上げたりドレスを次々と替えたり、とにかくこの劇中劇ともいうべきゲイクラブにおけるショーのシーンがもう、綺麗だし見応えがあるし可笑しいし楽しいし、とにかく飽きさせない。
 本当に楽しいミュージカルだったし、ミュージカルって楽しいと満足のゆく舞台だった。

 ここに挙げた5本以外で特に迷ったお芝居はこんな感じである。

「夢のひと」@サンシャイン劇場 2008.1.12観劇
「チェーホフ短編集〜マイケル・フレイン翻案「くしゃみ」より〜」@あうるすぽっと 2008.2.2観劇
「わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-」@シアターコクーン 2008.5.10観劇
「阿片と拳銃」劇団M.O.P.@紀伊國屋ホール 2008.8.9観劇
「闇に咲く花」こまつ座@紀伊國屋サザンシアター 2008.8.23観劇
「僕の大好きなペリクリーズ」成井豊の世界名作劇場@中野ザ・ポケット 2008.9.14観劇
「ベントラー・ベントラー・ベントラー」Piper@全労済スペースゼロ 2008.10.13観劇
「喜劇 俺たちに品格はない」伊東四朗一座 ~帰ってきた座長奮闘公演~@本多劇場 2007.10.27観劇

 今年もたくさんの楽しいお芝居を見られますように!

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コメント

 逆巻く風さま、コメントありがとうございます。

 ADSLモデムが不調になったりしてしまい、お返事が遅くなってしまいました。申し訳ありません。

 Orega challengeは、私は西村雅彦さんのプロデュースユニットのようなものだと思っていましたが、正確なところは知りません。ごめんなさい。
 でも、お芝居も「出会いもの」なので、興味を持たれたのならご覧になってみてはいかがでしょう。
 (って、書いているのが遅すぎですね、きっと。)

 またどうぞ遊びにいらしてくださいませ。

投稿: 姫林檎 | 2009.07.04 10:59

さすがに多く観ていられますね。
「二人の約束」は観ました。あー、なるほどね・・・でも別に舞台でなくてもよいのでは?と感じました。
「Orega challenge」って知らないんですが、何なんでしょうか?先日見つけて日程的にVol3を観ようか迷っているんですが・・・

後は1、2本観てみたかったけれど観られなかったのがありますが、その他は全然知りません。芝居又は舞台、ミュージカルって多いんですね。

投稿: 逆巻く風 | 2009.06.27 21:13

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