「ダンサ セレナータ」を見る
宝塚星組公演
ミュージカル・プレイ「ダンサ セレナータ」
作・演出 正塚晴彦
ショー・グルーヴ「Celebrity」-セレブリティ-
作・演出 稲葉太地
観劇日 2012年7月31日(火曜日)午後6時30分開演
劇場 東京宝塚劇場 2階3列37番
料金 8000円
上演時間 3時間(30分の休憩あり)
職場の友人に誘って(そしてチケットの手配までして)いただいて、多分、生涯4回目の宝塚である。
ネタバレありの感想は以下に。
前半はミュージカル・プレイ「ダンサ セレナータ」で、後半がショー・グルーヴ「Celebrity」−セレブリティ−という2部構成で、間に30分の休憩が入る。
この公演4度目の観劇となる友人は、実は「今イチかも」と思っていたらしいのだけれど、終演後は「今日が一番よかった。どんどんよくなってきている」と言っていた。宝塚は初日までにきっちり作り込んでくるというイメージだったのでちょっと驚いた。
いずれにしても、華やかでダンスがたっぷりで、私的にもかなり「宝塚」を満喫できる舞台だった。
「ダンサ セレナータ」は、植民地支配からの独立運動が今にも蜂起しようという時代背景を持ったミュージカルである。
何故かこの「植民地支配をしている国」が特定されておらず(もちろん、私が聞き逃した可能性もあるのだけれど)、「ここはどこ!」とつまらないことが気になってしまった。ヨーロッパで、植民地を持っていて、イギリスではなく、恐らくフランスでもない。フラメンコ風の振り付けがダンスに入っていたし、「ここ」はスペインという設定なんじゃないかというのが私の推測なのだけれど、どうだろう。
こうした時代背景の下、ダンスショーを見せるクラブが舞台である。
植民地からやってきて、友達の付き添いのつもりがオーディションを受けることになってダンサーとして採用された娘と、その娘を半ばスカウトする形で採用したクラブのトップダンサーとの恋物語、ということになるんだと思う。
ここに、ちょっと社会派っぽい味付けが必要なのかどうか、私としては疑問に思わなくもなかったのだけれど、「何か」がないと、悲恋とかすれ違いとか恋の障害とかを生じさせにくいという部分はあるかも知れない。
ちなみに、私たちより前にみた宝塚を昔から見ていらっしゃる大先輩は、見終わった後の開口一番で「秘密警察のくせに、仕事だから仕事だからって軟弱な言い訳をするんじゃない!」とおっしゃったそうだ。
気になるポイントというのは色々あるものである。
そして、一緒に見に行った友人たちに訴えてしまったのは、「衣装が一昔前の不良ドラマっぽい」ということだった。黄色とか紫とか、だぼだぼのシルエットとかが彷彿とさせたのだ。ちなみに、私のイメージする一昔前の不良ドラマというのは「ビー・バップ・ハイスクール」で、お二方から出てきたのは「サタデー・ナイト・フィーバー」と「ウエストサイド物語」だった。
いずれにしても、昔はギャングでも今はクラブのトップダンサーなんだから、もっとスマートな服で統一しても良かったのでは・・・、というのが超個人的かつ贅沢な私の希望である。
宝塚に詳しくない私にとって意外だったのが、このミュージカルは準主役が誰なのか見定めにくいということだった。
娘役は判りやすい。クラブの新旧トップダンサーが、娘役のトップと二番手なんだろうとすぐ判る。
けれど、男役の方は、この芝居の準主役はどの役だろうというのが非常に判りにくい。
ヒロインの兄なのか、トップダンサーと敵対する秘密警察の軍人なのか、クラブのバーテンダーなのか、何というか等分に振られている感じがある。
30分の休憩を挟んで、後半はショー・グルーヴ「Celebrity」−セレブリティ−である。このショー・グルーヴというのがどういう意味なのか、そういえば知らないのだけれど、歌と踊り満載、ちょっとストーリー付き、という感じだったと思う。
特にショーの前半のコミカルな味付けは、前半のミュージカルの後味を変えてくれたと思うし、前半のミュージカルでは「退団するって聞いたのに、こんなに出番が少ないなんて」と思った涼紫央のソロがたっぷり入っていたのも堪能した。
ラインダンスあり、大階段も結構使われていたし、大きな羽を背負ったのが2人だけだったのは寂しいけれど、私のイメージする「ザ・宝塚」という感じで、華やかで、とても楽しい。
カーテンコール一切なしというのも、相変わらず潔くていい感じである。
後半は映像が効果的に使われていて、うっかり、もしケラリーノ・サンドロヴィッチが宝塚を演出したら??? などと想像してみたりするのも楽しかった。
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