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2014.10.31

「チューリッヒ美術館展」に行く

 先日、国立新美術館で2014年12月15日まで開催されているチューリッヒ美術館展に行って来た。
 母が知り合いの方からチケットをいただいたということで、ご相伴にあずかったのだ。有り難い。

 途中まで気がついていなかったのだけれど、この絵画展は「**派の部屋」「**(画家)の部屋」と交互に配置されている。
 そこでフューチャーされている画家は、さすがは「チューリッヒ美術館」ということで、スイスの画家が多かった印象だ。セガンティーニ、ホドラー、クレー、ジャコメッティらだ。
 このうち前から知っていたのはクレーだけで、そうなると「74点すべてが代表作」という売り文句の美術展ではあるけれど、印象としては地味になる。

 だからなのか、平日とはいえ、意外と空いていたことに驚いた。
 とりあえず、行列はしていないし、一番前で絵を見ることも、2〜3m離れたところから絵全体を眺めることも(少し待ったりはするけれど)可能である。
 椅子もちらほらと空いている。
 かといって寂しいという感じではなくて、ほどよい人の入り方だったと思う。

 ところで、美術展は大抵、部屋の入口や、コーナーの変わり目に全体の説明が書いてあることが多い。
 このチューリッヒ美術館展は、この説明が何だか難しかった。私の国語力の問題なのかも知れないけれど、「うーん、何を言っているんだか判らないや」という感じで後の方ではついつい斜め読みになってしまった。
 そして、その部屋に展示されている絵の関係性も説明してあるのだけれど、自慢じゃないけれど、それらの絵に辿り着く頃には説明板の内容なんて忘れているのだ。
 何とかもう少し素人にも判りやすく楽しく絵を見る方法を提案して貰えないものだろうか。

 それはそれとして、やっぱり、楽しめる美術展だったことは間違いない。
 2つめの部屋にでーんと飾られた、モネの横6mという対策の「睡蓮の池 夕暮れ」という作品は、どこに睡蓮があるんだか判らないよと思うのだけれど、やっぱりインパクトがあるのだ。
 水面だけを見つめ続けて、そこに映っているものだけをキャンバスに写し取りました、という感じだ。
 そう言われれば、睡蓮かどうかは判らないのだけれど、水面がゆらゆら揺れ光っている感じに見えてくるから不思議である。

 ゴッホの絵も2点あって、片方は暗褐色の画面にすっと立葵が描かれている、潔いといえば潔い、お花の絵なのに何故こんなにも瑞々しさがないんだろうと不思議になるような絵だ。
 もう1点が、母が「可愛い」と絶賛していた「サント=マリーの白い小屋」という絵である。
 ゴッホの黄色とゴッホの青が画面を二分し、でも一番目立っているのはもちろん「白い小屋」だ。
 絵のサイズも小さくて、こじんまりとまとまり、でも明るい光を放っているという感じの絵だった。

 絵の保護のためだと思うのだけれど、この美術展でも相当に照明を落としてあったようで、説明に「明るい色彩が」と書かれていても「全然明るくないと思う」と言いたくなることが多かった。
 その中で間違いなく、明るい色彩を放っていた絵だ。

 ピカソの「大きな裸婦」という絵も印象に残っている。
 「裸のマハ」を題材に描いたということで、確かに構図は似ている、と思う。
 カウチに寝そべって、頭の後ろで腕を組んで、顔が右足が左に描かれ、顔はこちらの正面を向いている。
 ピカソはそれを、青と緑という冷たい色で描き、しかし、女性の身体はより大きくというのか豊満にというのか、でっぷりと描かれている。
 あら、こうなっちゃうのね、という感じだ。
 ゴヤの絵のモデルになった女性は、絶対この絵は許さないよね、と阿呆なことを思ったりした。

 クレーの絵も4点集められていて、中でも、「スーパーチェス」という絵が目立っていた。
 大体、大きかったのだ。
 でも、私の好みのクレーの絵は、どちらかというと厚く絵の具を塗り重ねたキャンバスをひっかくように描かれた絵だ。ベースが赤だったので、余計に何だか懐かしいような気がした。
 それも小品の方が何だか落ち着くような気がする。

