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2015.10.24

「カレーライフ」を見る

「カレーライフ」
原作 竹内真
脚本 鈴木哲也
監修 深作健太
演出 松森望宏
出演 玉城裕規/滝口幸広/岡本玲/長濱慎
    丸山敦史/大口兼悟/内田亜希子/俊藤光利
観劇日 2015年10月24日(土曜日)午後1時開演
劇場 Zeppブルーシアター六本木 8列31番
料金 7800円
上演時間 2時間15分

 Zeppブルーシアター六本木という劇場に初めて行った。元々は、ブルーマンの公演専用の劇場だったらしい。
 六本木駅から徒歩12〜13分の住宅街といった場所にある。この不便さが、今ひとつ劇場としての競争力に欠けるのかもしれないなぁなどと考えた。
 ロビーは意外と狭く、椅子がないので、ゴハンを持って行って食べるということもちょっとやりにくい。かといって周りに飲食店がある訳でもない。さて次に行くときにはどうしようかと思っているところである。

 劇場のことばかり書いてしまったけれど、ネタバレありの感想は以下に。

 「カレーライフ」の公式Webサイトはこちら。

 洋食屋を営んでいたおじいちゃんの作るカレーライスを楽しみにしていた男4人と女1人の従兄弟たちは、そのおじいちゃんが亡くなったとき「僕たち5人でカレー屋をやろう!」と約束する。
 そして年月がたち(どれくらいの年月だったのかは芝居の中では明確にされていなかったと思う)、その中の一人、玉城裕規演じるケンスケは、調理師免許を取ったものの就職先もなくてフリーター、しかし亡くなった父親が一度は手放したおじいちゃんの洋食屋を買い戻していたことを知る、そういうシーンからこの舞台は始まる。

 ケンスケは、滝口幸広演じる従兄弟のワタルが大学の合宿でキャンプをしているところに出向き、彼が「マジックタッチ」とも言うべき天性の料理勘を持っていることを知る。
 ワタルの双子の兄の長濱慎演じるサトルは行方不明、「カレー屋をやろう」という約束をしたときに唯一曖昧な返事をしていた丸山敦史演じるコジロウはジャーナリストになっていて、何故か「おじいちゃんの洋食屋」に拘っているように見えるが、カレー屋をやろうという気持ちは全くないようだ。

 ケンスケとワタルは、紅一点である岡本玲演じるヒカリを留学先の米国に訪ねる。
 そこで、ヒカリのバイト先のシェフにラフティーを差し入れしてもらい、おじいちゃんのカレーの具にそのラフティーが使われていたことを知る。
 また、ヒカリが実はサトルとメール交換をしていたことを知り、ヒカリの命令でインドのカルカッタにサトルを探しに行くことになる。

 東大受験失敗を苦に失踪していたと思われていたサトルは、そのショックもあったのだろうけれど、おじいちゃんのカレーを再現すべくインドでスパイスの研究やカレーの食べ歩きをしていたらしい。
 サトルとワタルの兄弟仲の悪さはかなりのもので、ケンスケの発案で、カレー対決をし、ケンスケとワタルの組が勝てばサトルは一度日本に戻る、サトルが勝てばおじいちゃんのカレーの具の秘密を教える、という賭をすることになる。

 そうこうしている間にも、コジロウが実は国会議員の某が終戦直後に密輸で大もうけをしていたという話を追いかけていることが明らかになり・・・、と話は続く。
 そして、オープニングのシーンから丹澤誠二が登場してサックスを演奏し、その音楽に合わせて若者の出演者が長い手足を活かしてダンスをする。あるいは、場面転換が行われる。
 ここで生演奏を持ってきたところが、この舞台のポイントと言えるのかも知れない。

 そして、ケンスケの「おじいちゃんのカレーづくり」「おじいちゃんのカレーの謎を解き明かす」というメインのストーリーに、コジロウの国会議員の贈収賄(だったと思う)に絡んでその昔を探るというサブストーリーを絡めてくる。
 「場」も、日本からヒカリの留学先である米国、そこからサトルが放浪しているインドのカルカッタ、コジロウの追っていたネタとおじいちゃんのカレーには関係があり、沖縄で従兄弟の男ども4人が集結する。
 最後には、ケンスケが幕開けで出会ったおじいちゃんのカレーをよく知っている老人が、実はコジロウの追っていた国会議員で、おじいちゃんの昔の仲間で、コジロウの実の祖父だと判明するというおまけも付いている。
 結構、盛りだくさんな内容なのだ。

 それなのに、何故か入り込めないと言えばいいのか、何だかなぁという感じがしてしまう。
 独白や説明台詞が多いせいなのか、通る声ながら一本調子に聞こえてしまう台詞回しのせいなのか、理由はよく判らないのだけれど、何だか足りないものがあるという感じがつきまとう。
 舞台も客席も広いからなんだろうか。劇場全体が温まっているという感じがしなかったように思う。
 何より、この芝居を見ても、カレーライスが食べたい! とは思えなかったのが惜しい。

 それでも、舞台の最終盤で、客席がシンとして、観客が舞台に集中しているという空気が生まれたシーンがあった。
 その空気がもっと前から、もっと長く続けば良かったのになぁと思った。

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