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2013.01.31

映画「レ・ミゼラブル」を見る

「レ・ミゼラブル」
監督 トム・フーバー
原作 ヴィクトル・ユゴー
作 アラン・ブーブリル & クロード=ミッシェル・シェーンベルク
脚本 ウィリアム・ニコルソン
出演 ヒュー・ジャックマン/ラッセル・クロウ
    アン・ハサウェイ/アマンダ・セイフライド
    エディ・レッドメイン/サシャ・バロン・コーエン
    ヘレナ・ボナム=カーター/サマンサ・バークス
    アーロン・トヴェイト 他

 ネタバレありの感想は以下に。

 以前に見た方から「ぜひ見て!」と勧められていたのだけれど、3時間の長丁場ということもあって迷っていた。ちょうどそこへ友人から「まだ見ていなかったらどう?」というお誘いがあり、渡りに船と行って来た。
 さて、この前に映画を見たのはいつだったろうと考えてみたけれど思い出せず、確認してみたところちょうど1年前くらいに見た「真珠の耳飾りの少女」以来だった。

 これくらい映画を見ないと、特に外国の俳優さんは全く顔と名前が一致しない。名前に引っ張られずに虚心に「役」として見られるというのはなかなかいいものである。
 例えば、ヒュー・ジャックマンが演じているジャン・バルジャン、ではなく、ただのジャン・バルジャンがそこにいる、歌っているという感じで見ることができるのは、お得な感じだ。もっとも彼の場合は、「今は一体いくつの設定なのかしら」「どうも老けて行っているというよりは、時が過ぎるに従って若返っているような気がする」などと余計なことを考えてしまった。
 もっとも、逆にあまりにモノを知らなさすぎて、ファンティーヌとコゼットはもしかして同じ女優さんが演じているのでは? などと、余計かつとんでもないことを考えたりしてしまうのは過ぎたるは及ばざるが如しを地で行っている。モノには程度というものがあるのだ。

 この映画はミュージカルを原作とするというスタンスなのだそうで、だとすると私は正しくその「原作」を見ている筈なのだけれど、前半はともかく、バリケードを築いた学生達が劣勢に追い込まれ、エポニーヌがマリウスを庇って死んでしまった辺りから後のストーリーを全く覚えておらず、本気でハラハラドキドキしてしまった。
 逆にいうと、その辺りまではほぼストーリーを覚えていたので、うんうん、この歌は覚えているぞ、という感じでどちらかというと楽しく見ていたように思う。
 「号泣した」と言われていたので、このまま最後まで楽しく見てしまったらどうしようと心密かに心配していたくらいである。

 ミュージカルでは、エポニーヌの「On my own」にぐっと来た記憶があるのだけれど、今回、私が最初にぐっときたのはガブローシュ少年の歌声だった。
 その後くらいから、ストーリーを覚えていなかった故に驚きの連続で、ジャベールが自殺することも全く記憶になかったので、何度も彼が「際」を歩いているシーンがあったにも関わらず全く予想していなくて、驚きといえば一番驚いたシーンだったと思う。
 正直に言うと、未だに、ジャベールが何故、自殺しなくてはならなかったのか、得心がいっている訳ではないような気がする。
 そもそも、ジャベールは不法非道なことをしていた訳ではないし、ジャン・バルジャンの台詞ではないけれど「職務に忠実」だっただけでとも言える。脱獄しようとしたジャン・バルジャンの罪を重くしたのもジャベールではないし、仮釈放されて指定期日に出頭しなかった囚人を逮捕するのも彼の任務のうちである。
 ジャン・バルジャンが彼に復讐しようという方がどちらかというと逆恨みであって、「逃がしてくれたこと」はともかく、「殺されなかったこと」をジャベールがそれほど重く受け止める必要はないのでは? などと考えてしまったのだ。

 映画の終盤はかなり涙してしまったのだけれど、それはジャン・バルジャンへの涙であって、若者2人にはどうも違和感を感じっぱなしだった。
 今となってはどこに違和感を感じていたのかすら覚えていないのだけれど、そもそも、マリウスが祖父の元に戻ったこと自体、釈然としない。革命は敗れた、仲間はほとんど亡くなってしまった、自分にはコゼットがいる、それでどうして、体制そのもののような、少なくともその庇護を受けて擁護もしているような祖父の元に戻るのか、彼の心情の変化が今ひとつ判らない。
 そして、そこで祖父の元に戻るマリウスをあっさりと受け入れているらしいコゼットもよく判らない。
 そもそも、相手のことを全く知らずにお互いに一目惚れした2人だから、「何を考えているのか」なんてことはどうでもいいということなのか。
 このコゼットを育ててきたことで救われた(らしい)ジャン・バルジャンなのに、そのコゼットがこんな考えなしそうなお嬢さんでいいのか。

 とにかく、コゼットとマリウスの2人には突っ込みたくてうずうずしてしまったけれど、それでも、歌の力なのか、単に「やられやすいところでやられた」のか、ジャン・バルジャンがコゼットの元を去って亡くなるラストシーンまで、ひたすら涙してしまった。
 見終わったら頭痛がしていたくらい集中して見て、そして何だかすっきりしていたのが我ながら不思議だった。

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