 モンドリアンの「赤、青、黄のあるコンポジション」という絵は、正しく代表作という絵だと思う。
 モンドリアンと言えばこの絵、オランダに行ったときに、これに似た絵を見たような気がするぞ、その絵を見ているミッフィーが手前に描かれたブルーナの絵はがきも買ったぞ、と古いことを思い出したりした。
 線でキャンバスを区切り、適当にできた四角に三原色を1つずつ塗っただけといえばそれだけなのだけれど、「実は線の太さもそれぞれ違うのです」などと説明されると、確かにそうねー、と頷かざるを得ないのだ。
 でも、適当に、計算ではなくココロの赴くままに線の位置も幅も決めましたって言ってくれれば楽しいのになぁと思う。

 シャガールファンの私としては、シャガールのお部屋があって、6点が展示されていたのも嬉しい。
 ついでに、シャガールが出てくると、この美術展もそろそろ終盤ねという雰囲気になる。
 牛が出てきたり愛がテーマだったりの、「いつものシャガール」に再会できたのも嬉しいけれど、今回は「窓から見えるブレア島」という絵が気に入った。
 窓枠があって、そこから緑色の島の海岸線が見えているという、「いかにもありがちな観光地」という感じの場所を描いているのだけれど、これが、ゴッホの「サント=マリーの白い小屋」に負けないくらいに明るい。
 穏やかだなぁ、という絵が何だか少ない感じのするこの美術展で、ほっとできる一枚だったと思う。

 これだけの美術展なのに、意外とミュージアムショップが地味だった。
 もっと派手に展開しているのかと思っていたので、意外と狭い、そして、意外と混雑していない、と思った。

 空間を贅沢に使った、落ち着けるいい美術展だった。

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2014.10.26

710000アクセス達成!

 今日(2014年10月26日)の早い内に、どなたかが710000アクセス目を踏んでくださった。
 この間の経過は以下のとおりである。

 開始 2005年1月8日
 10000アクセス 2005年5月17日
 50000アクセス 2006年7月23日
100000アクセス 2008年1月20日
150000アクセス 2009年3月10日
200000アクセス 2010年4月26日
250000アクセス 2011年2月6日
300000アクセス 2011年10月25日
350000アクセス 2012年6月12日
400000アクセス 2012年12月6日
450000アクセス 2013年4月28日
500000アクセス 2013年9月11日
550000アクセス 2013年12月8日
600000アクセス 2014年3月20日
650000アクセス 2014年6月20日

660000アクセス 2014年7月11日
670000アクセス 2014年7月31日
680000アクセス 2014年8月16日
690000アクセス 2014年9月8日
700000アクセス 2014年9月29日

710000アクセス 2014年10月26日

 少しペースが落ち着いて来た感じだ。

 このブログにお越しいただきましてありがとうございます。
 今後ともよろしくお願いいたします。

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2014.10.25

「ジュリアス・シーザー」を見る

彩の国シェイクスピア・シリーズ第29弾「ジュリアス・シーザー」
作 W.シェイクスピア
翻訳 松岡和子
演出 蜷川幸雄
出演 阿部寛/藤原竜也/横田栄司/吉田鋼太郎
    中川安奈/たかお鷹/青山達三/山本道子
    原康義/大石継太/丸山智己/廣田高志
    間宮啓行/星智也/松尾敏伸/岡田正
    二反田雅澄/飯田邦博/新川將人/澤魁士
    五味良介/水谷悟/斎藤慎平/手打隆盛
観劇日 2014年10月24日(金曜日)午後6時30分開演
劇場 彩の国さいたま芸術劇場 2階V列20番
上演時間 3時間20分(20分の休憩あり)
料金 9500円

