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2011.07.14

映画「プリンセス トヨトミ」を見る

「プリンセス トヨトミ」
監督 鈴木雅之
原作 万城目学
脚本 相沢友子
出演 堤真一/綾瀬はるか/岡田将生/中井貴一 ほか
配給 東宝
「プリンセス トヨトミ」公式Webサイト

 ネタバレありの感想は以下に。

 「ブラック・スワン」があまりにも緊張感高まる映画だったので、次はスカッとする映画をなるべく早く見に行こうという話になり、選ばれたのがこの「プリンセス トヨトミ」だった。
 私は原作を読んでいたけれど、一緒に行った職場のお姉さん達はまだ読んでいないと言っていた。

 ストーリーを知っていたということもあるのだけれど、安心して見ていられるっていいとしみじみした。スプラッタはないし、陰惨さもないし、深刻さも(多分)ない。
 のんびりスクリーンを見ていればいいのだ。

 でも、スカッとしたかと言われると、スカッとはしなかった気もする。
 原作を先に読んでしまっているので、決して原作も私は大好きではなかったのだけれど、それでも、おいおい、と思ったところが満載である。
 大体、堤真一演じる会計検査院調査官の部下2人の設定でどうして男女を入れ替えたのか。
 調査官2名の男女を入れ替えたことで、原作のラストにある旭と真田大輔クンとが語り合うシーンを入れられなくなってしまっている。この部分は、結構、ストーリーの根幹に関わる部分だと思う。この「男女を入れ替えた」ことは、物語の隅々まで影響を及ぼしていて、原作と映画とを全く違うものにしてしまっている、ような気がした。
 そして、原作が持っていた部分を捨てざるを得なかったのは何とも惜しいと思うのだ。

 もう一つ、原作と異なっていて気になったのは、大阪府庁玄関で松平と中井貴一演じる大阪国総理大臣真田とが対決しているシーンで、原作では真田が撃たれたのに映画では松平が撃たれたことだ。
 撃たれて病院に運ばれた松平は(ここで、大阪全停止なのにどうして病院に搬送できて、処置してもらえたのか、なんて言ってはいけないのだろう)、意識が回復すると真田に「会計検査は問題なかった」と告げる。
 これでは、どうして松平が当初は「問題あり」とした検査結果を翻したのか、全く訳が判らないではないか。というか、普通に考えれば「撃たれて身の安全を守ろうとした」ということになるのだろうけれど、明らかに映画の流れは違っている。でも、では何故かということは、語られていないような気がするのだ。

 あと、真田大輔の役回りとして、ラストで旭と語り合わなかったのは勿体ないし(ここで語り合うことで、「セーラー服を着る」という彼女の決心が物語に必要だったことが納得できるような気がする)、原作では大阪府庁で彼の一喝で群衆が真田(父)の話を聞く態勢になったのに、映画では群衆が暴発しかけるきっかけを彼が作ってしまっている。
 ここは絶対に前者でしょうと思うのだ。

 原作になくて映画に付け加えられた解釈は、大阪落城のシーンを何度か挿入し、秀頼の息子国松を見逃した武士を堤真一に演じさせ、「敵方だったけれど、国松の命を救った男」の子孫が松平調査官だった、と見せたところではないだろうか。

 こうやって原作との違いに一々引っかかって見ているのも我ながら勿体ないと思う。どちらかというと、映画はエンタメでのめり込むようにして見てスカッとしたいのだ。
 原作がある映画は、映画先、原作後の方がいいなと思うのはそのためだ。

 ちょっと勿体ないと思わせる映画だった。

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