「春のゴンチチ」
演奏 ゴンチチ
公演日 2010年3月14日(日曜日)午後5時開演
場所 浜離宮朝日ホール 1階13列9番
料金 6500円
ゴンチチのお二方だけがステージ上にいて、ゲストもなし、というシンプルなコンサートだった。
ほぼ満席といっていいだろう。
ステージ上には、ゴンチチの2人だけしかいない。
ギターが3本ずつとウクレレ(休憩後のゴンザレス三上の側にはソプラノギター)が1本ずつ並べてある。じーっと見ていたところ、2人ともウクレレは使ったけれど、ギターは並んだ3本のうち2本しか使っていなかったような気がする。ということは、3本目は装飾というかバランスのために並べてあったのだろうか。
照明はかなり使っていたけれど(そんなに色を使わなくてもいいんじゃないかという気もした)、他には何もない。
2人は同じ白いスーツ(細いストライプが入っている)、赤いネクタイにピンク系のシャツに見えたけど、ダブルのスーツでシャツがほとんど見えなかったので、もしかすると全然違っていたかも知れない。
この白いスーツがちょっと意外だったけど、でも、意外なくらい嫌味にならずに似合っていた。
ロビーでは、Tシャツやタンブラーといったグッズや、CDが販売されていた。
このコンサートは、特に最新のCDからという構成ではなかったので、CD売場に一番たくさん置かれていたのは、ゴンザレス三上が新たに結成したというユニット(名前を聞いたけど忘れてしまった。パーカッショニストと2人のユニットだったと思う)のデビューCDだった。
グッズを購入した人は、終演後のサイン会に参加できるという特典付きで、ちょっと迷ったけれど購入しなかった。
1曲目の演奏中に、地震があった。
最初は気のせいかと思ったのだけれど、結構長く続き、客席もざわめいたので、やっぱり地震なんだと判った。
しかし、ステージ上の2人は全く変わりがない。
1曲目が終わったところでのMCでも全く地震に触れなかったから、多分、気がついていなかったのだと思う。その集中力に脱帽し、そして唖然とした。
「今回は、あまりコンサートで取り上げて来なかった曲、新しいアレンジを初めて披露する曲が多いです」というアナウンスが入る。
そう言われてちょっと緊張したけれど、でも、意外と私が知っている曲、聞き覚えのある曲が多くて嬉しかった。
でも、ゴンチチの音楽は、たとえ1回も聴いたことがない曲でも懐かしいし、違和感を覚えるなんていうこともないし、ゆったりと浸ることができるので、全く問題ない。
というよりも、「聴いたことがある」と私が思い込んでいるだけだった、という可能性もかなり高いと思う。
セットリストが配られず、ネット上でも発見できなかったのが残念である。
MCでの紹介で、「**というCDの1曲目と2曲目を続けてお聴きいただきました」という台詞が何回かあって、そういうコンセプトなのかしらと思っていたら、かなり後になってチチ松村が「今回、CDの1曲目が多いですね!」と言っていたので、狙ったわけではないらしい。
ゴンチチは今年が結成32年ということで、「だから、体力が続かないんですよ」と途中15分の休憩が入り、トータル2時間10分だった。
珍しいことに(という印象があるのだけれど、そもそも、それほどたくさんコンサートに行ったことがあるわけではない)、何曲かスタンダードナンバーの演奏もあった。
やはり、スカボロ・フェアはいい。
スタンダードナンバーをカバーしたアルバムがあるという話もしていたので、ぜひ買おうと決心した。
スカボロ・フェアといえば、スカボロ・フェアの他に、休憩後に、Snow Flower(これはオリジナル)、Sun Flower(これは映画「ひまわり」のテーマ)という曲が演奏されて、「SFが揃っている!」とチチ松村が驚いていたのが可笑しかった。
最初は、その驚きの意味が全く判っていなかったらしいゴンザレス三上が、突然腑に落ちたらしく「それは珍しい!」と興奮したのも可笑しかった。
ギターに詳しくない上に、ほとんど目をつぶって聴いていた私には判らなかったのだけれど、スカボロ・フェアの演奏中に、ゴンザレス三上がとても特別な(というか不思議なというか)テクニックを使ったらしい。
低音で弾むようなというか叩くような演奏法らしいのだけれど、チチ松村曰く「他にそういう演奏をする人を見たことがない」のだそうだ。ゴンザレス三上ご本人も「DVDとかで見てもどうやっているか判らない。気がつくとやっている」というような言い方をしていて、神懸かりみたいなものなのかしら、と思ってしまった。
気づけなかったことと、言われても判らなかったことと、両方悔しい。
それを確認するためにDVDを買ってしまうかも知れない、とちょっと自分を心配しているほどである。
今回のコンサートでは、私は「スタンダードナンバー」の曲が印象に残っていて、スカボロ・フェアと、My Favorite Thingsが双璧である。
演奏が終わると「肩が浮いてる」くらいらしいのだけれど、やっぱり激しい曲の方が、逆にゴンチチらしさが出るような気がする。
アンコールが3曲あって、終演である。
のんびりと気持ちよい2時間10分を過ごすことができた。
楽しかった。
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