 パンフレット等が販売されていたけれど、結構繁盛していて、チェックしそびれてしまった。

 ネタバレありの感想は以下に。

 彩の国さいたま芸術劇場の公式Webサイト内、「ジュリアス・シーザー」 のページはこちら。

続きを読む "「ジュリアス・シーザー」を見る"

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2014.10.22

「PLUTO」のチケットを購入する

「PLUTO」
原作 浦沢直樹×手塚治虫
演出・振付 シディ・ラルビ・シェルカウイ
出演 森山未來/永作博美/柄本明/吉見一豊
    松重豊/寺脇康文/上月一臣/原田みのる
    池島優/大宮大奨/渋谷亘宏/鈴木竜/AYUMI 他
2015年1月9日~2月1日 シアターコクーン
料金 S席 10500円 A席 8000円 コクーンシート 6000円

 森山未來に若干苦手意識がある私はどうしようかと少し迷っていたのだけれど、原作が手塚治虫で、鉄腕アトムまで出てくると聞いて、やっぱり見たくなった。
 チケットを優先予約で購入した。
 とても、楽しみである。

 シアターコクーンの公式Webサイト内、「PLUTO」のページはこちら。

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2014.10.21

「おんな武将NAOTORA」のチケットを予約する

劇団扉座第56回公演 扉座イカサマ歴史劇シリーズ第1弾「おんな武将NAOTORA」
作・演出 横内謙介
出演 有森也実(客演)/岡森諦/杉山良一/伴美奈子
    犬飼淳治/高橋麻理/累央/鈴木利典
    岩本達郎/上原健太/鈴木里沙 ほか       
2014年10月23日~11月3日 座・高円寺1
料金 4500円

 扉座の公演を見るのは本当に久しぶりである。
 気がついたら、役者さんも随分と入れ替わっているようだ。
 とても、楽しみである。

 扉座の公式Webサイトはこちら。

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2014.10.20

「鴎外の怪談」を見る

二兎社公演39「鴎外の怪談」
作・演出 永井愛 
出演 金田明夫/水崎綾女/内田朝陽/佐藤祐基
    高柳絢子/大方斐紗子/若松武史
観劇日 2014年10月18日(土曜日)午後2時開演
劇場 東京芸術劇場シアターイースト B列21番
上演時間 2時間40分(10分の休憩あり)
料金 5600円

 ロビーでパンフレット等が販売されていたけれど、何となくチェックしそびれてしまった。
 ネタバレありの感想は以下に。

 「鴎外の怪談」の公式Webサイトはこちら。

続きを読む "「鴎外の怪談」を見る"

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2014.10.19

「エッグ」の抽選予約に申し込む

NODA MAP 第19回公演「エッグ」
作・演出 野田秀樹
音楽 椎名林檎
出演 妻夫木聡/深津絵里/仲村トオル/秋山菜津子
    大倉孝二/藤井隆/野田秀樹/橋爪功 他
2015年2月3日~2月22日 東京芸術劇場プレイハウス
料金 S席 9800円 A席 7800円 サイドシート 5500円

 初演と全くキャストを同じくしての再演だそうだ。
 抽選予約に申し込んだ。

 「エッグ」の公式Webサイトはこちら。

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2014.10.18

「暴走ジュリエット」を見る

柿喰う客 女体シェイクスピア005「暴走ジュリエット」
脚色・演出 中屋敷法仁
出演 秋月三佳/川面千晶/菊地美香/北村まりこ
    蔵下穂波/七味まゆ味/杉ありさ/瀬戸さおり
    高島レイ/高部あい/佃井皆美
    葉丸あすか/深谷由梨香/藤咲ともみ
観劇日 2014年10月17日(金曜日)午後7時30分開演(初日)
劇場 あうるすぽっと E列17番
上演時間 1時間25分
料金 4900円
(終演後、アフタートークあり)

 ロビーではパンフレットやTシャツなどのグッズ類が販売されていた。
 「柿喰う客」の公演は初めて行ったのだけれど、毎公演、アフタートークを開催しているのだそうで、今回は中屋敷法仁氏と、劇団の女優さん3名(七味まゆ味、葉丸あすか、深谷由梨香のお三方)が登場した。他の女優さんは客演の方だそうだ。

