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朗読劇「幻色江戸ごよみ」 Team申 番外公演II~今、僕らが出来ること~
原作 宮部みゆき
構成・演出 長部聡介
出演 佐々木蔵之介/市川亀治郎/佐藤隆太
ゲスト 仲村トオル
観劇日 2012年3月2日(金曜日)午後7時開演
劇場 パルコ劇場 Z列7番
上演時間 1時間55分
料金 5500円
色々あって事前に購入していた公演に行くことができず、でもどうしても行きたかったので、この公演の当日券を狙った。電話の段階ではキャンセル待ちで、10分前までにロビーに行き、チケットが用意できた順番に購入くださいというお話でかなりドキドキしたけれど、無事に見ることができた。よかった。
そういう次第で、開演前に客席に流されていた出演者陣のおしゃべり(と言っていいと思う)が聴けなかったのはちょっと残念である。
ロビーでは、宮部みゆきの江戸物の短編集の文庫や、Team申の過去公演のDVD、市川亀治郎の手ぬぐいなどが販売されていた。
舞台上には、落語の高座みたいといえばいいのか、出演者3人が座るのだろう座布団とお茶が置かれたところと、ゲストが座るのだろう同じく座布団とお茶が置かれたところが少し離れて置かれている。
透けるようなスクリーンが降り、その向こうに斜めに傾いだ格子戸がある。
まず仲村トオルが一人で登場し、どうしたことかと思ったら、「携帯電話・・・」と注意事項が始まった。「周りのお客さんとゲストの僕が」で詰まった後「残念な気持ちになりますので」と続けて上手いなぁと思った。この注意のためか、この日は携帯電話の着信音が鳴ることはなかった。
暗転し、明かりが入ったときには4人の俳優が登場していた。
全員、白いシャツに黒いパンツ、座布団があったのでてっきり正座するのかと思っていたのだけれど、そうではなくてそこに腰掛けていた。
茶色っぽい大きめのファイルを持っている。
最初の演目は「器量のぞみ」だ。バックに満月が浮かび上がり、その中にタイトルが暗く沈む。
公演によって読まれる短編が少しずつ変えられているらしい。
地の文を読む人、特定の人物の台詞を読む人、と読み分けられている。
「器量のぞみ」の場合は、地の文は佐藤隆太から途中で市川亀治郎に替わり、主人公のおのぶは一貫して佐々木蔵之介が演じ、仲村トオルはおのぶの父親と夫との二役だ。
「朗読」と言っても、やはり演じ手によってかなり違う。
佐藤隆太は淡々と読むよう心がけているように見える。そして、その淡々とした様が逆に笑いを誘っている。
市川亀治郎の語りは、落語風といえばいいのか、このまま一人芝居にも落語にもできそうな完成度だ。
佐々木蔵之介は終始一貫おのぶを演じていたせいもあるのか、自分が読んでいないときも「おのぶ」になっていて、地の文やらで「醜女」と言われようものならムッとした表情を見せる。
仲村トオルはゲストということもあるのか、終始リラックスした雰囲気だ。
朗読劇だからこその個性の出方表れ方なのかも知れない。
ちょっと気になったのは、佐藤隆太がずっと鼻をぐずぐず言わせていたことで、やはり朗読劇だからこそこうした余計な音はいただけない。薬を飲むなり何なりして、ちゃんと対策して欲しかったと思う。
休憩なしで僅かの時間の暗転後に、次の演目である「神無月」が始まった。
「幻色江戸ごよみ」の中でも一番好きな短編だったので嬉しい。そして、やはり登場人物が男だけということで、この短編は笑いの要素がほとんどないということもあって、落ち着く。
神無月は、毎年10月にしか押し込みをしない男が娘に心の中で話しかけているシーンと、その男を追っている岡っ引きが飲み屋の親父と話しているシーンとが交互に出てくる。
男と娘のシーンでは必ず同じ音楽をかけ、佐々木蔵之介が地の文と男の台詞との両方を読むことで、その「違い」を浮かび上がらせているところが憎い。
最後に読まれたのが「紙吹雪」である。
ここは「ぎん」という主人公の娘を市川亀治郎が演じていたのがやはり大きい。可憐な娘の声とちょっとしたところで出る仕草が見事だ。
そして、「神無月」では終始ずっと険しい表情で鋭い目つきをしていた佐々木蔵之介が、一転、柔らかい雰囲気で笑顔まで浮かべて地の文を読んでいたのが印象的だった。
最後の挨拶がちょっと腰くだけ風だったところも含めて、ほのぼのとした気持ちになれる、いい舞台を見た。
演目が変わるのなら、他の公演も見たかったなと思ったのだった。
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