「めぐり会いは再び 2nd ～Star Bride～」を見る

宝塚星組公演
舞踊ファンタジー「宝塚ジャポニズム～序破急～」
作・演出　植田紳爾
ロマンティック・ミュージカル「めぐり会いは再び 2nd ～Star Bride～」
作・演出　小柳奈穂子
グランド・レビュー「Étoile de TAKARAZUKA（エトワール ド タカラヅカ）」
作・演出　藤井大介
観劇日　2013年1月24日（木曜日）午後1時30分開演
劇場　東京宝塚劇場　2階3列40番
料金　8500円
上演時間　3時間（30分、10分の休憩あり）

　職場の友人に誘って（そしてチケットの手配までして）いただいて、生涯5回目の宝塚である。

　ネタバレありの感想は以下に。

　宝塚歌劇の公式Webサイトはこちら。

　友人の話によると、この演目は、真ん中のミュージカル部分だけは別の作品にして台湾での公演が予定されているのだそうだ。ミュージカル部分（40分くらい）は、台湾のお話を元にした作品を上演するという。
　そう言われてみれば、そういう感じのラインアップである。
　最初に「和」をテーマにした踊りを見せ、最後に「TAKARAZUKA」を連呼して華やかなショーで盛り上げる。何というか、定番といえば定番、鉄板といえば鉄板という構成だと思う。

　3部構成というのも和ものというのも、それほどしょっちゅう行われる訳ではないそうだけれど、その両方が初めてではないし、ミュージカルについては「2nd」と付いていることからも判るように続編で、その前の作品も見ているのだから、5回目にしてちょっと「通」の気分に浸ってしまった。
　しかし、やっぱり宝塚といえば「ベルばら」を見なくては、という感じが強いのは仕方のないところである。

　最初の舞踊は、「さくらさくら」に始まって、お経といえばいいのか声明といえばいいのか、そういう部分が挟まって、最後に「荒城の月」で締めるという、ベタな選曲である。やはり、台湾で公演するということが念頭にあるのだろうなと思う。そうでなければできない、かなりベタな選曲だと思う。
　和ものとなると、日本舞踊が基本になるのだろうし、衣装の早替えなどもあって「おぉ！」と思ったりもするのだけれど、やはり「ダイナミック」という感じにはなりにくい。
　その変化をつけようと、お経（あるいは声明）のシーンはインドっぽい衣装になったり、あるいは殺陣を組み込んだりしているのだけれど、ちょっと全体のまとまりがない感じになってしまったように感じた。
　それならばいっそ、群舞の迫力に賭けるとか、音楽も三味線や尺八等々で攻めるとか、そちらを狙ってみても良かったんじゃないかと思った。

　「めぐり会いは再び 2nd ～Star Bride～」は僅かに40分の上演時間が全てだったと思う。
　「だから続編にしたんじゃないか」というのは一緒に行った方の見立てだったけれど、なるほど、である。背景やキャラクターを説明する時間を省こうと、続編ものにして、ひたすらストーリーを追いかけまくる40分である。一頃（といってもかなり前だけれど）流行ったジェットコースタードラマもかくやという怒濤の展開である。
　前作を見ていたし、舞台セットには見覚えもあったし、基本のストーリーは何となく覚えていたのだけれど、脇をかためている役のエピソードまでは覚えていなかった私には、時々、「どういうことだっけ？」というような展開が出てくる。
　退団したり他の組に移ったりした人が演じていた役は「今はここにいない」という設定にされ、新たに加わった人には新たな役が造形されていたのだそうで、その辺りも、「えーっと」と記憶を探ることが多くなった理由かも知れない。

　でも、何だかんだ言いつつも、一発逆転大団円を目指すラブコメの威力は大きくて、私は結構楽しんだ。
　主役2人の物語については、最初に「結婚式の余興の練習」として説明されるけれど、脇を固める人々のエピソードは流石に紹介されず、でも「みんな知っているもの」としてどんどん「その後」が語られて行くのに追いつくのはかなり厳しい。私のように記憶が曖昧な観客にとっては尚更である。
　「いえ、パンフレットを読み返して予習をしてきた方向けなんです」という割り切り方もあるとは思うけれど、あまりにも詰め込みすぎという印象もあるし、ここは主役2人の物語だけに潔く刈り込んでしまっても良かったんじゃないかと思った。

　それはともかく、とにかく最後の「Étoile de TAKARAZUKA（エトワール ド タカラヅカ）」が楽しい。
　タイトルに「タカラヅカ」と入っているだけあって、これぞ宝塚！ である。12星座それぞれを、歌や踊り、寸劇（といっていいのかよく判らないけれど）見せてくれる。衣装も豪華、12星座あるから見せ場もそれぞれにたっぷりあって、とにかく楽しい。
　ラストも、全員真っ白な衣装で、羽も羽の扇も全て真っ白。
　大階段も思う存分使ってくれて、私の中では、これぞタカラヅカ！
　最後の最後にバッと爆発させて終わる感じで、盛り上がった気分で帰途についた。