「流れ姉妹~獣たちの夜~」を見る
真心一座 身も心も「流れ姉妹~獣たちの夜~」
作 千葉雅子
演出 河原雅彦
出演 高橋和也(三代目ゲストレイパー)/中村倫也(三代目ゲストラバー)
河原雅彦/千葉雅子/坂田聡/村岡希美
小林顕作/政岡泰志/伊達暁/信川清順
木野花(ゲストマザー)
ゲスト 粟根まこと
観劇日 2009年2月20日(金曜日)午後7時30分開演
劇場 本多劇場 O列21番
料金 6000円
上演時間 2時間25分
開演時間ぎりぎりに走り込んだので、パンフレットやTシャツ、手ぬぐいなどが売られているのを横目では見たのだけれど、お値段等々はチェックしそびれてしまった。
ネタバレありの感想は以下に。
開演時間ぎりぎりで駆け込んだということで、私の側のコンディションはかなり悪い方だった。
でも、いかにも昔の大型トラックに描いてあったような「昭和の絵」が舞台上部に飾られていたり、昭和のちょっと古い時代のメロドラマのような音楽が流れていたり、相変わらずの「流れ姉妹」の世界を楽しめた。
フラッシュダンスのイントロが流れたときに、映画ではなく「スチュワーデス物語」を思い浮かべたのがその証拠である。ただし、「スチュワーデス物語」のテーマだったときとは違う日本語歌詞が当てられていた。
前2作は、お芝居が始まった当初は姉妹2人別々の場所にいたと思うのだけれど、今回は一緒に電車を待つシーンからスタートである。
それでも、あっという間に2人は不可抗力ともいえない理由で別れ別れになり、それぞれが「男」と出会うのもまた一緒である。
千葉雅子演じる姉のたつこは常に「ゲストラバー」と出会い、村岡希美演じる妹のかつこは常に「ゲストレイパー」と出会う。
卵が先か鶏が先かみたいな話になるけれど、たつこは「幸せを拒否する女」で、かつこは「幸せを求める女」に見える。
どちらにしても、「幸せになる女」ではないところが、この2人が流れることになる理由なんだろうとは思う。
第3章の最大の特色は、2人で(正確にはたつこが)殺した母から連絡があり、木野花演じる母が登場するところである。
何故か「すみえ」さんという、普通の名前であるところが可笑しい。
高橋和也(三代目ゲストレイパー)と中村倫也(三代目ゲストラバー)の2人も対照的でなかなか楽しい。
高橋和也演じる牧場主はそれらしいし、中村倫也演じる裏社会で何故かボスを張っている男の子(20歳という設定だった)も、可愛い男の子とボスとを使い分けている感じが判りやすすぎて楽しい。
見ていて、ラストシーンの想像がついて、キャラはそれぞれお約束通りの行動を取るというのは、なんて安心なことなんだろうと思う。
そこで安心できたら、あとは、舞台の「ハレ」な感じと、ゲストガヤである粟根まことの細かなギャグを楽しんでいればいい。
今回の大逆転は、2人の母親がニセモノだったというところである。
最初はたつこもかつこも騙されていたのだから、相当にソックリだったはずである。一体何のためにそこまでするのか、もちろんその謎は「次回を刮目して待て!」である。
河原雅彦演じるかつこの保護司は相変わらず怪しくて、たつこがずっと持ち歩いていた茶封筒を手に入れて「これからは僕の筋書きどおりに動く」とかと怪しすぎる一言を残してスポットライトとともに消えるし、その茶封筒を持っていた坂田聡えんじるかつこの刑務所時代の刑務官は、刑務所時代の上司に刺されて倒れてしまった。
保護司はまあ何でも知っている風でこれから物語をかき回すだろうからいいとして、死んでしまったように見える休職中の刑務官はどうなるのだろう? 恐らく、しぶとく生き残っているのだとは思うのだけれど。
お約束なのにはまってしまう。
「水戸黄門」のようなお芝居である。
そして、どんどん物語も出演者も拡大しているところが楽しい。
次回の第4章が楽しみである。
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