「かもめ食堂」
監督 荻上直子
出演:小林聡美/片桐はいり/もたいまさこ/
ヤニッコ・ニエミ/タリア・マルクス/マルック・ペルトラ他
日本映画
2006年劇場公開
2011年のゴールデンウィークは特に出かける予定もなく、だったらおうちでDVDでも見ようかと思い、「かもめ食堂」を衝動買いしてしまった。
私にしては珍しく、この映画は確か、映画館で見ていると思う。
のんびりした空気が映画館の中にも流れて来るような感じだった。
片桐はいりの「私のマトカ」というエッセイ集もいい感じだった。
というわけで、「かもめ食堂」である。
「日本じゃなくてもいいかなと思って」ヘルシンキの街におにぎりがメインの食堂を出してしまうサチエや、目をつぶって世界地図を指さした先に帰国日も決めずに旅してしまうミドリや、ロストバゲージしたまま穏やかに日本語で毎日状況を航空会社に問い合わせるマサコも、私にはできないー、と思う。
「どうして初対面の私を?」と尋ねたミドリに「ガッチャマンの歌を全部知っている人に悪い人はいませんから」と答えるサチエの自然すぎる態度に、何だか嫉妬を覚えたくらいだ。
でも、この出会いが、かもめ食堂を軌道に乗せて行くのだから面白い。
この映画は、ストーリーを追うのではなく、サチエを追い、ミドリを見、マサコの声を聞き、かもめ食堂の佇まいを感じる。
それだけで十分に時間がゆっくりと流れているような気持ちになれる。
そういう映画だと思う。
ラストシーンも、ラストシーンなのに何だかこのまま新しいかもめ食堂の1日が始まるようで、かもめ食堂が今もヘルシンキの街のどこかにありそうで、続いて行く感じが好ましかった。
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