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「朝日のような夕日をつれて 2014」
作・演出 鴻上尚史
出演 大高洋夫/小須田康人/藤井隆/伊礼彼方/玉置玲央
2014年 紀伊國屋ホールで収録
舞台を見たとき、私は、朝日のような夕日をつれてという舞台そのものにノスタルジーを感じていたらしい。
DVDを見て、朝日のような夕日をつれてという舞台はパーツに分解できるところが強みなのかも知れないなぁとか、1997年の朝日よりも映像が随分と多用されているなぁとか、もの凄く噛み噛みだった記憶の藤井隆がちゃんとしゃべれているなぁとか、社長部長コンビと他の3人との年齢差が随分と大きいなぁとか、様々な感想が浮かぶ。
藤井隆も伊礼彼方も、それぞれの武器を有効に使って「朝日」の世界に居場所を作っている感じだ。
そういう意味で、でも一番印象に残ったのは玉置玲央の「少年」だ。歌も上手いし、身体も動くし、何より声がいい。もちろん伊礼彼方という歌の名手が同じ舞台上にいて、Let it Goを歌い上げちゃったりしているのだからそういう意味では分が悪いけれど、しかし、きっちりキッパリ少年役にはまっている。もっと出番を増やせばいいのに! と思ってしまったくらいだ。
小須田康人演じる社長と大高洋夫演じる部長、大高洋夫演じるウラジミールと小須田康人演じるエストラゴンは、もうそこに二人でいてくれるだけで感涙だ。
それはもちろんお二方とも50代に入っている訳で、アップになると「うーん、顔の皺が」などと思ったりもするけれど、それ以上に「変わっていない」感じが嬉しい。
この二人の掛け合いのスピードに付いていくためには、最初からこの世界にどっぶり浸かるしかないなぁと思う。
第三舞台の解散公演は終わり、KOKAMI NETWORKの公演として上演された「朝日のような夕日をつれて」だけれど、やっぱり第三舞台は朝日に始まって朝日に終わるんだなと思う。
「朝日のような夕日をつれて」は、その時代に合わせて上演のたびに姿を変えている。今後も上演されることがあるだろうか、鴻上演出ではなく上演されることがあるだろうか、「トランス」のように役者を変えて演出を変えて上演を続けることは難しいだろうな、やはり第三舞台という劇団の象徴のような芝居だからなぁ、そもそも上演されても見に行かないかもなぁとも思う。
ひたすら「大変だった」と連呼する副音声も楽しい。
でも、男性6人だと声で聞き分けられなかったりするので(私だけか?)、発言者の名前だけでもテロップで出してくれたりしないかなぁと思う。
「朝日のような夕日をつれて」はいい。
とにかくいい。
また見よう、何度でも見ようと思った。
って、大晦日に何をやっているんだか。
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