 シリーズ006の「迷走クレオパトラ」との交互上演である。

 ネタバレありの感想は以下に。

 柿喰う客の公式Webサイトはこちら。

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2014.10.12

「小指の思い出」を見る

「小指の思い出」
作 野田秀樹
演出 藤本貴大
出演 勝地涼/飴屋法水/青柳いづみ/山崎ルキノ
    川崎ゆり子/伊東茄那/小泉まき/石井亮介
    斎藤章子/中島広隆/宮崎吐夢/
    山内健司/山中崇/松重豊
ミュージシャン 青葉市子/Kan Sano/山本達久
観劇日 2014年10月11日(土曜日)午後2時開演
劇場 東京芸術劇場プレイハウス 1階D列11番
上演時間 2時間5分
料金 5000円

 ロビーではパンフレットやCDなどが販売されていたけれど、何だか立ち寄りそびれてしまった。

 ネタバレありの感想は以下に。

 東京芸術劇場の公式Webサイト内、「小指の思い出」のページはこちら。

続きを読む "「小指の思い出」を見る"

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2014.10.11

「ア・ラ・カルト アンコール 役者と音楽家のいるレストラン」のチケットを予約する

青山円形劇場プロデュース 「ア・ラ・カルト アンコール 役者と音楽家のいるレストラン」
台本 高泉淳子
演出 吉澤耕一
音楽監督 中西俊博
役者 高泉淳子/山本光洋/本多愛也/中山祐一朗
音楽 中西俊博(violin)/クリス・シルバースタイン(bass)/竹中俊二(guitar)
    北島直樹(piano)18-22/林正樹(piano)23-26&大阪
ゲスト 陰山泰/ROLLY
2014年12月18日~12月26日 青山円形劇場
料金 6800円

 本当に最後の最後の「ア・ラ・カルト」である。
 劇場の先行予約でチケットを無事に予約することができた。
 今年が最後だけれど、今年も年末にア・ラ・カルトに出かけることができて、とても嬉しい。
 陰山泰さんの出演も、とても、楽しみである。

 青山円形劇場の公式Webサイト内、 「ア・ラ・カルト アンコール 役者と音楽家のいるレストラン」のページはこちら。

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2014.10.06

「いやおうなしに」の抽選予約に申し込む

parco produce「いやおうなしに」
脚本 福原充則
演出 河原雅彦
音楽 Only Love Hurts
出演 古田新太/小泉今日子/高畑充希/三宅弘城
    高田聖子/山中崇/政岡泰志/駒木根隆介
    三浦俊輔/高山のえみ/田口トモロヲ  
2015年1月9日~1月12日 KAAT神奈川芸術劇場
2015年1月17日~1月18日 埼玉会館大ホール
料金 S席 9000円 A席 7000円

 これはまた競争率が高そうなのだけれど、見て(というか、聴いて)みたい。
 パルコ劇場よりはチケットが取りやすいのではないかと期待し、抽選予約に申し込んだ。

 パルコ劇場の公式Webサイト内、「いやおうなしに」のページはこちら。

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2014.10.05

「雨の降る日は天気が悪い」のチケットを購入する

青山円形劇場プロデュース 「雨の降る日は天気が悪い」
脚本 別役実
演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
出演 仲村トオル/マギー/山崎一/奥菜恵
    緒川たまき/池谷のぶえ/犬山イヌコ   
2014年12月1日~12月14日 青山円形劇場
料金 6900円

 この週末は出かけていて、チケットが取れるかどうか不安だったのだけれど、無事に購入することができた。
 情報を教えてくださった知人に感謝! である。
 青山円形劇場がなくなってしまうのはとても寂しいし残念なのだけれど、でも、お芝居はとても楽しみにしている。

 青山円形劇場の公式Webサイト内、 「雨の降る日は天気が悪い」のページはこちら。

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