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「星の旅人たち」
監督・脚本・製作・出演 エミリオ・エステヴェス
出演:マーティン・シーン/デボラ・カーラ・アンガー
ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン ほか
アメリカ・スペイン合作映画
2010年劇場公開
突然、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路が気になり始めて、歩いた方が書いた書籍を買ったりしていた中で、この「星の旅人たち」というDVDも購入した。
本当は「サン・ジャックへの道」も見たいけれど、中古でしか見つからない。中古だったら、レンタルしてもいいかなぁという感じもして、そちらは未見である。
マーティン・シーン演じるトムが、息子がなくなったとフランスからの連絡を受ける。
息子のダニエルは、サン・ジャンから巡礼道を歩き始めてすぐ、事故で亡くなったのだという。
息子の亡骸を引き取りに行ったトムは、土地の警察官から巡礼道の話を聞き、息子の荷物を改め、息子の遺灰と一緒に彼が歩こうとした道を歩こうと決める。
この映画は、トムがサン・ジャンから、サンティアゴ・デ・コンポステーラを経てムシーアという海辺の街まで歩いた、その歩く様子を描いている。
そのうちに、オランダ人のヨスト、カナダから来たサラ、アイルランド人作家のダニエルという道連れができ、つかず離れず、でもホテルでそれぞれ個室に泊まったのに結局一部屋に集まってしまうような夜を過ごしつつ、4人はそれぞれの理由でサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指し、歩き、辿り着く。
言ってしまうと、それだけの映画だ。
そして、4人はサンティアゴ・デ・コンポステーラでのミサに出席し、巡礼証明書を受け取った後、巡礼の途中で出会ったイズマエルという男の勧めに従って海に息子の遺灰を撒くというトムとともに、ムシーオという海辺の街まで歩いて行く。
しかし、その「巡礼道の果て」に到着した4人は無言で海を眺め、そしてバラバラにその地を去って行く。
最後に残ったトムは、ダニエルの遺灰を海に撒く。
道中、ときどき現れていたダニエルはここにも現れ、しかし、多分、この先に現れることはないのだ。
そして、最後のシーンでは、恐らくはスペインの端っこからさらに北アフリカに渡ったのだろうと思わせるスークの喧噪の中を歩くトムがいる。
彼の「巡礼道」は、まだ終わっていない。
でも、恐らく、ヨストとサラとダニエルの巡礼の道は一旦は終わり、それぞれの人生を歩んでいる筈だ。
「道を歩く」ということが重要で、その「道の風景」も重要だ。
4人が歩くシーンに歌を被せていることも多い。その歌詞は多分歩いている誰かの心象風景だ。
楽しそうでもあり、辛そうでもあり、4人は打ち解けたようにも見え、その場限りの付き合いのようにも見える。
やっぱり、歩いてみたくなった。
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