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2010.11.16

映画「大奥」を見る

「大奥」
監督 金子文紀
原作 「大奥」よしながふみ
脚本 高橋ナツコ
出演者 二宮和也/柴咲コウ/堀北真希
    玉木宏(特別出演)/阿部サダヲ ほか
配給 松竹 アスミック・エース
「大奥」公式Webサイト

 2010年11月16日に、渋谷シネパレスで見てきた。
 10月1日公開で上映終了間近、平日の昼間に見たという条件はあるにしろ、私を入れて5人しか観客がいなかったのは寂しいことこの上ない。
 滅多に見ないのでよく判らないのだけれど、映画というのはそういうものなんだろうか。
 滅多に見ない映画を見たのは、知り合いのお姉さんに公開前から「見たい!」「一緒に見よう!」と声をかけていただいていて、お互いの都合がつかずに3人で見るのは諦めたのだけれど、何となく、映画館で見なくてはいけないような使命感が残っていたからだ。

 原作漫画も読んでいないので、「将軍は女、仕えるは美しき男たち三千人」という映画のキャッチコピーのとおりの内容だと思っていたら、まず、冒頭のシーンで出てから半分くらいの時間、芝崎コウ演じる将軍吉宗が出てこないのが物足りなかった。
 どうも、そもそもが将軍吉宗の話なのではなかったらしい。

 二宮和也演じる貧乏旗本の息子である水野と、堀北真希演じる大きな薬種問屋のお信との恋愛物映画だったのだと思った方がいいらしい。
 映画の前半は、若い男だけがかかる病気が蔓延し、男の数が女の数に比べてはるかに少なくなり、労働力のほとんどは女が担い、男はほとんど「「春を売る」だけの存在に成り下がりつつある、という状況の説明が行われる。

 元々の期待がそこにあったので、水野が大奥(当然のことながら、将軍は女であり、大奥の住人は全て男である)に上がった辺りから「よし、話が動き出したぞ」という気分になった。
 しかし、ぼーっと見てしまったのでよく判らないのだけれど、この設定はどことなく破綻しているように思うのだけれど、何故だろう。どこが破綻しているか指摘はできないのだけれど、何となく、大きな矛盾をはらんでいる世界設定のような気がして落ち着かない。

 吉宗が将軍になって以降、権謀術数に満ちた話が始まるんだろう、水野は大奥にいながら吉宗の懐刀のような存在になって財政再建に力を尽くすのだろう、と思っていたらとんでもない。
 そんなストーリーはどこにもない。
 水野の出世物語と、水野は殺されたと見せかけて町に降ろされ、お信との初恋を成就させる、というあらすじで、吉宗の話はサイドストーリーに過ぎないところが何とも物足りなかった。
 もっとも、これは、私の事前の思い込み(でも、キャッチコピーにも多少の責任はあると思う)のせいであって、映画の責任ではない。

 そういうわけなので、佐々木蔵之介演じる大奥総取締役藤波の腹黒そうな雰囲気とか、阿部サダヲ演じる杉下が全てを諦めた感じを漂わせつつも新入りの水野を庇うカッコ良さが印象に残った。

 できれば、吉宗や、和久井映見が演じる吉宗の懐刀である久通が活躍する(だろうと思われる)この続きを見たいけれど、続編制作の話は聞こえてこないので、原作漫画を読んでみようかなと思ったのだった。

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