NHKスペシャル「ラストメッセージ 井上ひさし"最期の作品"」を見る
2013年5月4日の21時から放映されたNHKスペシャル「ラストメッセージ 井上ひさし"最期の作品"」を見た。
井上ひさしが最期に書こうとして果たせなかった、沖縄を描いた「木の上の軍隊」という戯曲を、こまつ座主宰の石川麻矢と演出家の栗山民也と劇作家の蓬莱竜太の3人がいかにして作り上げ、この春に上演したか、というドキュメンタリーである。
井上ひさしが生前残したメモ、交遊の中で語った言葉、これまでの戯曲作品、沖縄について集めた資料にはラインマーカーが-引かれている。
そういった「欠片」を集めて、辛抱強く根気強く、いわば死者からの声を聞こうと耳を澄ませつつ、戯曲が作り上げられていく過程が追われている。
井上ひさしの作品は、時代設定がいつであれ、最期は現代の人々に対するメッセージで終わっている、という栗山民也の言葉が印象的だった。
彼女と彼らが届けようと思っていたことと、私が受け取った(と思った)内容は、あまり重なっていない。
でも、私は私が見て受け取ったものでいいんだ、と思えた。
そして、同時に、蓬莱竜太が半ば背水の陣といった形で取り組んでいる姿を見て、「井上ひさし原案」に拘りすぎ捕らわれすぎて自分はこの舞台をみてしまったな、それは申し訳なかったなという風にも思ったのだった。
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