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2009.02.15

「珠響~たまゆら~」を聴く

「珠響~たまゆら~」
出演 村治佳織/稲本響/藤原道山/英哲 風雲の会
    亀井広忠/田中傳左衛門/田中傳次郎/野村萬斎
    一噌幸弘/武田双雲/市川慎
曲目 オープニング 武田双雲(書)/市川慎(箏)
    三響會
     「三番叟」三響會/野村萬斎/一噌幸弘
    藤原道山
     藤原道山「光」
     沢井忠夫/市川慎「上弦の曲」
    英哲 風雲の会
     林英哲「七星」
      休憩
    稲本響
     稲本響「イキガミの旋律」
     稲本響「桜の眠り」
     稲本響/江口心一/MaL「虚数・実数・複素数」
     稲本響/江口心一/MaL「Opus 0」
    村治佳織
     村治佳織「カデンツァ」ヴィラ・ロボス
     村治佳織/ヴォクスマーナ「5つの前奏曲より 第4番ホ短調」ヴィラ・ロボス
     村治佳織/ヴォクスマーナ
        「ブラジル風バッハ第5番 アリア(カンティレーナ)」ヴィラ・ロボス
     村治佳織/ヴォクスマーナ「ダッタン人の踊り」ボロディン
     村治佳織/ヴォクスマーナ「カノン」パッヘルベル
     村治佳織/ヴォクスマーナ「ア・ネグリート・デ・ククルンベ」G・フェルナンデス
    フィナーレ
     稲本響/村治佳織「スペシャル・セッション」
公演日 2009年2月15日(日曜日)午後3時開演
場所 サントリーホール 2階8列15番
料金 7000円
公演時間 2時間40分(15分の休憩あり)

 パンフレットが1000円で販売されていて迷ったのだけれど購入しなかった。
 前回は増上寺で行ったそうで、そちらも聴きたかったなと思う。音響などなどが大変だったからサントリーホールに変えたのだろうとも思うのだけれど、やっぱり雰囲気は重要である。

 感想は以下に。

 間違いなくその分野で一流の方々が集まったセッションというかコンサートだと思う。
 その分、「この人には興味があるけれど、この人には興味がない」という観客も多かったようだ。私の隣の席にいた方々は、どうも最初に登場した「書」に興味を持っている方々だったらしく、その他の時間はほとんど寝ていて、いびきすら聞こえてきた。
 こういうのはどうかという気がする。

 もちろん、それは演奏する側の問題では全くない(企画する側の問題ではある気がする)。
 コンサート自体はとても楽しかった。
 最後に村治佳織がMCで、それぞれの持ち時間をそれぞれがゲストを連れてきたりして演奏していて、これまで「珠響」のメンバー同士のセッションはなかったのだそうだ。今回のフィナーレの稲本響と村治佳織のセッションが初だというからちょっと驚いた。
 何て勿体ないことをしているんだろう。

 箏の音に乗せて「珠響」と「神々」と書が2枚書かれ、高く掲げられるところからスタートする。

 三番叟は、笛と鼓の音に負けていた野村萬斎の声が一瞬だけ大きく響いたときがあって、それがびっくりするくらい艶っぽい声だったのが印象に残っている。
 あと、後半、扇と鈴(恐らく正式名称が何かあると思う)を持って舞うのだけれど、鼓の音から半拍もないくらいに遅れて鳴る鈴が、音を響かせるためのテクニックなのか、呼吸が合っていなかったためなのか、気になってしまった。
 我ながら、物を知らないくせに意地の悪い見方である。

 藤原道山の尺八の音が何故だか懐かしく聞こえたのが不思議である。これまで尺八の音をこんなに長く単独で聴いたことはないはずなのだ。
 そして、市川慎との共演の後、2人が「もしかして初対面ですか?」と聞きたくなるくらいな感じで握手を交わしているのが何だか微笑ましい光景だった。

 英哲 風雲の会のデカすぎる和太鼓の競演は圧巻だった。
 大体、何よりも音が大きい。そして、客席に背を向けて大きな和太鼓を身体全体で叩いている5人が格好良すぎる。「凛とした」というのはこういうことを言うのね、と思う。

 15分の休憩の後は、ガラリと雰囲気が一変して稲本響が登場する。
 私はこの人のピアノを絶対に聴いたことがあると思ったら「TAP MAN × PIANO MAN × MOVIE MAN」で聴いていたのだった。
 意外なくらいMCが面白かった。「江口心一とMaLの2人が出てくると、何だか僕が脇役みたいで」と言って2人を恐縮させたり、特許庁に特許出願すると「発明家」と名乗っていい、自分はピアノ・ミュートを特許出願しているので肩書きは「ピアニスト、作曲家、発明家」になって怪しい、カタカナ名前ではなく日本語で特許出願しろと言われて「鍵盤楽器音色変換装置」で出願したので特許庁のWebサイトを見て見て欲しい、など。

 ミーハーな私が特許庁のWebサイトでで検索したところ、正しい「発明の名称」は「音色変更装置、及び、音色変更装置を備えたピアノ」だった。

 それはともかくとして、前半の2曲と後半の2曲とではガラリと趣が変わって、でもどちらもとても良かった。

 最後に登場した村治佳織は、真っ赤なドレスでの登場だった。
 実は彼女のギターを聴くのは初めてだったのだけれど、意外と端正な音ではないんだなというのが第一印象だった。何というか、もっと優等生風な感じだと勝手に思っていたのだ。
 コーラスグループとの共演だったこともあって、「村治佳織のギターを堪能した」という感じにならなかったのがちょっと残念である。

 そして、最後に稲本響と村治佳織、江口心一とMaLも加わってのセッションで締めくくられた。

 ところで、最後に出演者全員が舞台上に集まって、演者の紹介をしていたのだけれど、その紹介をしていた人は誰か(羽織袴だったし、三響會のどなたかだったと思う)というのと、江口心一の紹介が遅れたのは演出なのか忘れていて慌てたのかどちらなのか、ということが気になっている。

 なかなか楽しいコンサートだった。

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