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2012.04.25

「マチュピチュ「発見」100年 インカ帝国展」に行く

 今日(2012年4月25日)、国立科学博物館で2012年6月24日まで開催されている、「マチュピチュ「発見」100年 インカ帝国展」に行ってきた。

 なぜ仕事を休んでまで今日行ったのかというと、ズバリ、水曜日はレディースデーで女性は入場料1000円だったからだ。通常の当日券が1400円であることを考えると、これはお得である。
 しかし、美術館や博物館まで、いつの間にレディースデーを実施するようになったのだろう。私は今回が初めてである。

 ただし、15時前に到着したところ、入口には「大変混雑しています」の札が出ていたし、実際に入ってみても陳列ケースの前に三重くらいに人が群がっていた。400円を足してもう少し空いている日に行くべきだったか、迷うところである。
 それから、カメラは持って入場した方がいい。私は美術館等では身軽でいたいので今回もコインロッカーに荷物を預けてしまうのだけれど、会場の中で、毛織物等の制作過程を展示した部分と、十二角の石のレプリカを設置している部分と、その2カ所(だったと思う)は撮影可になっていた。たまたま今日はカメラをバッグに入れていたのに、コインロッカーに預けてしまっていた私はちょっと悔しい思いをした。

 このインカ帝国展は4部構成になっていて、「第1部 インカ:帝国の始まりとその本質」「第2部 インカ:帝国の統治」「第3部 滅びるインカ、よみがえるインカ」「第4部 マチュピチュへの旅」となっている。
 その他に、第2会場があって監修の方々のメッセージが流されていたり、キープを作ってみるコーナーがあったり、ミュージアムショップが置かれている。

 第1部で何度も繰り返されていたのは「八芒星」の図柄の貫頭衣や、「六芒星」の形をした武器(棍棒のようなもの)だった。インカ帝国独特の、あるいはインカ帝国の皇帝御用達の模様だったということなのか、たまたまこの展覧会に揃ってしまったのか、それは判らないのだけれど、とにかく繰り返される紋様が繰り返し現れていたのが印象に残った。
 そして、もう一つ繰り返されて印象に残ったのが「インカではペアでひとつ、ペアで完成形」というような思想があったということだった。そう言われて私が思い出したのは「パチャパパとパチャママで一組だったな」ということなのだけれど、会場ではケロと呼ばれるコップのようなものがあって、「2つで1組だけれど、これはその片方だけ」というように説明書きがあったのが面白かった。
 実際は、征服した国で、征服された統治者と2つ1組のケロで乾杯したというのだから、相当に政治的なシロモノである。

 ポスターにも使われている「小型女性人物像」も小さいけれど、だからこそ精巧で興味深かった。ちゃんと羽根飾りまでつけていて、ミイラと一緒に埋葬されたりしていたらしい。
 同じような「小型女性人物像」の組み立て前の姿もこの後の方に展示されていて、そちらと一緒に展示してくれればいいのにと思ったものだった。「組み立て後」の姿からはよく判らないのだけれど、格となっている人形はとても小さい(全長3cmくらい)のに、そこに布で服を着せたり羽根飾りを付けたりして全長20cmくらいの人形に仕立ててあるのだ。
 「本体はこんなに小さかったんだ・・・。」と後でしきりと感心することになった。

 第2部の白眉は何といってもミイラだと思う。
 人だかりがしているガラスケースがあって、そこだけ特別に説明の音声も流されている。何かと思っていたのだけれど、人だかりが少し引いたところで覗いてみたら、そこには5体のミイラが展示されていた。1体は布を被って顔に当たる場所に目鼻口の刺繍まで施されている。その他の4体は布は外されていわばむき出しの状態である。
 ミイラはエジプトのように人工的にあれこれ加工しているわけではないのだという。それでも、同じような姿勢を取っていたり、手に同じようなかけ方で糸(というかヒモ)がかけてあったり、何らかのルールに則って葬られていたことは間違いないらしい。

 眼球が残っているという少女のミイラもあって、何というか、切ない気持ちになった。
 解説の方は「彼女は最後に何を見たのだろう」という風に言っていたけれど、私は、今頃になってこんなに沢山の人に目を覗き込まれるとは思っていなかっただろうなと感じてしまった。
 ミイラについてなるほどと思ったのは、これらのミイラはコンドル湖のほとりで発見されたそうなのだけれど、その辺りに暮らしていた人々は元々はミイラを作る習慣は持っていなかったのだそうだ。「埋葬」という、生活に根ざしていて、宗教的な意味も強くて、なかなか変えることは難しいだろう習慣を変えさせるほど、インカ帝国の影響が大きかったのか、やり方が強行だったのか。
 私のインカ帝国のイメージは「征服した地の実情に合わせた統治を行った」(というか、任せきりにして一定の義務さえ果たせばオッケーとした)という感じだったので、ちょっと意外な話だった。

 第3部は、インカ帝国を滅ぼしたスペインのこと、滅ぼされた後で抵抗したインカ民族の人々のことが丁寧に説明されていた。
 ここは、実はあまり興味が湧かなかったのと、時間が押していたのですーっと通ってしまった。今にして思えば勿体ない話である。

 第4部では、マチュピチュで発掘された品もいくつか展示されていたけれど、ここは「マチュピチュへの旅」と銘打たれているけれどその本体は3Dスカイビューシアターにこそあったように思う。
 そもそも、このインカ帝国展はあまり展示品が多くないし、展示されているものも(私からすると)地味である。そこをその展示しているものの「意味」や「背景」を説明する映像を2〜3分ずつ流していて、それで立体的に判りやすく興味深くさせていたと思う。
 その最後にマチュピチュを3Dで空から見せましょう、という15分の映像を持ってくるというのは、まさに演出だと思う。

 その映像では、マチュピチュを離宮であるという風にも説明していて、最新の説はそこに落ち着いたのかしらという違和感が多少あったものの、行ったけれど見られなかった角度であちこちを見ることが出来るのはやはり楽しい。
 私はどうも3Dに弱いらしく、見ている間、自分の体が揺れるのを止められなかったのだけれど、逆に臨場感は自ら高めることができたかなと思う。この映像はなかなか楽しかった。

 第2会場では、このインカ帝国展を監修した考古学、人類学、歴史学の先生方がそれぞれの視点を語り、キープを作ってみる体験コーナーがあり、十二角の石のレプリカと写真撮影ができるコーナーがある。
 そして、ミュージアムショップも併設されていて、私は公式ガイドブック(1000円)を購入した。図説とは別に用意されたこのガイドブックはインカ帝国について簡明に判りやすく紹介していて、なかなか優れものだと思う。
 何だかんだで2時間弱、けっこう楽しんだ。

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