「アニー」を見る
丸美屋食品ミュージカル「アニー」
演出 ジョエル・ビショッフ
出演 スマイル組
飯塚萌木/浅井毬花/堀田夏菜/石井日菜
工藤万実/中原詩乃/宇田千夏/満薗梨奈
目黒祐樹/麻倉未稀/岩崎良美/水谷あつし/太田彩乃ほか
観劇日 2009年5月3日(日曜日)午前11時30分開演
劇場 青山劇場 P列30番
料金 8000円
上演時間 3時間(15分の休憩あり)
開場後20分くらいたったところで劇場前に到着したのだけれど、何故か劇場に入るための結構長い行列ができていて驚いた。
ロビーではパンフレット(2000円)ほか、アニーグッズが販売されていた。
知り合いのお姉さんの職場の先輩のお嬢さんが出演しているというご縁でチケットを取っていただいて見に行った。
子どもの頃に多分映画で見て以来の「アニー」である。
多分、「子ども向け」というイメージがあって、自分でチケットを取って見に行くことはなかったと思うので、声をかけていただいたことに感謝である。
面白かった。
毎夏上演されているし、メーキングのドキュメンタリーもテレビで放映される。ストーリーは覚えているし知っているつもりだったのだけれど、すっかり忘れていたのには我ながら驚いた。
そして、アニーの赤いワンピースにくるくるの髪の毛という格好が、実は最後のシーンでだけしか披露されないことにも驚く。ワンピースはともかく、髪型は最初からずっと同じだと思っていたのに、「おめかし」するまでのアニーの髪はストレートなのだ。
そして、私の記憶では、もっと孤児院でのシーンが多くて、子ども達だけのシーンも多かったように改変されていたのだけれど、これが実は意外と少ない。
アニーは割とあっさりと孤児院から脱走し、割とあっさりと捕まり、捕まって帰ったところで、割とあっさりと大富豪のウォーバックス氏の家でクリスマス休暇を過ごすことになる。
いいのか、こんなに簡単で。
しかも、ウォーバックス氏はものすごーく偏屈なじいさんだと思っていたのだけれど、これがまた最初から割と物分かりのいい、子ども思いの大人だったりしている。
それは確かに大金持ちで守銭奴なのかも知れないけれど、だからといって嫌な奴という感じではない。屋敷で働く人々にも好かれているようである。
偏屈な大人の心をアニーが前向きに変えて行くというストーリーではなかったらしい。
このアニー役の女の子がそれにしても上手い。
やっぱりミュージカル女優は声よ! と言いたくなる。歌声がとても綺麗に伸びる。
ドキュメンタリーを見ていたお姉さんは「彼女はやっぱり最初から他の子とは違っていた」と言う。
そして、知り合いのお嬢さんやアニー役の女の子ががんばっているところを見て、特に一幕はずっと泣きっぱなしだったそうだ。
ストーリーとしては、記憶よりもアニーは苛められていないし、孤児院でのシーンはそれほど長くないし、「哀しい」要素はあまりない。
ブロードウエイにアニーがミュージカルを見に行ったという設定で、かなり長くタップダンスのシーンが入る。センターでタップを踏む大人の周りで子どもが混じったタップダンサーが見事に揃ったタップを踏んでいて、私などは「このシーン、ストーリーに関係ないよなぁ。こんなシーンあったっけなぁ」などと思っていたのだけれど、お姉さんは、その背後にある鍛錬を思ってまたもや涙だったのだそうだ。
この辺りが、実際にダンスや日舞をやっているお姉さんと、見る方専門の私との視線の違いなんだろう。
15分の休憩を挟んで、後半、アニーを陥れようというミス・ハニガン姉弟の陰謀が進む。
アニーの両親を捜すためにFBIを動かしたり、合衆国大統領が出てきたり、話はどんどん荒唐無稽になって行くわけだけれど、それも「わかりやすさ」のためだと思えば苦笑を浮かべて聞き流せる。
ウォーバックス氏の個人秘書である岩崎良美演じるミス・ファレルの上品なたたずまいと物腰がなかなかいい感じである。
これまた麻倉美希演じるミス・ハニガンとの対比を「分かりやすく」するためなのだろうけれど、ダンスが微妙に適当なのも上品さの為せる業だと思って許せる。
ウォーバックス氏にプルポーズされたときにやけに簡単にOKしたことを除けば、概ね納得できる。
ハッピーエンドで終わることはそれこそお約束で、それでもやっぱる「アニー、危うし」というシーンではどきどきしたし、このミュージカルが毎年上演され、アニー役のオーディションに何千人と集まるというのも納得の楽しいミュージカルだった。
ある意味、古典の領域に入りつつあると思う。
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