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2010.05.06

映画「NINE」を見る

「NINE」
監督 ロブ・マーシャル
原案 アーサー・コピット
脚本 マイケル・トルキン/アンソニー・ミンゲラ
出演 ダニエル・ディ=ルイス/ペネロペ・クルス
    マリオン・コティヤール/ニコール・キッドマン
    ジュディ・デンチ/ソフィア・ローレン
    ケイド・ハドソン/ファーギー 外
配給 角川映画 松竹
「NINE」公式Webサイト

 2010年5月6日に、「NINE」を新宿ピカデリーで見てきた。
 一番小さなスクリーンでの上映だったけれど、思ったよりも観客が入っているのが意外だった。

 私は「NINEはミュージカル」と思っていて、フェリーニの「8 1/2」が元ネタ(という言い方で正しいのだろうか)になっているということも今さっき公式Webサイトを見に行って知ったくらいだった。
 というわけで、「ラ・カージュ・オ・フォール」や「ムーラン・ルージュ」みたいな映画を想像して出かけたら、いきなり苦悩する映画監督のシーンから始まったので驚いてしまった。
 ずーっと、ひたすら歌って踊るお気楽エンタテイメントな世界が展開されるのだとばかり思っていたので、「そういう映画ではない」と判るまでかなり時間がかかってしまった。

 お気楽極楽なエンタテイメント映画ではないと判った後も、「では、どういう映画なのか」ということは結局最後までよく判らないままになってしまった。
 もの凄く失礼な話だとは思うけれど、歌とダンスのシーンだけ集めて映画にしてくれ! と思ってしまったくらいだ。

 ダニエル・ディ=ルイス演じるダメダメな天才映画監督が、「イタリア」というタイトルしか決まっていない映画を撮ろうとしているのだけれど脚本は全く書けず、最初のシーンも浮かばず、苦悩の余り心臓が苦しいような気もし始め、妻に救いを求めて電話したくせに自分の居所を知らせないことで拒絶して愛人を呼び出す。
 それで、インスピレーションを得ようと努力しているようなのだけれど、どうにも上手く行かず、女たちには次々と愛想をつかされ、とうとうと言うべきか、やっとと言うべきか、映画の中止を決める。
 2年後、そのダメダメな監督は、戦友ともいうべき衣装係の女性の励まされ、再び映画の現場に戻る。
 そのときに撮っている映画の仮題が「NINE」である。

 ストーリーを簡単にまとめようとするとこうなる。
 どうしてこのストーリーがミュージカルになるのかといえば、彼が次々と女性に頼って甘えている間、彼の脳内では、目の前の女性をメインに据えたステージが展開されている、らしい。
 実はそういうことだったんじゃないかと思ったのは家に帰って来てからで、見ているときは、「どうしてこうシーンがこうぽんぽんと飛ぶんだ」「今の会話と、このダンスシーンとの関係は何なんだ」「自分の妻(元女優らしい)を起用してこういうシーンを撮ろうと妄想しているのかしら」などと考えていたのだから、本当に、どうしようもない。

 インスピレーションを得ようと次々と女性たちに甘えかかっているんだ、目の前にいる女性を見ているようで実は勝手に自分の妄想を押しつけているだけなんだ、という風に思うと、「9歳の頃の自分」がたびたび現れることにも納得がゆく。
 多分、彼のそういった人格を形成したのは、子供の頃に彼が見ていた「母親」だということなんだろう。

 ミュージカルとしては、「レ・ミゼラブル」型で、こういうストーリーだから当然といえば当然なのだろうけれど、次々と現れる女性たちが、ダメダメ映画監督のイメージの中で、一人で(バックダンサーを従えているときもあるけれど、でも、同格の誰かと一緒と言うことはない)歌い上げる、というシーンが繰り返される。
 そういうミュージカルは実はあまり好きではないのだけれど、でも、このミュージカル映画は意外なことに(と言っていいかどうかは判らないけれど)印象に残り、帰り道で口ずさみたくなるナンバーがいくつもあるのだ。

 面白かったというよりは難しかったし、歌と踊りのシーンをもっと大々的に入れてもらいたかったし、「判らなくっちゃ」という使命感に燃えてしまって楽しむどころではなかったのだけれど、でも、そういう意味では、私的にはちゃんと「ミュージカル」の標準ラインをクリアしている映画なのだった。

 元々は舞台らしいのだけれど、この映画の元となった舞台というのは一体どういう作りになっていたのだろう。
 映画化するに当たって「映画だからこそ」のシーンを増やしたり作りを替えたりはしているのだろうけれど、それにしてもどういう舞台だったのか、ぜひ見てみたいと思ったのだった。

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